ユーザージャーニーとは?マップの作り方とカスタマージャーニーとの違いを解説

公開日 2026.02.06
監修者 末廣 和弘

目次

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ユーザージャーニーとは、特定の製品やサービスを利用する際にユーザーが辿る体験の道のりを指します。この道のりを可視化したものが「ユーザージャーニーマップ」です。この記事では、ユーザージャーニーの基本的な意味から、混同されがちなカスタマージャーニーとの違い、そしてビジネス成果に繋がるジャーニーマップの具体的な作り方までを解説します。ユーザー視点でサービスを改善し、顧客満足度を高めるためのヒントとして活用してください。

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ユーザージャーニーとは?基本的な意味をわかりやすく解説

ユーザージャーニーとは?基本的な意味をわかりやすく解説ユーザージャーニーとは、ユーザーがある目的を達成するために、製品やサービスとどのように関わるか、その一連の体験を時系列で可視化したものです。これに対し、その可視化された図を「ユーザージャーニーマップ」と呼びます。このマップは、単なる操作手順を示すユーザーフローや、機能要求を記述したユーザーストーリーとは異なり、各段階でのユーザーの行動、思考、感情の浮き沈みまでを詳細に捉える点に特徴があります。この意味を理解することで、ユーザーがどこでつまずき、何に喜びを感じるのかを深く洞察し、より良いサービス体験の設計が可能になります。

ユーザージャーニーとカスタマージャーニーの明確な違い

ユーザージャーニーとカスタマージャーニーの明確な違いユーザージャーニーとカスタマージャーニーは、どちらも顧客体験を可視化する手法ですが、その対象範囲と視点に明確な違いが存在します。ユーザージャーニーが特定の製品やサービスを利用している最中の体験に焦点を当てるのに対し、カスタマージャーニーは顧客が商品を認知し、購入を検討、利用を経てファンになるまでの一連の関係性すべてを捉えます。この違いを理解し、目的に応じて適切に使い分けることが、効果的な施策立案には不可欠です。

対象とする範囲と視点の違いを比較

ユーザージャーニーとカスタマージャーニーの最も大きな違いは、対象とする時間軸と範囲です。ユーザージャーニーは、ユーザーが特定の製品やアプリ、Webサイトを使い始めてから、目的を達成するまで、あるいは利用を終えるまでの比較的短い期間のインタラクションに焦点を当てます。視点は「ユーザー」として、製品の使いやすさや機能性といったUX(ユーザーエクスペリエンス)が中心となります。一方、カスタマージャーニーは、顧客が製品を認知する前の段階から始まり、購入、利用、そしてアフターサポートや再購入に至るまでの長期的な関係性を扱います。視点は「顧客」として、ブランドとのあらゆる接点における総合的なCX(カスタマーエクスペリエンス)を対象とします。

それぞれのマップを使い分けるべきシーン

ユーザージャーニーマップは、具体的な製品やサービスの機能改善、UI/UXの最適化が目的の場合に特に有効です。例えば、Webサイトのコンバージョン率を上げたい、アプリの特定機能の離脱率を下げたい、といった明確な課題がある場合に活用されます。ユーザーの操作手順におけるつまずきやストレスの原因を特定し、ピンポイントな改善策を導き出すのに適しています。対してカスタマージャーニーマップは、より広範なマーケティング戦略やブランディング、顧客ロイヤルティの向上を目指す際に用いるのが適切です。新規顧客の獲得プロセス全体を見直したり、顧客との長期的な関係性を構築するための施策を検討したりする際に、全体像を把握するために役立ちます。

ユーザージャーニーマップがもたらす4つの主なメリット

ユーザージャーニーマップがもたらす4つの主なメリットユーザージャーニーマップを作成することは、単にユーザーの行動を可視化するだけでなく、ビジネスに多くの具体的なメリットをもたらします。ユーザー体験(UX)への深い理解から、サービスが抱える本質的な課題の発見、さらには組織内の円滑な連携促進まで、その効果は多岐にわたります。客観的なデータとユーザーの感情を結びつけることで、より精度の高い意思決定をサポートし、製品やサービスの価値を向上させる強力な基盤を構築できるのです。

  • ユーザー視点での体験(UX)を深く理解できる

  • サービスや商品の課題・改善点が明確になる

  • 部署間の共通認識が生まれ、連携がスムーズになる

  • 根拠に基づいた意思決定が可能になる

ユーザー視点での体験(UX)を深く理解できる

ユーザージャーニーマップを作成する最大のメリットは、作り手の主観ではなく、ユーザーの視点に立ってサービス体験を追体験できる点にあります。マップは、ユーザーが各接点で「何を行い」「何を考え」「どう感じたか」を時系列で可視化します。これにより、開発者やデザイナーが想定していなかったようなユーザーの思考の癖や、ポジティブ・ネガティブな感情の起伏を具体的に把握することが可能です。こうしたユーザーへの深い共感が、直感的で使いやすいインターフェースの設計や、ユーザーの心に響くサービス改善のアイデア創出に直結し、結果としてUXの質を大幅に向上させます。

サービスや商品の課題・改善点が明確になる

ユーザーの一連の体験を可視化するプロセスを通じて、サービスや商品が抱える課題や改善点が具体的に浮かび上がります。ユーザージャーニーマップ上では、ユーザーの感情がネガティブに振れる箇所や、行動が停滞する箇所が「ペインポイント(苦痛を感じる点)」として明確に示されます。例えば、「登録フォームの項目が多すぎて入力が面倒」「探している情報がなかなか見つからない」といった具体的な問題点が特定できます。このように課題が明確になることで、改善策の優先順位付けが容易になり、効果的なリソース投下へと繋げられるのです。

部署間の共通認識が生まれ、連携がスムーズになる

ユーザージャーニーマップは、開発、デザイン、マーケティング、営業、カスタマーサポートといった異なる役割を持つ部署間の「共通言語」として機能します。各部署がそれぞれの視点で顧客について語るのではなく、マップを中心に関係者全員が「一人のユーザー」の体験を共有することで、目標に対する認識のズレを防ぎます。例えば、マーケティング部門が設定したペルソナの課題を開発部門が深く理解し、それを解決するための機能を実装するといった、スムーズな連携が生まれます。これにより、組織全体として一貫性のあるユーザー体験を提供するための協力体制が構築されやすくなります。

根拠に基づいた意思決定が可能になる

ユーザージャーニーマップは、ユーザーインタビューやアクセス解析データなどの客観的な情報に基づいて作成されるため、チーム内の意思決定において強力な根拠となります。「おそらくユーザーはこうだろう」といった推測や個人の感覚に頼るのではなく、「マップのこの部分で多くのユーザーが離脱している」という事実を基に議論を進めることが可能です。これにより、機能追加やデザイン変更といった重要な意思決定を、よりデータドリブンかつ論理的に行えるようになります。結果として、施策の成功確率を高め、手戻りのリスクを低減させる効果が期待できます。

【5ステップで完成】ユーザージャーニーマップの作り方を徹底解説

ユーザージャーニーマップの作り方は、決して複雑なものではありません。明確な目的設定から始まり、具体的なユーザー像の定義、そしてユーザーの行動や感情の洗い出しを経て、最終的な改善策の立案へと至る、論理的な5つのステップで構成されています。この手順に沿って進めることで、チーム全体で共通認識を持ちながら、ユーザーの課題解決に直結する実用的なマップを作成することが可能です。ここでは、各ステップで具体的に何を行うべきかを詳しく解説します。

  • ステップ1:マップ作成の目的と対象範囲を明確にする

  • ステップ2:ユーザー像を具体化するペルソナを設定する

  • ステップ3:ユーザーと製品・サービスの接点(タッチポイント)を洗い出す

  • ステップ4:各段階でのユーザーの行動・思考・感情を書き出す

  • ステップ5:課題を特定し、具体的な改善策を立案する

ステップ1:マップ作成の目的と対象範囲を明確にする

最初に、なぜユーザージャーニーマップを作成するのか、その目的を具体的に定義します。例えば、「新規ユーザーのオンボーディング体験を改善し、最初の1週間での離脱率を10%下げる」「ECサイトの購入プロセスにおけるカゴ落ち率を5%改善する」など、定量的で明確なゴールを設定することが重要です。目的が明確になることで、マップに含めるべき情報や注目すべきポイントが定まります。同時に、マップが対象とするユーザーの範囲(例:新規登録ユーザー、リピート顧客)と、体験の範囲(例:初回ログインから最初の目標達成まで)を限定することで、議論の焦点を絞り、具体的で実行可能な分析に繋げます。

ステップ2:ユーザー像を具体化するペルソナを設定する

次に、マップの主人公となるユーザー像、すなわちペルソナを具体的に設定します。ペルソナとは、実際のユーザーデータ(年齢、性別、職業、ライフスタイルなど)やインタビューに基づいて作成される、架空の人物像のことです。単なるターゲット層の平均値ではなく、名前や顔写真、価値観、ITリテラシー、サービスを利用する目的や抱えている課題などを詳細に設定することで、チームメンバー全員が同じユーザー像を共有し、その人物になりきって感情移入しながらジャーニーを考えられるようになります。精度の高いペルソナを設定することが、マップ全体の質を大きく左右します。

ステップ3:ユーザーと製品・サービスの接点(タッチポイント)を洗い出す

ペルソナが目的を達成するまでに、製品やサービスと関わる全ての接点(タッチポイント)を時系列に沿って洗い出します。タッチポイントには、Web広告、SNS、公式サイト、製品のログイン画面、特定の機能、ヘルプページ、カスタマーサポートへの問い合わせ、さらにはオフラインでのイベントなど、オンライン・オフラインを問わずあらゆるものが含まれます。この段階では、抜け漏れがないように、関係者でブレインストーミングを行ったり、実際のユーザー行動データを参考にしたりしながら、一連の流れを網羅的にリストアップすることが重要です。これらのタッチポイントが、マップの横軸の各ステージを構成します。

ステップ4:各段階でのユーザーの行動・思考・感情を書き出す

洗い出した各タッチポイントにおいて、ペルソナが具体的に「何をするか(行動)」「何を考えているか(思考)」「どのように感じているか(感情)」を書き出していきます。行動は「ボタンをクリックする」「情報を入力する」といった客観的な事実を記述します。思考は「この操作は面倒だ」「次に何をすればいいのだろう?」といったユーザーの心の声を推測して言語化します。感情は「嬉しい」「不安」「イライラする」などを、感情曲線のような形で可視化すると分かりやすいです。これらの情報は、ユーザーインタビューやアンケート調査、ユーザビリティテストなどの定性的なデータから抽出することで、より現実に即した内容になります。

ステップ5:課題を特定し、具体的な改善策を立案する

完成したマップ全体を俯瞰し、ユーザー体験における課題や改善の機会を発見します。特に、感情曲線が大きく下降している箇所や、ユーザーの思考がネガティブになっているタッチポイントは、重要な課題(ペインポイント)が存在する可能性が高いです。例えば、「パスワード再設定の手順が複雑で、ユーザーが強いストレスを感じている」といった課題を特定します。そして、その課題に対して「なぜこの問題が起きるのか」という原因を分析し、「UIをシンプルにする」「ガイドを充実させる」といった具体的な改善策のアイデアを出し、実行計画に落とし込んでいきます。

ユーザージャーニーに関するよくある質問

ユーザージャーニーマップの作成や活用を検討する際には、多くの疑問が生じます。ここでは、マップ作成にかかる時間、見直しの頻度、そして作業を効率化するためのツールなど、実践において特に関心の高い質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考にすることで、よりスムーズにユーザージャーニーマップへの取り組みを始めることができるはずです。

  • ユーザージャーニーマップの作成にはどのくらいの時間がかかりますか?

  • ユーザージャーニーマップは定期的に見直す必要がありますか?

  • マップ作成に役立つおすすめのツールはありますか?

ユーザージャーニーマップの作成にはどのくらいの時間がかかりますか?

マップの対象範囲や複雑さ、参考にするデータの量によって大きく異なりますが、一般的には数日から数週間程度かかるケースが多いです。ペルソナ設定やユーザー調査に時間をかける場合は、1ヶ月以上を要することもあります。一方で、関係者のみで実施する簡易的なワークショップであれば、数時間で骨子を作成することも可能です。

ユーザージャーニーマップは定期的に見直す必要がありますか?

はい、定期的な見直しは非常に重要です。市場のトレンド、ユーザーのニーズ、そして自社サービスの内容は常に変化するため、一度作成したマップが永続的に有効とは限りません。少なくとも半年に一度、あるいは大きなサービスアップデートのタイミングなどでマップを現状に合わせて更新することで、常に最適なユーザー体験を提供し続けることができます。

マップ作成に役立つおすすめのツールはありますか?

オンラインホワイトボードツールの「Miro」やデザインツールの「Figma」がおすすめです。これらのツールには豊富なテンプレートが用意されており、付箋を貼るような直感的な操作で、チームメンバーとリアルタイムに共同編集できます。まずは無料プランから試してみて、自社のチームに合ったツールを見つけるのが良いでしょう。

まとめ

ユーザージャーニーとは、ユーザーが製品やサービスを利用する際の体験の道のりであり、それを可視化したユーザージャーニーマップは、UX改善の羅針盤となるツールです。カスタマージャーニーとの違いを理解し、目的に応じて使い分けることが重要となります。マップ作成の5つのステップを通じて、ユーザー視点に立った課題発見と具体的な改善策の立案が可能になり、部署間の共通認識を醸成し、データに基づいた意思決定を促進します。本記事で解説した作り方や事例を参考に、ユーザーへの深い理解に基づいたサービス改善に取り組んでください。

ユーザージャーニー設計やペルソナ策定、UI/UXに関するサポートなら株式会社デパートにおまかせ

株式会社デパートでは、ユーザージャーニー設計やペルソナ策定を起点に、Webサイト・サービス・採用サイトなどの体験設計を一貫して支援しています。表面的なUI改善にとどまらず、事業や組織の目的に紐づいたジャーニー整理、関係者間での共通認識づくり、実装・運用まで見据えた設計を重視している点が特長です。「ジャーニーマップを作って終わり」にせず、実際の改善や成果につなげたいとお考えの場合は、現状整理のご相談からでもお気軽にお声がけください。

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