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目次
- はじめに
- 古いサーバー環境が、知らず知らずボトルネックに
- CloudFlareって何?どう使われてる?
- Next.jsがCloudFlare Workersで動くようになった
- どんなプロジェクトにCloudFlareはフィットする?
- ● スモールスタートの新規事業やキャンペーンサイト
- ● 採用サイトやブランドサイトなど、UIや表示スピードが重視される案件
- ● 公共性の高い情報サイトや教育・医療・行政関連のプロジェクト
- ● CMSを使わない静的サイトやJamstack構成のWebサイト
- CloudFlareの強みと、AWSとCloudFlareそれぞれの良さ
- ● 設定や導入のシンプルさ
- ● コストの見通しやすさ
- ● UIと確認フローの明快さ
- ● フロントエンドとの親和性
- まとめ
- CloudFlareは“ちょうどいい”インフラ
はじめに
Webサイトの表示速度やセキュリティは、いまや「デザイン」や「使いやすさ」と同じくらい重視される要素になりました。
特に、スモールスタートの新規事業や、キャンペーンページ、採用サイトのように、スピードと品質の両立が求められる場面では、どのインフラを選ぶかが大きな分かれ道になります。
私たち株式会社デパートは、東京青山を拠点にデザイン・フロントエンド開発・アクセシビリティなどの視点からWebサイト制作、ホームページ制作に取り組んでいます。そんな中で、CloudFlareは「ちょうどよくて、頼れる選択肢」だと感じることが増えてきました。
CloudFlareは、もともとWeb表示の高速化やセキュリティ強化を得意とするサービスですが、現在では「そのままインフラまで完結できる」手軽さと拡張性を兼ね備えています。
本記事では、CloudFlareがなぜ今注目されているのか、どんなプロジェクトと相性が良いのか、そしてAWSとの違いも含めて、制作会社の視点からわかりやすく解説します。
古いサーバー環境が、知らず知らずボトルネックに
Webサイトを作るとき、「どんなサーバーを使うか」は早めに決めておきたいポイントのひとつです。
ただ、「今までのサーバーで」「レンタルサーバーで」ということも少なくありません。
そういったケースでも実際に問題なく運用できれば良いのですが、
あとから
サイトを速くしたいけど、キャッシュ制御が難しい
フロントエンドで高度な処理をしたい
プレビューや更新作業に手間がかかる といった“ちょっとした不便”が積み重なることがあります。
このようにサーバーの都合で実現できないということが起きてしまう。 それは、プロジェクトを進める立場としても、悩ましいところです。
一方で、CloudFlareのようなサービスなら、こうした制約を感じにくくなります。 表示速度やセキュリティ対策といった基本機能は最初から揃っていて、必要に応じて機能を足していくこともできます。
こうした環境を選ぶことで、CMSやフロントエンドの選択肢を広げつつ、更新・運用の流れも整理され、トラブルも減るメリットが生まれます。 「サーバーを変える」というと、少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、プロジェクトの進め方や完成度にまで関わるテーマとして、選択肢を見直してみる価値は十分にあると思います。

Webサイトを公開するためには、レンタルサーバーの選択が欠かせません。しかし、多数の事業者から「おすすめ」と謳われているため、一体どのレンタルサーバーを選べば良いのか分かりにくい状況です。 本記事では、Webサイト公開に最適なレンタルサーバーの選び方と、実際におすすめのサービスをご紹介します。機能性、コストパフォーマンス、サポート体制といった観点から比較検討し、ビジネスニーズに合わせたサーバー選びのヒントを提案します。
CloudFlareって何?どう使われてる?
CloudFlareは、もともとCDN(コンテンツ配信ネットワーク)やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)といった技術をベースに、Webサイトを速く、安全に届けるためのサービスとして広まりました。
たとえばCDNの仕組みでは、Webサイトのデータを世界中の複数の拠点に分散して保存し、ユーザーの近くにある拠点からデータを届けることで表示速度を高速化します。これにより、日本からでも海外のサイトがスムーズに開く、といった体験が実現できます。
またWAFでは、悪質なアクセスや攻撃を検知して、自動でブロックする仕組みが提供されています。これは、フォームの改ざんやログイン画面への不正アクセスといったリスクに対して、あらかじめ備えてくれるものです。
こうした機能が、CloudFlareでは初期設定のままでも利用できるのが大きな特長です。
さらに現在では、「Pages」や「Workers」といったサービスを通じて、WebサイトのホスティングやサーバーレスなAPI構築まで対応できるようになりました。
たとえば、フロントエンドで作ったHTMLやCSS、JavaScriptをCloudFlareにアップロードするだけで、
ドメインの管理
常時SSL化(https対応)
高速な表示やセキュリティ対策
などが一括で整い、インフラの複雑な設定に悩まされることなく、すぐに公開まで進めることができます。
GitHubと連携すれば、コード更新に応じて自動で公開され、プレビュー用のURLも即時に発行されます。
確認や修正の流れがシンプルになり、制作・運用の現場にとっても大きな利点です。
CloudFlareは、もともと「支える役割」だったインフラの枠を越えて、制作そのものを加速させるサービスとして選ばれる存在になりつつあります。
Next.jsがCloudFlare Workersで動くようになった
ここ数年で、フロントエンドの開発では「Next.js」をはじめとするモダンなフレームワークが広く使われるようになりました。
なかでもNext.jsは、表示速度やSEO、柔軟なページ生成といった点で強みがあり、企業サイトやサービスLPでも採用が増えています。
一方で、Next.jsはもともとNode.jsベースで動作しており、CloudFlareのような軽量な実行環境(Workers)とは相性がよくありませんでした。
とくに、動的なページ生成(ISRやAPIルート)を含む構成では、CloudFlare上で動かすのは難しいとされていました。
それが今では、「Next on Pages」などの取り組みによって、CloudFlareでもNext.jsが自然に動く環境が整ってきています。
これは、CloudFlare自身が提供している公式のサポート体制のひとつで、ビルド済みのNext.jsプロジェクトをCloudFlare Pagesへ簡単にデプロイできる仕組みです。
技術的な背景はあるものの、実際の使い方は非常にシンプルで、
GitHubにリポジトリを用意し
CloudFlare Pagesと連携して
ビルド&デプロイ設定を選ぶだけ
で、Next.jsで作ったWebサイトをCloudFlare上にそのまま公開することが可能になります。
これにより、
表示速度・セキュリティ対策・自動デプロイといったCloudFlareの恩恵を活かしつつ
Next.jsによる柔軟なUI構築やページ生成が実現できる
という理想的なバランスが取れるようになりました。
「CloudFlareではNext.jsはちょっと難しい」という印象は、すでに過去のものです。
いまでは、Reactベースのモダンなフレームワークとも自然に組み合わせられる“実践的なインフラ”として選べるようになっています。
👉 詳しくは、CloudFlare公式ブログの
「Cloudflare Workersでフルスタック開発が可能になった背景」 でも紹介されています。

最近、フロントエンド開発において、サーバーサイドレンダリングの重要性が増しています。そのなかでも、Reactベースのフレームワークで人気が高まっているのが、Next.jsです。 今回は、Next.jsとは何か、どのような特徴があるのか、またメリット・デメリットについて解説していきます。
どんなプロジェクトにCloudFlareはフィットする?
CloudFlareは、表示速度やセキュリティに優れているだけでなく、必要な機能をスモールスタートで導入できる点でも優れています。
そのため、特定の業種やサイト種別に限らず、幅広いWebプロジェクトに自然にフィットする柔軟性があります。
たとえば、次のようなケースでは特にCloudFlareのメリットが活きてきます。
● スモールスタートの新規事業やキャンペーンサイト
立ち上げ時は予算やリソースが限られている中で、「とにかく早く・しっかりと公開したい」というニーズはよくあります。
CloudFlareは無料プランから利用でき、ドメイン設定・SSL化・自動デプロイなどがすぐに整うため、スタートダッシュに最適です。
さらに、あとからアクセスが増えたり、機能が追加された場合でも、必要な分だけ段階的にアップグレードできるため、事業の成長に合わせて柔軟に対応できるのも大きな強みです。
● 採用サイトやブランドサイトなど、UIや表示スピードが重視される案件
第一印象やユーザー体験が大切なWebサイトでは、ページの読み込み速度や安定性が問われます。
CloudFlareは世界中に配置されたCDNのネットワークを使って、どこからアクセスしても高速に表示させることができます。
特にアニメーションや画像を多用したサイトなど、フロントエンドの構成がリッチな場合にも、キャッシュ制御や圧縮処理などが自動で最適化されるため、スムーズな表示が期待できます。
● 公共性の高い情報サイトや教育・医療・行政関連のプロジェクト
こうしたサイトでは、セキュリティ対策やアクセス集中への対応が求められることが多くあります。
CloudFlareにはWAFやDDoS対策といったセキュリティ機能が標準で備わっており、複雑な設定をしなくても外部からの攻撃を自動でブロックできます。
また、災害時や重要発表時など、一時的にアクセスが増える場面でも、CDNのネットワークが自動的に負荷を分散してくれるため、サーバー落ちなどのリスクも抑えられます。
● CMSを使わない静的サイトやJamstack構成のWebサイト
静的な構成でつくられたWebサイトとの相性も非常に良好です。
CloudFlare Pagesは、GitHubにアップしたHTMLやCSSなどのファイルをそのままビルドして公開できるため、ビルド済みの成果物をそのまま高速に配信することができます。
Next.jsやAstro、Nuxtなど、最近のフロントエンドフレームワークと組み合わせても、構成が複雑になりにくく、トラブルが少ないのが魅力です。
このように、CloudFlareは「大規模で複雑なシステムにしか向かない」ものではなく、
むしろ制作現場のリアルな規模感やスピード感にフィットする選択肢だといえます。
CloudFlareの強みと、AWSとCloudFlareそれぞれの良さ
フロントエンド開発の現場では、インフラ選定の段階でAWS(Amazon Web Services)を候補に挙げるケースが多くあります。
豊富な機能や柔軟な構成が可能で、世界的にも広く利用されているサービスです。
特に、複雑なバックエンド処理が必要なシステムや、大規模なインフラ構成を前提としたサービスでは、AWSの選択は非常に現実的で、安定した成果が期待できます。
一方で、Web制作の現場では、そこまで大規模な要件ではないものの、スピード感や快適さを重視したい場面も多くあります。
そうした場合に、CloudFlareが持つ特長が非常に活きてきます。
● 設定や導入のシンプルさ
AWSは高機能である反面、構成や設定が複雑になりやすく、ある程度の知識や経験が求められます。
CloudFlareでは、初期設定が非常にシンプルで、インフラ構築に時間をかけずに本番公開まで進められるのが強みです。
ドメイン設定、SSL化、キャッシュ制御などがあらかじめ整っている
GitHub連携でコードを更新するだけで自動デプロイ
GUIが直感的で、技術職以外のメンバーでも扱いやすい
といった点で、スピーディーにプロジェクトを進めたい制作現場との相性が非常に良いと感じています。
● コストの見通しやすさ
CloudFlareは無料から始められ、ある程度のトラフィックまでは追加費用が発生しません。
また、有料プランに移行する場合でも、必要な機能を段階的に追加する形でコントロールできます。
AWSも従量課金によって柔軟な料金体系を提供していますが、初期フェーズや小規模案件ではコスト構造が見えにくいと感じられることもあります。
CloudFlareの「まずは無料で始められる安心感」は、プロジェクト提案や検証時のハードルを下げてくれます。
● UIと確認フローの明快さ
CloudFlareの管理画面はシンプルで直感的に操作できるため、技術的な背景を持たない関係者とも情報共有がしやすくなります。
また、プレビューURLの自動生成などにより、確認もスムーズに行えるのも大きな利点です。
● フロントエンドとの親和性
CloudFlare PagesやWorkersは、フロントエンドの構成をそのままインフラに接続できる設計になっており、開発と公開の境目が非常に滑らかです。
Jamstackとの相性が良い
フロントエンドだけでAPI構築まで完結できる
ビルド処理もサーバー側で自動化される
といった点で、技術選定の幅を狭めず、今のフロントエンド開発のスタイルに自然にフィットします。
AWSは高度な構成や大規模システムの基盤として、現在も第一線で活用され続けている重要なサービスです。
そのうえで、CloudFlareには「早く」「軽く」「ちょうどよく」始められるという明確な強みがあります。
プロジェクトの性質やフェーズに応じて、どちらを選ぶか、どう組み合わせるか。
そうした柔軟な視点を持つことが、これからのWeb制作にはより求められてくるのではないかと私たちは考えています。

Webサイトを制作する際、見た目や使いやすさには注目が集まりますが、「どのサーバーを使うか」は後回しにされがちです。しかし、その選択が表示速度や更新のしやすさ、セキュリティ対策にも直結します。デザイン・UI/UX・アクセシビリティだけでなく、高速化・更新性・保守性・セキュリティを支える“土台”としてのインフラ選定も重要な要素です。

ビジネスでWebサービスを提供する際、サーバーの構築は欠かせない重要な作業です。しかし、専門知識が必要なうえ、セキュリティ面での懸念もあり、専門知識なしで対応するのは現実的ではありません。
まとめ
CloudFlareは“ちょうどいい”インフラ
ここまでご紹介してきたように、CloudFlareは表示速度やセキュリティを備えながら、導入や運用のハードルが低く、プロジェクトに合わせて柔軟に使えるインフラサービスです。
大規模な開発基盤としてのAWSが必要な場面もありますが、制作現場では、もっとシンプルに「安心して提案・運用できる環境」が求められるケースも多くあります。
CloudFlareは、そういった“ちょうどいい”ニーズに応えてくれる存在です。
サーバーや構成が固定されていることで、フロントエンドやCMSの選択肢が狭まる
表示速度やセキュリティが気になるけど、複雑な設定には踏み込めない
小さく始めたいが、将来的な拡張にも備えておきたい
そんなときに、CloudFlareのようなサービスを知っておくことは、提案の幅を広げ、プロジェクト全体の完成度を引き上げる選択肢になると私たちは考えています。
株式会社デパートでは、CloudFlareを利用した高速化やUXやアクセシビリティを考慮したモダンフロントエンド開発も行っております。 ぜひ、サーバーからの見直しなどもお気軽にご相談ください。
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