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目次
デザインリサーチとは、ユーザーの行動や思考の背景にある本質的なニーズを深く探求するための調査アプローチです。 観察や対話といった手法を通じて、ユーザー自身も言葉にできないような潜在的な欲求を明らかにします。 本記事では、デザインリサーチの基礎知識から具体的な手法、成功事例、そしてマーケティングリサーチとの違いまで、分かりやすく解説します。
デザインリサーチは、ユーザーの行動や心理の背景にある本質的なニーズを理解するための調査アプローチです。しかし、マーケティングリサーチとの違いや、具体的にどのような手法を用いるのかが分かりにくいと感じる方も少なくありません。
この記事では、デザインリサーチの基本的な考え方だけでなく、代表的な手法や活用事例、実践時のポイントまで整理し、デザインリサーチの全体像を理解できるよう解説します。
デザインリサーチとは何か
デザインリサーチが重要視される理由
マーケティングリサーチとの違い
デザインリサーチを進める基本ステップ
代表的なデザインリサーチ手法5選
実際の活用事例と成功事例
デザインリサーチを実施する際のポイント
目次
- デザインリサーチとは?ユーザーの隠れた本音を引き出す調査アプローチ
- デザインリサーチがビジネスで重要視される理由
- 理由1:ユーザー自身も気づいていない潜在的ニーズを発見できる
- 理由2:革新的なアイデアやイノベーションの創出につながる
- 理由3:製品・サービス開発における手戻りや失敗のリスクを軽減する
- デザインリサーチとマーケティングリサーチの根本的な違い
- 目的の違い:新たな価値の発見か、既存仮説の検証か
- 調査アプローチの違い:個人の深層心理を探る定性調査が中心
- 思考プロセスの違い:ユーザーへの共感からインサイトを導き出す
- デザインリサーチを成功に導く4つの基本ステップ
- ステップ1:リサーチの目的を定義し、調査計画を設計する
- ステップ2:目的に合った手法を選び、ユーザーに関する情報を集める
- ステップ3:収集した情報を分析し、本質的なインサイトを抽出する
- ステップ4:ペルソナやジャーニーマップを用いて分析結果を可視化する
- 【目的別】デザインリサーチの代表的な手法5選
- ユーザーインタビュー:対話を通じてユーザーの考えや感情を深く理解する
- 行動観察(エスノグラフィ):日常の行動から無意識のニーズを見つけ出す
- ユーザビリティテスト:実際の操作を通じてサービスの課題を特定する
- アンケート調査:定量データを用いて仮説の規模や確からしさを測る
- プロトタイピング:試作品に対するフィードバックから改善点を探る
- デザインリサーチに関するよくある質問
- Q1:デザインリサーチはどのような職種の人に役立ちますか?
- Q2:リサーチにはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
- Q3:小規模なプロジェクトや予算が限られている場合でも実施できますか?
- デザインリサーチはユーザー理解と価値創造のために欠かせないアプローチ
- 株式会社デパートのサービスをご紹介
デザインリサーチとは?ユーザーの隠れた本音を引き出す調査アプローチ

デザインリサーチの意味は、製品やサービスを開発する上で、ユーザーの体験(UX)を深く理解し、そのインサイト(洞察)を設計に活かすための調査活動全般を指します。
UXリサーチの一環として実施され、ユーザーが置かれている状況や文脈をまるごと捉えようとする点が特徴です。
ユーザーの行動の「なぜ」を解き明かし、本当に価値のある体験を生み出すための羅針盤となるアプローチです。
UXリサーチについては「UXリサーチの専門家「リサーチャー」とは」で詳しく紹介しています。
デザインリサーチがビジネスで重要視される理由
現代のビジネス環境では、機能や価格だけで製品を差別化することが難しくなっています。
このような状況で企業が競争優位性を確立するためには、ユーザーの深層心理に寄り添った、独自の価値提供が不可欠です。
デザインリサーチは、そのためのインサイトを得る重要な仕事と位置づけられています。
多くの会社がこのアプローチを取り入れ、ユーザーに本当に求められる製品やサービス開発を目指しています。
理由1:ユーザー自身も気づいていない潜在的ニーズを発見できる
理由2:革新的なアイデアやイノベーションの創出につながる
理由3:製品・サービス開発における手戻りや失敗のリスクを軽減する
理由1:ユーザー自身も気づいていない潜在的ニーズを発見できる
ユーザーは自身のニーズや課題を、必ずしも明確に言語化できるわけではありません。
デザインリサーチでは、ユーザーの日常的な行動を観察したり、対話を重ねたりすることを通じて、言葉の裏にある本音や無意識の行動の背景を探ります。
このような観察をすることで、ユーザー自身でさえ気づいていない「当たり前」に隠された潜在的なニーズや不満を発見し、新たな製品開発の糸口を見つけ出します。
理由2:革新的なアイデアやイノベーションの創出につながる
既存の製品やサービスの多くは、すでにユーザーが認識している「顕在的なニーズ」に応えるものです。
一方で、デザインリサーチによって発見される潜在的ニーズは、まだ誰も気づいていない新しい価値の源泉となります。
この深いインサイトに基づいて新たな体験をデザインすることで、単なる既存の改善にとどまらない、革新的なアイデアやイノベーションの創出が可能になります。
理由3:製品・サービス開発における手戻りや失敗のリスクを軽減する
作り手の思い込みや不正確な仮説に基づいて開発を進めると、完成した製品やサービスがユーザーに受け入れられず、大幅な手戻りや失敗につながるリスクがあります。
開発の初期段階でデザインリサーチを実施し、ユーザーの本当のニーズを正確に把握することで、プロジェクトの方向性を確かなものにします。
これにより、開発プロセス全体を通して無駄をなくし、成功の確度を高めることができます。
デザインリサーチとマーケティングリサーチの根本的な違い

デザインリサーチとマーケティングリサーチは、どちらもユーザーを対象とした調査ですが、その目的やアプローチが根本的に異なります。
マーケティングの文脈で語られる市場調査は、主に市場の規模や需要を数値で把握することを目的とします。
一方で、デザインリサーチは個々のユーザーの行動や心理を深く理解し、新たな価値創造のヒントを得ることに主眼を置いています。
目的の違い:新たな価値の発見か、既存仮説の検証か
調査アプローチの違い:個人の深層心理を探る定性調査が中心
思考プロセスの違い:ユーザーへの共感からインサイトを導き出す
目的の違い:新たな価値の発見か、既存仮説の検証か
両者の最も大きな違いは、その目的にあります。
**デザインリサーチの主な目的は、ユーザーの深い理解を通じて「どのような新しい価値を創造すべきか」という問いの答えを探す「探索」**にあります。
一方、**マーケティングリサーチは、「この製品は市場に受け入れられるか」「どれくらいの人が購入したいか」といった既存の仮説をデータで裏付ける「検証」**を主な目的とします。
調査アプローチの違い:個人の深層心理を探る定性調査が中心
調査のアプローチにおいても違いが見られます。
デザインリサーチでは、ユーザーインタビューや行動観察といった、個人の行動や発言の背景にある文脈や価値観を深く掘り下げる「定性調査」が中心となります。
少数の対象者をじっくりと観察することで、数値では見えてこない深層心理に迫ります。
対照的に、マーケティングリサーチではアンケートなどの「定量調査」が多用され、統計的なデータから市場全体の傾向を把握します。
思考プロセスの違い:ユーザーへの共感からインサイトを導き出す
デザインリサーチは、ユーザーの置かれた状況や感情を自分のことのように理解しようとする共感から始まります。
この思考プロセスは、新しい製品やサービスをデザインする上で近年注目されているデザイン思考と深く結びついています。
ユーザーの視点に立って物事を捉え、そこから本質的な課題やニーズを導き出すことで、真にユーザーのためになる解決策を見つけ出します。
デザインリサーチを成功に導く4つの基本ステップ

デザインリサーチを効果的に進めるためには、体系的なプロセスを理解しておくことが重要です。
ここでは、リサーチの計画から分析、アウトプットの作成まで、成功に導くための基本的な方法を4つのステップに分けて解説します。
各ステップの目的や具体的な書き方を把握することで、精度の高いリサーチが実施できるようになります。
ステップ1:リサーチの目的を定義し、調査計画を設計する
ステップ2:目的に合った手法を選び、ユーザーに関する情報を集める
ステップ3:収集した情報を分析し、本質的なインサイトを抽出する
ステップ4:ペルソナやジャーニーマップを用いて分析結果を可視化する
ステップ1:リサーチの目的を定義し、調査計画を設計する
最初に、「このリサーチで何を明らかにしたいのか」という目的を明確に定義します。
例えば、「なぜユーザーは特定の機能を使わないのか」「新しいサービスで解決すべき本当の課題は何か」といった具体的な問いを立てます。
目的が定まったら、対象となるユーザー像、調査手法、必要な期間や予算などを盛り込んだ調査計画書を作成し、関係者間で共通の認識を形成します。
ステップ2:目的に合った手法を選び、ユーザーに関する情報を集める
調査計画に基づき、目的に最も適した手法を選択してリサーチを実行します。
例えば、ユーザーの潜在的なニーズを探るなら行動観察やインタビュー、既存サービスの課題を発見したいならユーザビリティテストが適しています。
このステップでは、計画通りにユーザーから生の情報を収集することに集中します。
先入観を持たず、客観的な事実を丁寧に集める姿勢が求められます。
ステップ3:収集した情報を分析し、本質的なインサイトを抽出する
収集したインタビューの記録や観察メモなどの定性的なデータを分析し、その背後にある本質的な意味を読み解きます。
具体的には、ユーザーの発言や行動の断片を付箋などに書き出し、グループ化しながら構造化するKJ法(日本の文化人類学者である川喜田二郎氏が考案した、アイデアや情報を整理し、問題の本質や解決策を導き出すための思考法・分析手法)などの手法が用いられます。
このプロセスを通じて、個別の事象の裏にある共通のパターンやユーザーの価値観、本質的な課題であるインサイトを抽出します。
ステップ4:ペルソナやジャーニーマップを用いて分析結果を可視化する
抽出したインサイトを、プロジェクトチームや関係者が直感的に理解できる形にまとめることが重要です。
代表的なアウトプットとして、リサーチから明らかになった典型的なユーザー像を定義した「ペルソナ」や、ユーザーがサービスを体験する過程での行動や感情を時系列で可視化した「カスタマージャーニーマップ」などがあります。
これらは、後の開発プロセスにおける意思決定の共通基盤となります。
ペルソナ設計については「ペルソナ設計のやり方やメリット・注意点」で詳しく紹介しています。
【目的別】デザインリサーチの代表的な手法5選
デザインリサーチには多種多様な手法が存在し、目的や状況に応じて適切な種類を選択する必要があります。
ここでは、実際の現場でよく用いられる代表的なデザインリサーチの手法を5つ紹介します。
それぞれの特徴を理解し、課題解決に最適な調査ツールとして使い分けられるようになりましょう。
ユーザーインタビュー:対話を通じてユーザーの考えや感情を深く理解する
行動観察(エスノグラフィ):日常の行動から無意識のニーズを見つけ出す
ユーザビリティテスト:実際の操作を通じてサービスの課題を特定する
アンケート調査:定量データを用いて仮説の規模や確からしさを測る
プロトタイピング:試作品に対するフィードバックから改善点を探る
ユーザーインタビュー:対話を通じてユーザーの考えや感情を深く理解する
ユーザーインタビューは、1対1の対話形式で、特定のテーマについてユーザーから深く話を聞き出す定性調査の代表的な手法です。
製品やサービスに関する利用経験、普段のライフスタイル、価値観などについて質問を投げかけることで、アンケートでは得られないような個人の具体的なエピソードや感情、思考の背景を理解できます。
特に、ユーザーのニーズや課題の仮説を構築する初期段階で有効です。
行動観察(エスノグラフィ):日常の行動から無意識のニーズを見つけ出す
行動観察(エスノグラフィ)は、ユーザーの自宅や職場といった実際の生活空間に出向き、製品やサービスが使われている様子を観察する手法です。
ユーザーが言葉で説明することのない、無意識の行動や習慣、環境との相互作用を捉えることができます。
これにより、ユーザー自身も気づいていない潜在的なニーズや課題を発見できる可能性が高く、革新的なアイデアの源泉となることがあります。
ユーザビリティテスト:実際の操作を通じてサービスの課題を特定する
ユーザビリティテストは、開発中の製品やWebサイト、アプリなどをユーザーに実際に操作してもらい、その過程を観察することで使いやすさ(ユーザビリティ)に関する課題を特定する手法です。
「目標のタスクを達成できるか」「操作に迷う箇所はないか」などを評価し、UI(ユーザーインターフェース)や情報設計の具体的な改善点を発見します。
プロトタイプの段階で繰り返し実施することで、手戻りを防ぎ、製品の品質を高めます。
アンケート調査:定量データを用いて仮説の規模や確からしさを測る
アンケート調査は、多数のユーザーに対して同じ質問を投げかけ、回答を収集することで量的な傾向を把握する手法です。
デザインリサーチにおいては、インタビューや行動観察で得られた定性的なインサイトや仮説が、より広いターゲット層にどの程度当てはまるかを確認するために用いられます。
例えば、「〇〇という課題を感じているユーザーは全体の何割か」といった規模感を測り、意思決定の客観的な根拠とします。
プロトタイピング:試作品に対するフィードバックから改善点を探る
プロトタイピングは、アイデアを紙芝居や簡単な画面デザインなどの試作品にして、ユーザーに提示し、フィードバックを得る手法です。
頭の中のアイデアを具体的な形にすることで、ユーザーはより現実的な視点で意見や感想を述べることができます。
開発の早い段階でこのサイクルを繰り返すことで、ユーザーのニーズとのズレを早期に発見し、効率的に製品の改善を進めることが可能です。
デザインリサーチに関するよくある質問
デザインリサーチを始めるにあたって、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
Q1:デザインリサーチはどのような職種の人に役立ちますか?
Q2:リサーチにはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q3:小規模なプロジェクトや予算が限られている場合でも実施できますか?
Q1:デザインリサーチはどのような職種の人に役立ちますか?
デザイナーだけでなく、プロダクトマネージャー、企画担当者、エンジニアなど、製品・サービス開発に関わるすべての人に役立ちます。
職種を問わずユーザーへの深い理解は、より良い意思決定の土台となります。
チーム全体でユーザー視点を共有することで、一貫性のある優れた体験を創出できます。
UXデザインについては「UXデザインとは」で詳しく紹介しています。
Q2:リサーチにはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
調査の規模、目的、手法によって大きく変動します。
数人のユーザーにインタビューする小規模な調査であれば数日から数週間で実施できますが、大規模な行動観察や国際的な調査の場合は数ヶ月以上の期間と相応の費用が必要です。
目的に合わせて適切な規模の計画を立てることが重要です。
Q3:小規模なプロジェクトや予算が限られている場合でも実施できますか?
はい、実施可能です。
高価なツールや大規模なチームがなくても、まずは身近なユーザー数名に話を聞くことから始められます。
簡易的なユーザビリティテストや、オンラインツールを活用したインタビューなど、低コストで始められる手法も多く存在します。
重要なのは、完璧さよりもまず行動を起こすことです。
デザインリサーチはユーザー理解と価値創造のために欠かせないアプローチ
デザインリサーチは、単にユーザーの意見を集めるための調査ではありません。ユーザーの行動や心理の背景にある文脈を理解し、まだ言語化されていないニーズや課題を発見することで、より価値のある製品やサービスを生み出すためのアプローチです。
デザインリサーチを実施するときは、次のようなポイントを意識すると成果につながりやすくなります。
リサーチの目的を明確に定義する
調査対象となるユーザーを適切に設定する
課題に応じて適切な手法を選択する
表面的な意見ではなく行動の背景を読み解く
分析結果をペルソナやジャーニーマップなどで可視化する
開発や改善の意思決定に活用する
株式会社デパートでは、デザインリサーチを単なる調査業務ではなく、ユーザー理解を深め、事業課題とユーザーニーズの接点を見つけるための重要なプロセスと捉えています。
デザインリサーチを検討する際は、どの手法を使うかだけではなく、どのようなインサイトを発見し、その結果をどのように事業や体験設計へ活かすのかという視点で考えることが重要です。
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