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目次
目次
- GitHub Copilot Chatとは?AIとの対話でコーディングを加速させる機能
- GitHub Copilotとは?
- GitHub Copilot Chatとは?
- 従来のGitHub Copilotとの機能的な違い
- チャット形式で実現できる4つの具体例
- Cursorとの違い
- GitHub Copilot Chatを使い始めるための設定手順
- 利用に必要なライセンスプランを確認する
- vscodeに拡張機能をインストールする方法
- インストール後の確認ポイント
- 実践!GitHub Copilot Chatの基本的な使い方
- チャットビューでコーディングに関する質問をする
- コードを選択してインラインで修正やリファクタリングを依頼する
- コードレビューを依頼する
- エラーメッセージの原因と解決策を尋ねる
- GitHub Copilot Chatのモード切り替えとモデル切り替え
- 3つのモードの違い
- モデルの切り替えとコストの関係
- モデルの選択肢
- エージェントモードでできることの具体例
- 開発効率を劇的に向上させる便利なTips
- スラッシュコマンドで特定のタスクを素早く実行する
- @workspaceでワークスペース全体をコンテキストに含める
- 回答の精度を高めるプロンプトの書き方
- まとめ
GitHub Copilot Chatは、コード補完に加えてAIと対話しながら開発を進められる新しい機能です。
この記事では、その基本的な使い方から、開発効率を高める便利なTips、さらにはモードやモデル切り替えまでをわかりやすく解説します。
GitHub Copilot Chatとは?AIとの対話でコーディングを加速させる機能
GitHub Copilotとは?
GitHub Copilotは、複数のLLMモデルを利用してコードを自動補完してくれるツールです。
vscodeに組み込んで使うことで、関数やループの続きを予測して提案してくれたり、コメントで「やりたいこと」を書くだけでコードを生成してくれたりします。
対応言語もTypeScriptやPythonをはじめ幅広く、日常的なコーディング作業を効率化してくれる存在です。
GitHub Copilot Chatとは?
GitHub Copilot Chatは、そのCopilotにチャット形式でAIと会話しながら開発を進められる機能が加わったものです。
「こういう処理を作りたい」「このエラーの原因を教えて」と自然な言葉で質問すれば、コード例や解決策を提案してくれるため、ペアプログラマーが隣にいるような感覚で作業できます。
Copilot Chatは、エディタ内の**コンテキスト(選択範囲・開いているファイル・ワークスペース)**を手がかりに回答を最適化します。要件や関連URLを一緒に渡すほど、提案の的中率が上がります。
従来のGitHub Copilotとの機能的な違い
従来のCopilotは「入力中のコード補完」が中心でした。
一方、Copilot Chatは 双方向の会話 が可能になり、エラー調査や設計相談、学習まで幅広く対応できます。
// 「もっと短くできる?」と聞いた場合の例
function calcTotal(prices: number[]): number {
let total = 0;
for (let i = 0; i < prices.length; i++) {
total += prices[i];
}
return total;
}
// 提案されたリファクタリング例
function calcTotal(prices: number[]): number {
return prices.reduce((sum, p) => sum + p, 0);
}
チャット形式で実現できる4つの具体例
コードの解説 → 「この関数を初心者向けに説明して」
エラー解決 → 「
TypeError: undefined
が出るのはなぜ?」リファクタリング → 「このReactコンポーネントをHooksで書き直して」
新規実装 → 「入力フォームにバリデーションを追加して」
そのほかにも、デザインシステムと連携させることもでき、まったく新しい開発体験になりつつあります。
Cursorとの違い
近年人気を集めているエディタのひとつに Cursor があります。
こちらもAIによるコード補完やチャット機能を備えていますが、Copilot Chatとは次のような違いがあります。
統合度の違い
→ Copilot ChatはGitHub公式のサービスであり、リポジトリやIssuesとの連携が強力です。
一方、CursorはVS Codeをベースにした独自エディタで、GitHub連携よりも「AIによるコーディング体験」を中心に設計されています。
利用環境
→ Copilot Chatは既存のVisual Studio Codeに拡張機能として導入できます。
CursorはIDEアプリ自体をインストールして利用する必要があり、基本的に「CursorというIDEそのもの」に移行して使う形になります。
料金・ライセンス → Copilot ChatはGitHub Copilotのプランに含まれる(Pro / Pro+ / Business / Enterpriseなど)。Cursorは独立した料金体系を持ち、モデル選択によって費用が変わる。
モデル選択の柔軟性
→両者ともに複数モデルを選択可能です。
Copilot Chatでも、OpenAIモデルに加えてAnthropic(Claude)やGoogle(Gemini)などを選べるようになりました。
まとめると、GitHubと強く連携して開発したいならCopilot Chat、GitHubに依存せず最新モデルを自由に切り替えたり、AI IDEとしての新しい開発体験を試したいならCursorと考えるとわかりやすいです。
なお、Copilot ChatはMicrosoftとGitHubのエコシステムに統合されているため、GitHub上のPRやIssue、セキュリティ機能との連携が自然です。既存のGitHub運用を中心に据えるなら、この統合メリットは大きいでしょう。
GitHub Copilot Chatを使い始めるための設定手順
Copilot Chatを使い始めるには、ライセンスの確認とvscodeへの拡張機能の導入が必要です。
ここでは、初めての方でも迷わないように手順を整理しました。
利用に必要なライセンスプランを確認する
まずは利用できるプランを確認しましょう。
2025年時点では、個人向けと法人向けで次の5種類が提供されています。
Copilot Free
無料プラン。毎月 2,000 件のコード補完と 50 件のプレミアムリクエストが含まれます。誰でも利用可能です。
Copilot Pro
個人利用向けの有料プラン。月額課金制で、AIチャットや追加モデル、無制限の補完などが利用可能です。
Copilot Pro+
Pro の上位プラン。利用できるモデルの選択肢が広がり、より多くのプレミアムリクエスト枠を持てる強化版です。
主に個人の専門家や小規模チームを想定しています。
Copilot Business
法人向けプラン。組織管理、ポリシー制御、アクセス管理などが可能で、チーム開発に向いています。
Copilot Enterprise
大規模組織向けプラン。Businessの機能に加え、拡張された管理機能や企業向けの追加サポートが提供されます。
→ 個人で試すなら料金的に導入しやすい Pro、チーム導入なら管理機能を備える Business を検討してみると良いでしょう。
vscodeに拡張機能をインストールする方法
ここではデスクトップアプリの「vscode」を前提に手順を説明します。ブラウザ版(vscode.dev)でも一部機能は使えますが、Copilot Chatの活用幅はデスクトップ版の方が広いです。
ライセンスが有効なら、次はvscodeに拡張機能を追加します。
vscodeを開く
まだインストールしていない場合は公式サイトから入手します。
拡張機能ビューを開く
左側サイドバーの「四つの四角アイコン」をクリック。
「GitHub Copilot」で検索してインストール
まずは「GitHub Copilot」を導入します。
「GitHub Copilot Chat」で検索してインストール
チャット機能を有効にするにはこちらも必須です。
GitHubアカウントでログイン
インストール後、右下に表示されるサインインボタンからGitHubにログインします。
ライセンス認証を確認
有効なプランに紐づいていれば、これで準備完了です。
インストール後の確認ポイント
サイドバーにチャットアイコン(吹き出しマーク)が表示される
コードエディタ上で右クリックすると「Copilot Chatに質問」というメニューが出る
設定画面(
Ctrl + ,
またはCmd + ,
)で「GitHub Copilot」を検索すると詳細設定が可能
→ ここまで確認できれば、いつでもCopilot Chatを呼び出せる状態です。
実践!GitHub Copilot Chatの基本的な使い方
ここからは、実際にCopilot Chatをどう操作すればいいのか、具体的な手順と活用方法を紹介します。
基本的な流れを押さえておけば、初めての人でもすぐに試せます。日本語で質問できるので、英語が苦手な方でも安心です。
チャットビューでコーディングに関する質問をする
配列の中から重複を取り除く関数をTypeScriptで書いて
提案例:
function uniqueArray<T>(arr: T[]): T[] {
return [...new Set(arr)];
}
質問文にURLを含めるのも有効です。設計ドキュメントやAPI仕様のURLを添えると、その内容をコンテキストとして踏まえた回答になりやすくなります。
コードを選択してインラインで修正やリファクタリングを依頼する
コードを選択 → 右クリック → Copilot Chat: Ask about selected code
例: 「この関数を非同期対応にして」と依頼すると、Promise対応のコードに書き換えられます。
コードレビューを依頼する
コードの品質を高める観点でもCopilot Chatは役立ちます。
「この関数をより読みやすく改善して」「セキュリティ的に問題がないかチェックして」といった質問を投げることで、コードレビューの補助として使えます。
→ 人が行うレビューの代わりにはなりませんが、事前に改善点を洗い出しておくとレビュー効率が大幅に上がります。
既存のPRのURLを貼って「差分をレビューして」と依頼すれば、変更点の意図や影響範囲をコンテキストに含めたチェックを促せます(最終判断は人のレビューで行う前提)。
エラーメッセージの原因と解決策を尋ねる
エラーメッセージをそのまま貼り付けてもOKです。
Uncaught TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'map')
→ 原因(undefined
が返っている)と解決策(nullチェックなど)が提示されます。
GitHub Copilot Chatのモード切り替えとモデル切り替え
Copilot Chatには、用途に合わせて切り替えられる複数のモードが用意されています。
どのモードを選ぶかによって、サポートの範囲や回答の仕方が変わるのが特徴です。
また、LLM自体を切り替えて使うこともできますので、コストを考えつつ用途に合わせて利用することも可能です。
モードは、どのコンテキストを主に使うか(選択コード/ファイル/ワークスペース全体)で使い分けるイメージです。用途に応じて最適なモードを選ぶと無駄が減ります。
3つのモードの違い
Agentモード → プロジェクト全体を横断してサポート。環境構築やモック作成など大きなタスクに強い。
Askモード → チャットベースで質問に答える基本モード。コード解説やサンプル作成に便利。
Editモード → 選択したコードを直接修正。リファクタリングやスタイル調整向け。
小さな修正=Edit、質問解消=Ask、全体支援=Agentと覚えると使いやすいです。
モデルの切り替えとコストの関係
Copilot Chatでは利用するモデルを切り替え可能で、精度や速度、コストに影響します。
軽量モデル → 応答が速く低コスト。短い補完や簡単なQ&A向け。
高精度モデル → 文脈理解が得意。複雑な設計や大規模改善向け。
実務では「普段は軽量モデル、必要な時だけ高精度モデル」を使うとコストパフォーマンスが良いと思います。
モデルの選択肢
※利用可能なモデルは利用時期により変動します。以下は一例です。
横にスクロールできます
モデル名 | 特性の目安 | 想定用途例 |
---|---|---|
o3-mini / o4-mini | 軽量・応答が速い・低コスト | 簡単な補完・短いQ&A |
GPT-5 mini | 軽量+精度バランス型 | 小規模リファクタリング |
GPT-4.1 / GPT-5 | 高精度・文脈理解に強い | 設計提案・大規模改善 |
Claude Sonnet 3.7 / 4 | 長文生成やドキュメント化が得意 | コード解説・設計ドキュメント作成 |
Gemini 2.5 Pro | 広範な知識回答に強み | 技術調査・補足的な説明 |
→ 実際の画面ではモデル名で表示され、右側の数値によりコスト感も把握することができます。
エージェントモードでできることの具体例
モックを素早く作る → 「ログインフォームのモックをReactで作って」
export default function LoginForm() {
return (
<form className="space-y-4">
<input type="email" placeholder="メールアドレス" className="border p-2 w-full" />
<input type="password" placeholder="パスワード" className="border p-2 w-full" />
<button className="bg-blue-500 text-white px-4 py-2">ログイン</button>
</form>
);
}
新しい開発環境のセットアップ → 「Next.js + Tailwind + ESLint + Prettierを整えて」
複数ファイルをまたぐ改善提案 → 「APIとフロントの疎通をテストするコードを書いて」
その他、依頼時に要件のURL(API仕様、デザイン指針など)を添えると、エージェントが参照するコンテキストが増え、生成物の齟齬を減らせます。vscodeのアプリ内から完結させられるのも利点です。
開発効率を劇的に向上させる便利なTips
ちょっとしたコツを知っているだけで、Copilot Chatをさらに便利に活用できます。
単に質問するだけではなく、補助的な機能や入力の工夫を知っておくと、より精度の高い回答が得られます。
ここでは「作業が一段と楽になる」というポイントをまとめました。
スラッシュコマンドで特定のタスクを素早く実行する
チャット欄で「/」を入力すると、実行できるコマンドが一覧で表示されます。
よく使うコマンドを覚えておくと、繰り返し作業の効率が大幅に向上します。
/explain → 選択したコードを日本語で解説
/tests → テストコードを自動生成
/fix → エラーを検知して修正案を提示
@workspaceでワークスペース全体をコンテキストに含める
さらに、関連ドキュメントのURLを併記すると、@workspaceで拾いきれない外部情報もコンテキストとして補えます。
@workspace ログイン処理の流れを図解して
と入力すれば、関連する複数のファイルを参照しながら回答してくれます。
部分的な改善だけでなく、システム全体の流れを理解した上で提案を受けられるのが強みです。
→ 小規模な質問は不要でも、設計や全体像を整理したいときに便利です。
回答の精度を高めるプロンプトの書き方
Copilot Chatに指示を出すときは、なるべく具体的に伝えるのがポイントです。
目的を明確に → 「もっと短く」「安全に」「初心者にわかりやすく」
対象を指定 → 「この関数」「このファイル」「このコンポーネント」
形式を伝える → 「TypeScriptで」「テストコードとして」「Markdown形式で」
→ 日本語で指定しても問題ありません。むしろ詳細な条件を日本語で伝えた方が、誤解の少ない回答が得られます。
まとめ
GitHub Copilot Chatは、従来のコード補完を超えて、会話形式で開発を支援してくれるAIツールです。
さらに Agent / Ask / Edit のモード切り替え と モデル選択 を理解すれば、精度とコストを両立させながら活用できます。
初心者 → Askで学びながらコードを書く
実務 → Editでリファクタリングやコードレビューを効率化
プロジェクト全体 → Agentで環境構築やモック作成を自動化
まずは小さな質問から試し、徐々にAgentモードまで活用すると効果を実感しやすいでしょう。
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