モバイルファーストとは？意味やメリット、Webデザインの作り方を解説

モバイルファーストとは、Webサイトやアプリケーションを制作する際に、スマートフォンでの表示や操作性を最初に設計し、その後にタブレットやPCへと対応させていく考え方です。 スマートフォンの利用が主流となった現代のweb環境において、このアプローチはユーザー体験の向上とSEOの両面で非常に重要視されています。

この記事では、モバイルファーストの基本的な意味から、具体的なメリット・デメリット、実践的なWebデザインの作り方までを網羅的に解説します。

株式会社デパートでは、モバイルファーストを前提としたWebサイト制作を、戦略設計から情報設計、UI/UXデザイン、レスポンシブ実装、表示速度最適化、SEO、運用改善まで一気通貫でご支援しています。BtoC・BtoB、コーポレート／採用／EC／メディアなど幅広い実績があり、現状サイトの無料診断やお見積りのご提案も可能です。課題の整理からでも大歓迎ですので、お気軽にご相談ください。

そもそもモバイルファーストとは？基本的な意味を解説

モバイルファーストとは、Webサイト制作の設計思想の一つであり、その言葉が示す通りモバイル端末を最優先に考えるアプローチです。 単にスマートフォンで表示できるサイトを作るという意味ではなく、コンテンツの企画段階からデザイン、機能の実装に至るまで、すべての工程でモバイルユーザーを基準に最適化を進めます。

このセクションでは、モバイルファーストの正確な意味と、関連するレスポンシブデザインとの違い、そしてなぜこの考え方が重視されるようになったのかという背景を解説します。

• スマートフォンでの表示を基準にWebサイトを設計する考え方

• レスポンシブデザインとの根本的な違い

• モバイルファーストが重視されるようになった背景

どんな対応が必要？スマートフォンサイトで考慮したいウェブアクセシビリティ対応を解説

スマートフォンはWebを利用するデバイスとしては一番といっていいほど使われるデバイスです。 より多くのユーザーに使いやすく安心して利用してもらうには、コンテンツやWebサイトの種別によって利用を限定せずに、さまざまな利用状況を考える必要があります。 本記事ではスマートフォン特有の対応に関して解説します。

スマートフォンでの表示を基準にWebサイトを設計する考え方

モバイルファーストとは、コンテンツやデザイン、機能などを、まずスマートフォンの小さな画面を前提として設計する考え方です。 従来のPCサイトを縮小してスマートフォンに対応させるアプローチとは異なり、限られた表示領域の中でユーザーにとって本当に必要な要素は何かを突き詰め、優先順位の高い情報から構築していきます。

この設計思想に基づき、モバイル版のWebサイトを完成させた後、タブレットやPCといったより大きな画面に対応させるために、レイアウトや機能を追加・拡張していくのが基本的な流れです。 この考え方を取り入れることで、モバイルユーザーにとって直感的で使いやすいWebサイトを提供できるようになります。

レスポンシブデザインとの根本的な違い

モバイルファーストとレスポンシブデザインは混同されがちですが、その意味合いは異なります。 レスポンシブデザインとは、PCやスマートフォンなど異なる画面サイズのデバイスに応じて、Webサイトのレイアウトを自動的に最適化する技術的な手法を指します。 一方、モバイルファーストは「モバイルを優先して設計する」という思想やアプローチそのものです。

モバイルファーストの思想を実現するための手段の一つとして、レスポンシブデザインが用いられる関係にあります。 従来はPC版のデザインを基準にレスポンシブ対応を行うことが多かったですが、モバイルファーストではモバイル版のデザインを基準にするため、読み込むCSSの順序などが異なり、結果として表示速度にも影響を与えます。

レスポンシブデザインを基本から学ぶ｜作り方・Webデザインへのメリット・デメリットをわかりやすく解説

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モバイルファーストが重視されるようになった背景

なぜモバイルファーストがWeb制作の主流となったのか、その背景にはスマートフォンの急速な普及があります。 今や多くのユーザーがPCではなくスマートフォンを使って情報を検索し、Webサイトを閲覧するようになりました。 この利用実態の変化に伴い、ユーザーの利便性を高めることがサイト運営者にとって不可欠となったのです。

さらに決定的な要因として、Googleが検索順位の評価基準をPCサイトからスマートフォンサイトへ移行する「モバイルファーストインデックス（MFI）」を導入したことが挙げられます。 この背景から、ユーザー体験とSEOの両面でスマートフォンへの最適化が必須となり、モバイルファーストという考え方が広く浸透しました。

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モバイルファーストでWebサイトを構築する4つのメリット

モバイルファーストのアプローチを採用することは、Webサイトに多くの利点をもたらします。 今日の主要なデバイスであるスマートフォンに最適化することで、ユーザーの満足度を直接的に高められるだけでなく、検索エンジンからの評価向上にもつながります。 また、ページの表示速度改善による離脱率の低下や、サイト運用の効率化といったメリットも期待できます。

ここでは、モバイルファーストがもたらす4つの具体的なメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。

• ユーザーの満足度が向上し使いやすくなる

• Googleからの評価が高まりSEOに有利に働く

• ページの表示速度が改善され離脱を防ぐ

• コンテンツの管理や更新がしやすくなる

ユーザーの満足度が向上し使いやすくなる

モバイルファーストで設計されたサイトは、スマートフォンユーザーにとって非常に使いやすいものになります。 小さな画面でも文字が読みやすく、指でタップしやすいボタンサイズや間隔が確保されているため、ユーザーはストレスなく操作できます。 また、限られた表示領域に必要な情報を凝縮するため、コンテンツの優先順位が整理され、ユーザーは目的の情報に素早くたどり着けます。

特に、ページを開いて最初に表示されるファーストビューで重要な情報が提示されるため、直感的な利用が可能です。 このような快適なユーザー体験は、サイトへの信頼感や満足度を高め、再訪問やコンバージョン率の向上にも貢献します。

Googleからの評価が高まりSEOに有利に働く

モバイルファーストはSEOの観点からも大きなメリットがあります。 Googleは現在、Webサイトを評価し検索データベースに登録（インデックス）する際、主にスマートフォン版のページを基準とする「モバイルファーストインデックス」を全面的に採用しています。

モバイルファーストインデックスとは、検索順位を決定する評価の主軸がPCサイトからモバイルサイトに完全に移行したことを意味します。 そのため、スマートフォンでの表示や操作性に優れたモバイルフレンドリーなサイトは、Googleから高く評価される傾向にあります。 結果として、検索結果で上位に表示されやすくなり、サイトへの流入増加が期待できるなど、SEOにおいて有利に働きます。

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ページの表示速度が改善され離脱を防ぐ

モバイルファーストのアプローチは、ページの表示速度向上に寄与します。 PCサイトを基準に制作した場合、スマートフォンで表示する際に、PC向けの大きな画像や不要なソースコードまで読み込んでしまうことがあり、表示が遅くなる原因となります。

一方、モバイルファーストでは、モバイル環境で必要最低限の要素から構築するため、データ量が軽くなり、ページの読み込み時間を短縮できます。 Webサイトの表示速度はユーザー体験を左右する重要な要素であり、数秒の遅延がユーザーの離脱につながることも少なくありません。 表示速度の改善はユーザーのストレスを軽減し、サイト内での回遊を促す効果があります。

コンテンツの管理や更新がしやすくなる

モバイルファーストのアプローチは、サイトの運用・管理面でもメリットがあります。 レスポンシブデザインを用いて構築する場合、スマートフォン、タブレット、PCでHTMLソースコードを共通化できるため、デバイスごとに別々のサイトを管理する必要がありません。

コンテンツの追加や修正、情報の更新といった作業を一度行うだけで、すべてのデバイスに反映させることが可能です。 これにより、更新作業にかかる工数や時間を大幅に削減できるだけでなく、デバイス間での情報格差や更新漏れといったヒューマンエラーを防ぐことにもつながります。 結果として、サイト全体の運用効率が向上し、管理コストの抑制も期待できます。

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モバイルファースト導入前に知っておきたいデメリット

モバイルファーストは多くのメリットを持つ一方で、導入にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。 モバイル端末を最優先に設計するという特性上、PCでの表示や提供できる情報量に制約が生じることがあります。

これらの潜在的な課題を事前に把握しておくことは、自社のWebサイトにとってモバイルファーストが本当に最適な選択肢なのかを判断する上で不可欠です。 ここでは、モバイルファースト導入前に知っておくべきデメリットについて解説します。

パソコンでの表示が見劣りする可能性がある

モバイルファーストで設計したサイトをPCで表示させると、デザインが見劣りする可能性があります。 スマートフォンのシンプルなレイアウトをそのままPCの広い画面に引き伸ばすと、余白が過剰に目立ったり、コンテンツが間延びして見えたりすることがあります。 PCユーザーは、多くの情報を一覧できる複雑なレイアウトや、ダイナミックな視覚表現を期待している場合も少なくありません。 モバイル基準のシンプルなデザインでは、そうした期待に応えられず、物足りない印象を与えてしまうリスクがあります。

特に情報量の多いBtoBサイトなどでは、PC表示での見せ方を別途工夫する必要が出てきます。

デザインや情報量に制限が生まれる

モバイルファーストは、スマートフォンの小さな画面を前提とするため、デザインやコンテンツに制約が生じます。 複雑な装飾やアニメーションといったリッチなデザインは、表示速度の低下や操作性の悪化につながるため、採用が難しくなります。 また、限られたスペースに情報を収める必要から、掲載できる情報量も自ずと限られます。

PCサイトであれば掲載できていた詳細なデータや補足情報などを、やむを得ず削ぎ落とさなければならないケースも出てくるでしょう。 その結果、ユーザーに伝えたい情報を十分に伝えきれなかったり、PCユーザーにとっては情報不足と感じられたりする可能性がある点がデメリットと言えます。

【実践】モバイルファーストなWebデザインの作り方5つのポイント

モバイルファーストの考え方を実際のWebサイト制作に反映させるためには、具体的なデザインのポイントを理解しておくことが重要です。 スマートフォンという限られた環境の中で、ユーザーがいかに快適に情報を得て、目的を達成できるかを追求する必要があります。

ここでは、ユーザビリティの高いモバイルファーストなWebデザインを実現するために、特に意識すべき5つの実践的なポイントを解説します。 これらの要素を押さえることで、効果的なWebサイトを構築できます。

• 重要な情報から優先的に配置する

• 指でタップしやすいボタンサイズや間隔を意識する

• 小さな画面でも文字が読みやすいフォントを選ぶ

• 画像ファイルを圧縮してページの読み込みを速くする

• シンプルで分かりやすいナビゲーションを設計する

重要な情報から優先的に配置する

モバイルの画面はPCに比べて表示領域が狭いため、ユーザーが最も必要とする情報を画面の上部に配置することが極めて重要です。 ユーザーがページを開いて最初に目にするファーストビューで、サイトの主題や最も伝えたいメッセージ、主要な機能への導線がわかるように設計します。

これを実現するためには、コンテンツを制作する前に、Webサイトの目的とターゲットユーザーを明確にし、提供すべき情報に優先順位をつけなければなりません。 優先度の高いコンテンツから順に縦に配置していくことで、ユーザーはスクロールするだけで自然に必要な情報を得られます。 不要な情報は省略するか、下層ページにまとめるなどの整理が求められます。

指でタップしやすいボタンサイズや間隔を意識する

スマートフォンは指を使って操作するため、ボタンやリンクのタップしやすさはユーザビリティに直結します。 誤タップを防ぎ、快適な操作を提供するためには、ボタンのサイズを十分に大きく設計することが不可欠です。 Googleは、タップ可能な領域として最低でも48×48ピクセルのサイズを推奨しています。 また、複数のリンクやボタンが近くに配置されている場合は、互いに十分な間隔を空けることも重要です。

特に、多くのユーザーが親指で操作することを考慮し、画面の下部や端など、指が届きやすい範囲に主要な操作ボタンを配置するレイアウトにすると、使いやすさが向上します。 画面の幅全体を使ったボタンデザインも有効な手法です。

小さな画面でも文字が読みやすいフォントを選ぶ

スマートフォンの小さな画面でテキストを読む際の負担を軽減するため、フォントの選択と設定には細心の注意が必要です。 可読性を確保するために、本文のフォントサイズは最低でも16ピクセル程度を目安に設定すると良いでしょう。 また、文字が詰まっていると読みにくくなるため、行と行の間隔（行間）を適切に空けることも大切です。

一般的には、フォントサイズの1.5〜2倍程度の行間が読みやすいとされています。 背景色と文字色のコントラストを十分に確保し、誰にとっても見やすい配色を心掛けることも忘れてはなりません。 シンプルで装飾の少ないフォントを選ぶことも、可読性を高める上で効果的です。

画像ファイルを圧縮してページの読み込みを速くする

Webサイトの表示速度はユーザー体験に大きな影響を与え、特に通信環境が不安定になりがちなモバイル環境では極めて重要です。 ページの読み込みが遅くなる最大の原因の一つが、サイズの大きな画像ファイルです。 そのため、画像をWebサイトに掲載する際は、画質を著しく損なわない範囲で、専用のツールを使ってファイルを圧縮し、軽量化することが不可欠です。

また、WebPのような新しい画像フォーマットを利用すれば、画質を維持したままファイルサイズを大幅に削減できます。 表示するデバイスの画面サイズに応じて最適な解像度の画像を読み込ませる「レスポンシブイメージ」という手法を取り入れることも、表示速度の改善に有効です。

シンプルで分かりやすいナビゲーションを設計する

モバイルサイトでは表示領域が限られているため、PCサイトのような大規模なナビゲーションメニューを常に表示しておくことはできません。 そのため、一般的には「ハンバーガーメニュー」（三本線のアイコン）にメニューを集約するデザインが採用されます。 このメニューをタップした際に表示される項目は、階層を深くしすぎず、ユーザーが迷わずに目的のページにたどり着けるよう、シンプルで分かりやすい構造にすることが重要です。

また、画面下部に主要なメニューを固定表示するボトムナビゲーションなども有効な手法です。 コーディングの際は、CSSやJavaScriptを用いて、ユーザーが直感的に操作できるスムーズなナビゲーションを実装します。

スマホとPCのどちらを優先すべき？判断の基準

モバイルファーストは現代のWeb制作における重要な考え方ですが、全てのWebサイトにとって絶対的な正解というわけではありません。 サイトの目的やターゲットユーザーによっては、依然としてPC表示を優先した方が良いケースも存在します。 どちらを優先すべきかを判断するためには、自社サイトのアクセス解析データを確認し、ユーザーが主にどちらのデバイスで閲覧しているかを把握することが第一歩です。

ここでは、モバイルとPC、それぞれの表示を優先すべきWebサイトの具体的な例を挙げ、その判断基準を解説します。

モバイル表示を優先すべきWebサイトの例

モバイル表示を優先すべきWebサイトの代表的な例として、BtoC向けのサービスやコンテンツが挙げられます。 例えば、飲食店や美容院の店舗情報サイト、ファッションや雑貨を扱うECサイト、最新情報を扱うニュースメディア、SNSなどがこれに該当します。 これらのサイトは、移動中や外出先といった隙間時間にスマートフォンで手軽に閲覧されることが多いためです。 ユーザーは短時間で店舗の場所を探したり、商品を検索・購入したり、話題の情報をチェックしたりすることを目的としています。

そのため、迅速な表示と直感的な操作が可能な、モバイルに最適化されたインターフェースが強く求められます。 アクセス解析でモバイルからのアクセスが過半数を占める場合は、モバイルファーストを積極的に検討すべきです。

誰もが利用しやすいECサイト作りのためのアクセシビリティ対策

2024年4月に「改正障害者差別解消法」が施行されたことでWEB制作でウェブアクセシビリティ対応として「合理的配慮の提供」が義務化されることとなりました。 ECサイトでは特有の工程が多くあるので、ECサイトのウェブアクセシビリティ対応についてご紹介をします。

PC表示を優先した方が良いWebサイトの例

一方で、PCでの表示を優先すべきWebサイトも存在します。 その代表例は、企業間で取引を行うBtoB向けのサービスサイトや、複雑な機能を持つ業務用のWebアプリケーション（SaaS）などです。 これらのサイトは、主に業務時間中にオフィスのPCから利用されることが想定されます。 ユーザーは、複数の情報を大画面で一覧しながら比較検討したり、キーボードやマウスを使って詳細なデータ入力や分析作業を行ったりします。

そのため、モバイルのシンプルなUIよりも、情報量の多いダッシュボードや高機能な表計算のような、PCの広い画面を活かした設計が適しています。 大学や研究機関のサイトのように、長文の論文や詳細なデータを扱う場合も同様の傾向があります。

BtoBマーケティングの施策には何がある？集客のヒントを解説

BtoBマーケティングの施策はさまざまですが、ターゲットによって適したアプローチ法は異なります。どれだけコストをかけてマーケティング施策を実施しても、ターゲットに認知してもらう機会がなければ予算を消費するだけになるでしょう。 今回はBtoBマーケティングにおける施策と実施のポイントを紹介します。自社の集客に課題を抱える際は、ぜひ参考にしてください。

まとめ

モバイルファーストは、スマートフォンでの閲覧を基準にWebサイトを設計する考え方であり、スマートフォンの普及とGoogleのモバイルファーストインデックス採用を背景に、現代のWeb制作における基本となりました。 このアプローチは、ユーザー体験の向上、SEO評価の向上、表示速度の改善といったメリットをもたらします。 一方で、PCでの表示が見劣りしたり、デザインや情報量に制約が生まれたりする可能性も考慮する必要があります。

実践においては、情報の優先順位付け、タップしやすいUI、画像の軽量化、シンプルなナビゲーションなどが重要なポイントです。 最終的にモバイルとPCのどちらを優先するかは、アクセス解析などを基にサイトのターゲットユーザーや利用シーンを分析し、戦略的に判断することが求められます。

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