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目次
ビジネスでWebサービスを提供する際、サーバーの構築は欠かせない重要な作業です。しかし、専門知識が必要なうえ、セキュリティ面での懸念もあり、専門知識なしで対応するのは現実的ではありません。
本記事では、サーバー構築の具体的な内容や、効率的な依頼方法を分かりやすく解説します。独自のシステムを安全に稼働させるためのポイントや注意点、おすすめの外部委託先の選び方などを詳しく取り上げます。
Webシステムのインフラ基盤を整備し、サービス提供の安定性と信頼性を高めましょう。本記事で得た情報を活かし、ビジネスの成長に役立ててみてはいかがでしょうか。
サーバー構築とは
Webコンテンツを閲覧者に提供するWebサーバーのほか、メール送受信用のメールサーバーなど、目的に応じた種類のサーバーを適切に構築することが求められます。
サーバーの種類
サーバーは、クライアント(ユーザー側のPC/端末)からのリクエストに応じて、必要なデータやコンテンツを提供する役割を持っています。主なサーバーの種類は以下の通りです。
Webサーバー | Webページを表示する機能を持つサーバー。HTMLや画像、動画などの各種Webコンテンツをブラウザに配信します。 |
---|---|
メールサーバー | メールの送受信を行うサーバー。SMTPサーバー(送信)、POPサーバー(受信)の機能を持ちます。 |
ファイルサーバー | ファイルの共有や保管を行うサーバー。企業内のファイル共有に利用されることが多くあります。 |
データベースサーバー | 大量のデータを集中管理するサーバー。ECサイトや予約システムなどデータを伴うサービスで活用されます。 |
DNSサーバー | ドメイン名とIPアドレスを紐付ける役割を持つサーバー。インターネット上のWebサイトにアクセスする際の名前解決に欠かせません。 |
Webサイトや大規模なアプリケーションを運用する場合、複数のこれらのサーバーを連携させ、適切な役割分担の下でシステムを構築する必要があります。
オンプレミスサーバーの特徴
オンプレミスサーバーとは、企業自身がサーバーを物理的に設置し管理するタイプのサーバーです。自社内で保有・運用することで高度なカスタマイズが可能になりますが、初期費用が高額になる傾向があります。
クラウドサーバーの特徴
クラウドサーバーとは、インターネット上の仮想空間に構築されたサーバーのことです。オンプレミスのサーバールームに物理的なサーバーを設置する代わりに、クラウドサービスを利用してサーバーリソースを借り受けることができます。
メリットとデメリット
クラウドサーバーの主なメリットは以下の通りです。初期費用が抑えられることが最大のメリットでしょう。物理サーバーを購入する必要がないため、数万円から数百万円の初期投資を節約できます。
スピーディーな構築が可能なのも大きな利点です。クラウドサービスプロバイダーが用意したサーバー環境をすぐに利用できるので、数分から数時間で新規サーバーを立ち上げられます。オンプレミスのサーバー構築に比べて格段に時間を短縮できるメリットがあります。
他にも、セキュリティ対策がクラウドサービスに含まれていたり、サーバーリソースの簡単な増減が可能だったりと、利便性が高いのがクラウドサーバーの特徴です。
一方で、デメリットとしてはカスタマイズ性の制限があげられます。オンプレミスサーバーであれば、ハードウェアやソフトウェアの構成を自由に決められますが、クラウドサーバーの場合はプロバイダーが用意した環境の範囲内に限られます。
メリット | デメリット |
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料金相場と費用シミュレーション
クラウドサーバーの料金相場は、利用するリソース量によって大きく変わります。ディスク容量、メモリ、CPU、データベースなどのオプションを組み合わせて、必要に応じたプランを選択することになります。
ディスクやメモリは1GBあたり数百円程度、CPU性能によっても月額が変わります。さらに、リソースの固定化(専有化)を選ぶかどうか、優先度の高いCPUリソースを必要とするかなどの条件によっても費用は変動します。
例えば、AWS (Amazon Web Services) のクラウドサーバープラン「EC2」では、以下の基本的なオプションから月額料金をシミュレーションできます。
設定項目 | 内容 |
---|---|
地域 | 東京 |
インスタンスタイプ | t3.micro (最小スペック、バーストリソースあり) |
ディスク容量 | 8GB |
ディスクタイプ | EBS汎用SSD |
この設定では、月額約600円から利用できます。ニーズに合わせてリソースを増やすと、月額数千円〜数万円となる場合があります。
一方で、固定リソースを利用したい場合は、料金がより高額になることもあります。例えば、EC2の専有インスタンスでは、最小の「c5.large」インスタンスで月額約2万円となります。
クラウドサービスの公式サイトでは、詳細な構成を指定してシミュレーションが可能です。実際の費用を正確に把握したい場合は、そちらを参考にするとよいでしょう。
レンタルサーバーの利用
レンタルサーバーは、Webサイトの運営やシステムの構築などに利用されるサーバーサービスです。レンタルサーバーを利用すれば、初期費用を抑えられるだけでなく、運用や保守の手間も軽減できます。
メリットとデメリット
まずはレンタルサーバーのメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット | デメリット |
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このようにメリットとデメリットがありますが、個人サイトや中小企業向けのシンプルなWebサイト運営では、メリットの方が重視されることが多いでしょう。
推奨される利用シーン
レンタルサーバーは以下のようなシーンで利用することをおすすめします。
個人によるブログやポートフォリオサイトの運営
個人によるブログやポートフォリオサイトの運営
低コストで運営でき、技術的な知識も不要なため、個人でのWebサイト運営に最適。会社のシンプルな情報サイトの公開
会社案内やサービス紹介などの簡易的なWebサイトであれば、レンタルサーバーで十分。小規模なネットショップの運営
商品数やアクセス数が多くない場合は、レンタルサーバーで対応可能。一定の規模を超えると自社サーバーでの運用が必要になる。新規サイトの一時的な運用
サイト構築の検証用に一時的に利用する場合は、レンタルサーバーが適している。並行して自社サーバーの準備を進められる。
このように、シンプルで小規模なWebサイト運営を目的とする場合は、コストパフォーマンスに優れたレンタルサーバーが便利です。一方で、高度なカスタマイズや大規模なシステム運用が必要になれば、専用サーバーの構築を検討する必要があります。
サーバー構築依頼の注意点
サーバー構築は企業がオンライン上で存在感を出すために不可欠です。しかし、適切に行わないと多額の費用や運用トラブルを招く恐れがあります。
費用見積もりの重要性
サーバー構築に係る費用を事前に正確に見積もることが重要です。初期費用と運用費用の両方を考慮する必要があります。初期費用は、サーバー本体やネットワーク構築費用、作業費用などで構成されます。一方、運用費用は保守管理費用やクラウド利用料金などが含まれます。
下記は各種サーバー構築モデルの費用の目安を示した比較表です。
サーバー種類 | 初期費用 | 月額保守費用 |
---|---|---|
自社専用サーバー(オンプレミス) | 数十万円 | 数千円 |
クラウドサーバー | 数万円〜 | 数千円〜数万円 |
レンタルサーバー | 数千円(0円もあり) | 数百円〜数千円 |
サーバー構築を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取ることで適正価格を確認することが重要です。長期的な費用を考慮し、最適なサーバー構築モデルを選択しましょう。
管理人材の確保方法
サーバー構築後は、定期的な保守作業やトラブル対応のために、専門的な技術者を確保する必要があります。オンプレミス型の場合は自社内に技術者を配置し、クラウド型の場合は外部業者への運用管理を委託することが一般的です。
自社内での技術者雇用を検討する際は、以下の点に留意しましょう。
求められる技術スキルを明確化し、採用要件に反映する。
サーバー管理以外の業務もあわせて担当させる場合は、その分の人件費が必要になる。
技術者の採用・育成には時間とコストがかかる。
外部業者への運用管理委託の場合は、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自社技術者 | ・社内体制の一元管理が可能 | ・人件費が高額 |
外部委託 | ・経験豊富な技術者を確保できる | ・長期的な委託費用がかさむ |
自社のリソースやニーズに合わせて、最適な管理体制を検討することが大切です。
テスト運用の必要性
サーバー構築を行う前に、テスト運用を実施することをお勧めします。実際のサーバー環境で試験的に運用することで、要件の洗い出しや改善点の把握が可能になります。
テスト運用にはレンタルサーバーを利用するのが手軽で費用対効果の高い方法です。数百円程度の月額料金で簡易的なサーバー環境が構築できます。短期間のプランも提供されているため、状況に応じて利用期間を調整できます。
具体的なテスト運用の手順は以下の通りです。
レンタルサーバー会社の選定と契約
サーバー環境の構築(ドメイン、サイト構成、メール設定など)
実際の運用に合わせた利用(アクセス解析、負荷テストなど)
問題点の洗い出しと改善案の策定
本番サーバー構築時の要件明確化
短期間でも実運用に近い環境でサーバーの動作を確認できるため、本番環境への移行リスクを最小限に抑えることができます。不具合の発生に伴う損失を回避し、構築後のトラブル防止にもつながります。
サーバー選定の鍵
サーバーはWebサイトやアプリケーションの基盤となる重要な存在です。適切なサーバーを選ぶことで、安定したサービス提供が可能になります。一方、不適切な選定は多大なコストの損失を招きかねません。
失敗を防ぐためのポイント
サーバー構築は一筋縄ではいきません。適切な選定とともに、以下のポイントに留意することで、コスト増大やダウンタイムなどの失敗リスクを回避できます。
事前の運用テストの実施
サーバー構築に先立ち、運用テストを実施することが推奨されます。これにより、必要なリソース量やサーバー要件を正確に見積もることが可能になります。信頼できるベンダーの選定
クラウド型サーバー選定に際しては、安全性とサポートの観点から実績のあるベンダーを選ぶことが重要です。個人への無作為な外注はセキュリティリスクが高いため、避けるべきでしょう。管理人材の検討
サーバーには定期的な保守作業や不具合対応が必要不可欠です。自社にその知見がない場合は、外部の専門業者に運用管理を委託することも選択肢の一つです。長期的な費用見通しの立案
クラウド型サーバーは月額料金制のため、長期的な費用増大リスクに注意が必要です。初期投資と次年度以降の費用を比較検討し、中長期的に最適なプランを見極める必要があります。
サーバーは企業のIT基盤の要です。適切な選定と運用を怠れば、サービス停止や情報漏洩などの重大な事態を招く恐れがあります。しかし、上記のポイントを意識することで、多くの失敗リスクを回避することができます。
まとめ
本記事では、Webサイトやデジタルサービスに不可欠なサーバー構築について、その重要性や外部委託のメリット、具体的な依頼方法まで詳しく解説しました。専門業者への適切な委託により、安全で信頼性の高いシステム基盤を効率的に構築することが可能です。
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