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ブランドムービーの作り方。やまの華豚 ~「えん」が繋がり、広がる 篇~ | 方波見牧場 精肉ブランド「やまの華豚」PJ
プロジェクトの概要
茨城県鉾田市にある方波見(かたばみ)牧場の精肉ブランド「やまの華豚」。弊社ではブランドロゴを始めとしブランディングをお手伝いさせていただいています。今回はレストランなどの取扱店や消費者の方々に向けたブランドムービーを制作しました。
完成ムービーはこちら
こちらと合わせて計2種のムービーを制作しています。
今回の動画制作の進め方
- コンテを作りながら方向性を探っていきます。
- 参考になりそうな動画から動きを考えます。
- BGMもさがしつつ、動画を作っていきます。
- ある程度ムービーの状態になったところで、制作メンバーと共に表現の方法としてブランドにマッチしているかどうかを検討します。この表現ではない、となった場合 1 から再検討します。⬅今回はこのパターン(涙)
- 方向性が固まったら動画を作り込んでいきます。
- 細かな表現やニュアンスの調整・FBを繰り返します。
- 完成!
4. について。本来は参考動画などを集めつつ方向性を検討して最小限の手戻りで作っていく方法もあるかと思いますが、実験的なプロジェクトでもあるためこのようなやり方で進めました。
抑えるべきポイント
- やまの華豚のブランドイメージを踏襲する
- ブランドの特徴・こだわりを飲食店オーナーや消費者に伝える
- 既存素材(動画・写真)を使用する(新たに撮影はしない)
やまの華豚のブランドサイトは既に存在するため、ムービーはそのブランドイメージを崩すことなく、ブランドの特徴を魅力的に伝えることに注力しました。
絵コンテの作成
Adobe illustrator(以下Ai)やAdobe XD(以下XD)を使って絵コンテを作成しました。
⬇ボツになった初回案
今回、こちら⬆の絵コンテを元にまずはムービーを作成し、ターゲットユーザの受け取り方を考え考察した結果、以下の点から表現方法を再検討することになりました(涙)
- ポップさが強くブランドイメージと相違している
- 豚を直接的に描きすぎている
- やや説明的な印象
⬇修正案の絵コンテ
修正した案では、ブランドの温かみや繊細さを表現する手書き感のあるイラストを軸に、牧場➞キッチン➞食卓へと繋がっていき、世の中に広がるストーリーを描くことで、ブランドコンセプトである「宴(えん)が広がる」を伝えることができるのでは、と考えました。
絵コンテは手書きなどで作成されることが多いですが、私の場合かなりラフに手書きで描いた後、PC上で作っていきました。PCだと色やロゴを使用でき、イメージが湧きやすいのがメリットです。
ムービー作成におけるポイント
ソフトはAfterEffectsを使用
今回はAdobe AfterEffects(以下Ae)を使用して、ムービーの制作を行います。
Aeはわかりやすく言うとモーショングラフィック作成ソフトで、テキストやイラストを動かしたりするムービー制作に向いています。逆に、撮影動画を順につなげる動画(例えばテレビドラマのような動画編集)には多少不向きになります。
今回は撮影素材があったものの、静止画も多く、ブランドの特徴を視覚的に伝えるためにイラストなどのグラフィックと組み合わせて作成することしたためAeで制作しました。
サブ的にillustratorを使用
Aiを使ってベクターイラスト素材を作成し、Aeで動かす方法で進めました。Aeでもベクターは扱うことができますが、慣れている方が描きやすいのでAiを使用しています。
Aeの強み➞色々な飛び道具
Aeには演出に使える色々な機能があり、私は勝手に「飛び道具」と呼んでいます。そんな飛び道具を3つほど紹介します。
飛び道具その1:「パスのトリミング」を随所に使用
Aeにデフォルトで搭載されている機能「パスのトリミング」を多く用いて作成しています。
飛び道具その2:「タービュレントディスプレイス」でジワジワ動かす
AfterEffectsは名前に “エフェクト” と入っている通り、エフェクト(効果)をつけるのが得意なソフトです。そのためたくさんのエフェクト機能が存在していて、その中の「タービュレントディスプレイス」というエフェクトを使うことで、真っ直ぐなパスデータでも、手書きのようなジワジワ感をつけることが可能です。
AeのエフェクトはPhotoshopで言うところの「レイヤー効果」みたいなもので、元の素材自体は変化していないのに、見た目上で変化をつけるものになります。例えば下記のようにパス自体は動かなくても、ムービー上では動いて見えるのがエフェクトの効果になります。
飛び道具その3:「パスのウィグル」で柔らかな動きをつける
ブランドの柔らかで有機的な印象を出したかったのですが、円の表現がジオメトリックで無機質な印象になってしまう懸念がありました。そのためパスレイヤーに効果「パスのウィグル」を適用して有機的に動かしています。
パスのウィグルはマスクパスには使用できないため、マスクを動かす箇所は手動でパスの形を変えてウィグルのような動きを作りました(汗)
飛び道具だけでは作れない地道な制作物「アニメーション」
便利な飛び道具を3つほど紹介しましたが、そんな便利な方法だけでイラストをアニメーションとして成立させるは難しく、実際には地道な作業を繰り返しています。
特に肉を調理する場面では、ひとつひとつの細かな動きを「位置」という項目にキーフレームを打って作っています。
キーフレームとは、イラストをA地点からB地点に動かす際、タイムライン上につける印です。動きが細かくなるとキーフレームがその分多くなります。
まとめ:全体感として大切にしたこと
技術的なことを色々と書いてしまいましたが、全体感として大切にしたのは、やまの華豚が「生産者の方のこだわりが詰まったお肉」であると伝わることです。
それを伝えるため、広い農場でのびのびと育った豚が丁寧に調理されて食卓に広がっていく構成にすることで、ストーリーを感じられるムービーを目指しました。
Aeの基本的な使い方に関してはこちらを参照ください。また、上記で紹介したエフェクトに関しては「パスのトリミング」等で検索して調べることで詳しい方法が紹介されているので、目的とする表現方法が決まってから、調べながら作成していくのがオススメです。