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目次
デザインの多様性と新たな視点を求めて
デザインにおいて、多様な視点や異なる文化からの学びは新たな発見をもたらします。今回は、ベトナムにあるグループ会社KILALA コミュニケーション会社のベトナム人デザイナーHaiさんとの2日間にわたるデザイン交流会を通じて、文化や言語の壁を越えた意見交換や実践的なセッションを行いました。本記事では、その貴重な体験を通じて得た気づきや学びについてご紹介します。
Day 1:質疑応答で深めるデザインへの理解
初日はお互いのデザインへの考え方やプロセスについて意見交換を行いました。Haiさんからは、ベトナムと日本のデザインの違いについて興味深い話がありました。今回はその一部をご紹介したいと思います。
ベトナムと日本のデザインの違い
注意:下記の意見は、あくまでHaiさん個人の見解、また各Webサイトが持つ特性により異なることをご承知おきください。
情報量 vs ミニマリズム
日本は詳細な情報提供が魅力であり、ユーザーに安心感を与えるために豊富なテキストや説明が多用される傾向があります。その結果、デザイン自体にも情報量が多く、細かいテキストが複数のセクションに配置されることが一般的です。一方、ベトナムのデザインは余白を積極的に活かし、視覚的な要素やアイコン、シンプルなレイアウトで直感的に情報を伝えるスタイルが主流で、この違いは、情報への接し方やユーザー体験に対する文化的な価値観の差から生まれています。
レイアウトの構造
日本では、グリッドシステムを細かく区切り、情報を整理して視認性を高めるアプローチが一般的です。これにより、複雑な情報でも体系的に整理され、ユーザーが迷わず必要な情報にたどり着けるよう工夫されています。一方、ベトナムのデザインはよりシンプルな構造で、視線の自然な流れを意識したレイアウトが特徴です。要点を大胆に強調し、余白を活用することで、情報が直感的に伝わりやすいデザインとなっています。
配色のアプローチ
日本のデザインでは、異なる要素を目立たせるために多様な色を組み合わせ、カラフルで視覚的なインパクトを重視する場面が多く見られます。その結果、時に派手な印象を与えることもありますが、CTAの強調や視認性向上には効果的です。一方、ベトナムのデザインはシンプルで落ち着いた配色を好む傾向があり、控えめなコントラストやニュートラルなトーンを活かして洗練された雰囲気のデザインが多い印象です。色の使い方にも、文化や感性の違いが色濃く反映されています。
文化と言語の壁を越えて:課題と気づき
また、文化や言語の違いによる課題や気づきに関しても話し合いました。
文化的な課題
意思決定のスピード感:日本は慎重なプロセスを重視するため、意思決定に時間がかかる傾向がある。
間接的なコミュニケーション:日本独特の遠回しな表現は、意図を誤解することもあるが、相手への配慮が感じられる特徴でもある。
言語的な課題
レイアウト調整:日本語特有の文字構造(ひらがな・カタカナ・漢字の混在など)により、デザインのバランス調整が必要になる場面がある。
これらはほんの一部ですが、初日のセッションでは、デザインにおける国ごとの違いや、文化・言語が与える影響について多くの学びがありました。ベトナムと日本、それぞれのアプローチや価値観の違いを知ることで、自分たちのデザインプロセスを客観的に見直す貴重な機会となり、異なる視点を取り入れることで、より柔軟で多様性のあるデザイン思考が育まれることを実感できた1日でした。
Day 2:ハンズオンで実践的な学び
2日目は、実践的なセッションとしてリアルタイムでのデザイン制作に挑戦。お題を決めて、それぞれが独自のアプローチでアイデアを形にし、完成した作品を共有することで、多角的な視点から新たな気づきを得ることができました。
制作時間は30分という限られた時間の中で、お題に沿ってデパートのデザイナー全員&Haiさんが一斉にデザインをスタート。表現方法などは自由!各自好きにデザインしてもらいました。
30分という限られた時間であるからこそ、直感的で斬新なアイデアが生まれ、それぞれのデザイナーが持つ独創的な発想力が存分に発揮され、時間的制約が、むしろクリエイティビティを刺激する要因となったようです。最後に全員で成果を共有し合い、互いの工夫や発想から多くの学びを得る場となりました。
この日は、実践を通じてアイデアの広げ方や他のデザイナーの視点から学ぶ貴重な機会となり、限られた時間での挑戦が、新たな気づきと発見につながる有意義な時間でした。
著作権の都合上などで、この時の作品は掲載できませんが、代わりに今回この記事のサムネイルをHaiさんに作成していただいたので、そちらを掲載させていただきます。4パターン作成していただき、結果、左上のデザインが採用となりました。どれも素敵です!

交流を通じた学びと今後の展望
この2日間の交流会を通じ、国境を越えても共通するデザインの本質や、異なるアプローチの魅力を再認識しました。リアルタイムでの意見交換は、自身のデザインプロセスを見直す良いきっかけとなり、今後もこうした交流の場を継続することで、互いの成長につなげていきたいと考えています。
貴重な経験、意見を共有してくれたHaiさん、本当にありがとうございました!
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