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品川区ドリームジョブツアー in 五反田バレー2021」に参加いたしました
■「ドリームジョブツアー in 五反田バレー」とは
品川区立日野学園8年生(中学2年生) 135名を対象に、五反田周辺地域の企業20社が参加。
開催の目的は大きく以下3つです。
①様々な会社や、そこで働く人々と接することで、
社会には多様な考え・仕事があることを知るとともに、将来に対して前向きな気持ちを醸成する
②新しいことに挑戦する大人の姿や思いを知り、
仕事をすること・働くことの意義を考え、自分自身の将来や進路を考えるきっかけとする
③地元五反田にある企業について知ることで、
多角的な側面から地域への理解を深め、関心・愛着を深める
弊社にご依頼いただいた経緯としては、品川区のお子さんはIT関連企業で働くご両親が多いとのこと。ITやデバイスが身近にある世代ではあるものの、Web制作会社、その中でも特にデザインの仕事では何をしているのか触れる機会がないとのことでした。それを話すことで、高校の進路や将来の仕事を身近に捉え、選択肢を増やすきっかけを与えて欲しいと、お誘いいただきました。
弊社からは、取締役:今井、執行役員兼シニアデザイナー:モチマス、チーフデザイナー:末廣の3名がドリームジョブガイド(講師)として参加いたしました。
生徒は5-6人1グループで4つの企業のブースを周ります。
はじめに仕事内容を説明し、その後お互いに質問をし合って対話していきました。
■Webサイト制作の紹介ー「Webサイトって知ってますか?」
まず生徒に尋ねたのは、「Webサイトって知ってますか?」という質問。
生徒からは「インターネット」、「Google,Yahoo」、「よく分からない」など反応は様々です。
今井より「我々はWebサイトを作っている会社です。今日は作ってくれてる2人に来てもらっているので、具体的な流れを紹介させてもらえたらと思います。疑問点があれば質問してみてください。」そんな投げかけから、生徒との会話がスタートしました。
■Webサイト制作の仕事内容
Webサイトは実際にどう作っていくのかの全体の流れを、
弊社の制作実績であるオンラインショッピングサイトを題材にモチマスより説明いたしました。
また全体の中からデザインにフォーカスして説明いたしました。デザイナーは、ただ色をつけるだけではなく、サイトを使う人にとって見やすさ使いやすさを考慮したり、感情に働きかけたり、Webに表示させるための方法やアニメーションの仕組みを考えたり。色々なことを同時に考えながらデザインをしていくということも合わせて、伝えさせていただきました。
生徒たちも、普段使っているようなWebサイトの裏側・作り方に興味津々でした。
■実際に日野学園のサイトをデザインしてみました!
大体の仕事の流れがわかったところで、末廣が日野学園のサイトデザインを2パターン用意し、目的や役割によってデザインが大きく変わってくることを実際に見せながら説明しました。
1つ目のパターンは信頼感のあるちょっと堅いイメージ。デザインの目的は、親御さんが「しっかりした学校だな」「信頼できるな」と思ってもらえること。
2つ目のパターンは柔らかい雰囲気。デザインの目的は、生徒さんの笑顔や優しい色使い、生徒さん自身が「楽しそうな学校だから入学したいな」と思ってもらえること。
それぞれのデザインには「目的」と「役割」があるため、これだけ見た目がガラっと変わることを伝えると、みんな納得した様子でした。
ちなみに生徒たちに「どっちのデザインが好き?」と尋ねてみたところ、1つ目を選ぶ生徒が多かったです。1つめは「頭良さそう」と言う意見が多い反面、「入学後は2つ目の楽しそうなイメージがいいと思う」という意見もあり、中学生の生の声を聞けたことも大変参考になりました。
実際に生徒のみなさんが日毎から見ている学校のサイトなので、生徒たちからは「おお!」と歓声が。生徒のみなさんや先生方から「先生うちの学校のHPのデザイン、これにして欲しいです!」「僕は明るい色の方がいいと思う!」などとコメントをいただきました。日頃、直接声を聞くことが極めて少ない学生のみなさんよりコメントをいただけ、身が引き締まる想いでした。
■質問タイム
次に質問タイムに入りました。「質問はありますか?」という問いに、
実際の仕事に関する質問や、中にはどう答えようかと悩んでしまうような質問も飛び出しました。たくさんの質問をもらいましたが、いくつか抜粋して記載させていただきます。
「Webサイトを作る過程で、一番大変な過程は何ですか?」
末廣)全部大変ですが、一番最初が大切ですかね。まずはお客様とどういうものを作るべきか、どういう物を作ったら課題が解決できるかをヒアリングするんですね。本当に困っていることを理解しきれないままデザインしてしまうと、間違ったものを作り上げてしまうので、「どんな課題がありますか?どう困っているんですか?」ってすごく細か聞いていくことが一番パワーを使いますね。
「デザインってどんなところからアイディアをもらうんですか?」
末廣)至る所からですね。電車の広告や、テレビのCM、例えば学校に来るのも久しぶりなので、バスケットボールってこういう形していたな、とかリボンの柄とか、目に入る全てが何でもアイディアの源になりますね。みんなも、本を読んだりYoutubeを見たりと、身近なものからアイディアをもらうことはできますよ。
「デザインを考える時に、気を付けていること、大切にしていることってありますか?」
モチマス)デザイナーの仕事は、お客様の課題を解決し、利益となることを一番大事にしているので、私たちが作りたいものを作るというよりは、お客様が利益になることを一番大切に考えて作ります
「やりがいを感じたり嬉しいなと思うことは何ですか?」
末廣)色んなことがあるんだけど、今で言うとこのデザインを見せた時に、「わぁ!」って顔になるのを見るのがすごい好きです。デザインって見た目で驚いたり感動してくれることが嬉しいですね。
この仕事はやっぱりお客様に喜んでもらうのが一番だし、作ったものが届けたい人に届いた瞬間みんなが幸せになるので、僕は一番やりがいがあるかなと思います。
モチマス)あとは「この売り上げを上げたい」という難しい課題のお客様の要望が、実際に叶った時はとにかく嬉しいかな。「やってやったぜ!」っていう達成感があります。お客様も喜んでくれるし、消費者も購入したものを使い満足してもらうことで、全員喜んでもらえるので、それが嬉しいかなと私は思います。見ている人がこれ便利だな、使いやすいな、かっこいいなと思ってもらえると幸せですよね。
「仕事って辛くないんですか?ネットで検索したときに、社畜という言葉が出てきたので...」
モチマス)辛いと言えば辛いけど…お客様にご提案したデザインが刺さらなかったり採用されなかった時はうわーってなるけど、辛いというより目的を達成するためのプロセス、過程というイメージかな。
末廣)ゲームやってても強い敵に合うと、勝てなくて何回も何回も練習して、それを乗り越えた時は達成感とか楽しさが出て来るでしょ、仕事もそんなもんかな。辛いと思えば辛くなっちゃうし、意外にそうでもないと思ったらそうでもないよ。
*こんな言葉を伝えてみると…ほっとした表情を浮かべたり、少し理解が難しい様子だったりと、生徒によって受け取り方は様々でした。
「中学生のうちにやっておいた方がいいことありますか?」
今井)好きにすればいいんじゃない?そもそも何かをやらないといけないことすらないよね。好きにすればいいんだよ。何もしてなくても、ある日クレイジーなアニメを撮る日が来るかもしれないじゃん。外で飛んでる鳥に興味持って動物の仕事に就くかもしれないじゃん。それでいいんじゃない?
自分が中学生の時何考えてたかなんて覚えてないし、なんかしてたことが今に生きてると思ったことがないよね。大人はよく「頑張れ」っていうけど、「お前もな」って言ってやればいいんじゃない?
*生徒たちはそれを聞いて大笑い。「ありがとうございます。深いです。」と。
今井)大人になるなんて大した事ないのよ。生きてりゃ何とでもなるってことだよね。大人が答えを持っている訳ではないかもしれないから、「何かしないといけない」と考えすぎなくてもいいんじゃないかな?
今井の話は、生徒たちにとっては、求心力のあるものだったようです。何にもまして興味津々で聞いていました。
ありのままの自分でいい、失敗してもつまづいても、それで終わりじゃないし人生は何度でも修正は利くんだってことを知って、力強く歩んで行ってほしいと思います。
生徒たちと対話しながら、自分の価値観、これまで生きてきた中で何を大切にしてきたかなど、個人的な話も交えて突っ込んで対話できたことは、私たちにとっても貴重な経験でした。
■まとめ
最近の中学生は何を想い選択しているのか、生の声を聞くことができ、私たちにとっても大変有意義な時間となりました。
コロナも長期戦となり、これから世の中がどう変化していくかわからない不透明な時代。
そんな中だからこそ、子どもたちの視野を広げ、少しでも自分の好きなこと、興味のあることを見つけ、選択肢の幅を広げることができていればと思います。力強く未来に羽ばたいてほしいですね。