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ロゴ制作プロセス①表現企画 | 方波見牧場 精肉ブランド「やまの華豚」
前の記事で、ヒアリングから問題抽出・ブランド戦略を経て、ブランドの再構築においての重要な構成要素とそこから成る本質的価値を定義してきました。その上で、それを体現化していくシンボルマークとしてのロゴを作成していきます。
表現ロジック定義
まず、ロゴのデザインを始める前に、ロゴで何を伝えるか表現のロジックを定義しました。 これはブランドの構成要素と本質的価値の定義までの工程で積み上げてきた情報を元に定義をしています。ロゴで表現すべき核となる部分をまとめておくことで、ロゴの膨大なアイデア出しのための鍵となるワードをある程度出しておくことができます。そうすることで、本質的価値からかけ離れたアイデアを出してしまうことがありません。
ロゴで何を伝えるか、軸を立てる
表現ロジック | 連想される キーワード | |
1番表現したいもの | 体験 香りや肉汁による味覚的な【美味しさの体験】 美味しい食材を【調理する楽しみの体験】 生産者・調理者の【愛情を感じる体験】 味覚や愛情、また食事する人や場所による【豊かな時間の体験】 |
愛情 / 幸福 / 重なる / 織りなす / つながる / 広がる / 贈り物 / 届く / 家庭 / 友人 / 満足 |
3割表現されてる | 美味しさ | 味が濃い / ジューシー / 柔らかい / 繊細 / サシ / 歯ごたえ / 洋風 / 色が綺麗 / 脂の香り / 脂がサラッとしている / ナッティな香り |
2割感じられる | 方波見牧場(生産者)のキャラクター | 優しい / 柔らかい / 愛らしい / 土臭い / 情熱 / 意志 / こだわりのある / 純粋 / 若い(生産者が) |
ブランドキャラクター・イメージの定義
表現ロジックの定義をした上で、ロゴのアイデアを出す前にブランドのイメージキャラクターを整理しました。ここでは、NGイメージも同時に出しておくことが重要です。
やまの華豚のキャラクター
肉質は”強い自立した女性”のイメージ
- 華やかで品があるが、歯ごたえがあり旨味が濃い
- サシが入っていたりと繊細な部分あり
- サラッとした脂の旨味
- 香りはナッティで豊か
NGイメージ
- 柔らかく女々しいがすぎる
- 華奢すぎる女性
- 硬すぎる・トゲがある
- マッチョな男性
- 土臭すぎる
競合リサーチ
他の地方豚精肉ブランドイメージを調査し、見た目だけではなく地域性や取り組みや広告からの印象などを研究しました。その上で、やまの華豚として取るべきポジショニングを確認します。
※あくまで本件のために作成したポジショニングです。
ビジュアル / スタイリング
上記キャラクターから、ロゴイメージのあるべき姿をざっくりと出しておくと共に、ここでもNGを出しておくことで後にアイデアを出していくフェーズでロジックを崩すことがなくなります。
- パッケージ・梱包材にロゴスタンプを押せるかどうか
- 見たことある・印象に残るものを創る必要がある → シンボルが必要ではないか ※見たことある・印象に残る、は将来的な展開を考えても必要
- タイポグラフィベースでも考える(表現に制限はかけない)
- 現代のメディアにフィットするようなモダン要素は必要
- 製品的に有機的な動きがある方が好ましい
NGイメージ
- 豚のモチーフは使わない 召し上がっていただくものなのに動物を感じさせたく無い メタファーとしてマスすぎる、ユニークさフィットさに欠ける コアバリューから遠い印象を覚えてさせてしまう
- 表現として色を使って考えないこと(墨刷も想定できる陰影は良い)
- 幾何学っぽくなりすぎないように、柔らかすぎるのも違う
- モダンすぎるのはブランドとマッチしない
- 土臭すぎるのは現代のメディアにマッチしない
- 柔らかすぎるのはキャラクターにマッチしない
ここまで、表現企画のロジックと、ブランドキャラクター・イメージの定義を行いました。
次フェーズでいよいよ始まる実際の形を作っていくフェーズにおいて、立ち戻る軸となる重要な定義となりますので、必ずアイデア出しを行う前にしておくと良いでしょう。