ユーザーテストとは?概要や手法を紹介

2024.06.21

新製品の発売や既存サービスのリニューアルでは、マーケティングによるプロモーションが大きな役割を担います。プロジェクトの成功には事前の設計や入念なデータの収集が欠かせませんが、そのなかでも「ユーザーテスト」は重要な要素の一つです。当記事では、サービスのプロモーションでお困りのマーケティング担当者様に向けて、ユーザーテストの概念や実施手順について解説します。

ユーザーテストとは

ユーザーテストとは、自社のサービスがコンセプトやペルソナに合致しているか検証する手法です。Webサイトやアプリケーションにおいては、ユーザーテストの結果に基づき、コンテンツがターゲットに影響するかを確かめます。

そのため、マーケティング施策や製品開発の前段階で行われるテストといってよいでしょう。自社のプロダクトはユーザーの悩みを解決するために生み出すものですが、事前に仮説を検証しなければ、リリース後にトラブルが起こるかもしれません。

トラブルによるユーザーの離脱を防ぐためにも、ユーザーテストは基本的に実施する必要があります。

ユーザーテストとユーザビリティの違い

ユーザーテストと似た用語に「ユーザビリティテスト」と呼ばれる仕組みが存在します。ユーザビリティテストとは、製品やサービスの使い勝手を検証する手法です。

ユーザーテストはサービスのニーズ、つまり「当サービスを人々が必要としているか」を検証します。一方、ユーザビリティテストは、実際にサービスを使ったときの使用感や改善点を確かめる手法です。

ユーザーテストとユーザビリティテストは「サービスを改善しブラッシュアップする」という目的こそ共通していますが、検証内容は異なります。

たとえば、化粧品の試供品を店舗で配る場合、ユーザーテストでは試供品を受け取ってくれる割合、ユーザビリティテストでは試供品の使い心地を検証します。

ユーザーテストの流れは3つのステップで実践

ここからは、ユーザーテストを実施する手順を3つのステップで解説します。プロダクトの過程において、ユーザーテストは製品やサービスの品質やコンセプトに直結する大切な要素です。マーケティング施策の要といっても過言ではないため、正しい手順で実施しましょう。

 

 

仮説の設定

まずはテストの目的を明確にし、なぜこの事業やプロダクトを行うのかを明らかにします。ユーザーテストを行うタイミングは、主に新規商品の開発段階やリニューアルです。

自社のブランドコンセプトと蓄積データをもとに、ユーザーテストするサービスについて仮説を立てましょう。具体的な設定項目として、ペルソナやカスタマージャーニー、仮説に対するソリューションが挙げられます。

テスト内容を決定し実行する

仮説を設定したら、検証できるテスト内容を設定します。Webサイトのユーザーテストにおいては、実際にWebサイトに訪問して特定の動作を行ってもらい、導線やユーザビリティについて意見を求めましょう。

仮にCTAバナーの設置場所について検証する場合、ユーザーのトップページからCTAを探してもらい、見つけるまでのページ遷移数や見つけやすさを見てもらいます。

このとき、実施内容や感じたことは、逐一言葉にだしてもらいましょう。これを「発話法」と呼びます。

テストの様子は動画に残して共有する

ユーザーテストの様子は、詳細を確認するために動画へ残しておきましょう。オフラインなら第三者がユーザーテストの光景をスマートフォンで録画してもいいですし、リモートでの実施ならキャプチャ機能を使う方法もあります。

撮影した動画の映像は、チームで共有し仮説の検証や改善点の抽出に活用します。映像に起こして初めて分かる要素もあるため、仮説の検証は映像でも確認しましょう。

ユーザーテストのよくある失敗例

ここからは、ユーザーテストの実施で起こりやすい失敗例について解説します。ユーザーテストは、事前の設計が検証の成否を大きく左右するため、成功には入念なリサーチや事業に対する理解が大切です。

どれか1つでも曖昧さが生じると、後のユーザビリティテストや製品のリリースにも大きな影響がでるでしょう。

 

ペルソナ設定が不十分

ペルソナ設定が曖昧・不十分だと、仮説も課題も合わせて曖昧になり、ユーザーテストの意味そのものをなくしてしまいます。ターゲットは「30代男性会社員」といった抽象的な設定でよいですが、ペルソナは具体的な職業や性格、ストーリーも組み立てます。

このペルソナ設定が定まっていないと、当然仮説の内容も本来の趣旨から外れてしまうのです。ペルソナ設定に際しては、類似商品の購入データやコンバージョンの情報を参照し、姿形を想像するとよいでしょう。

感覚由来の設計ではなく、データドリブンに基づいた意思決定が大切です。また、ペルソナ設定は仮説からテストの実施まで一貫性を保ち、PDCAのなかでもブレない姿勢が求められます。

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Webサイトの役割や目的を明確にしていない

市場における自社サイトのポジション・目的を明確にしていないと、課題解決は困難です。

Webサイトの場合、周囲の流行を見てUIデザイン(サイトの見た目)だけを変えて、UXデザイン(ユーザーの体験や満足度)をそのままにするパターンがこれにあたります。

ユーザーテストを実施するうえでは、プロダクトの主軸が必要です。手法やテスト結果を主軸と比較すると、適切な施策につながります。

データを適切に使用できていない

データではなく経験や感覚ばかりに頼ると、テスト結果が失敗に終わります。最適化や改善において勘を頼りに動いていては、長期的に適切な成果を得られないでしょう。

ユーザーテストでは、類似商品や競合のデータから仮説を設計します。リサーチで収集できる情報はもちろん、社内で蓄積したアクセスデータもフルに活用しましょう。とくに自社データは、競合と差別化するための重要な情報源です。

ユーザーテストで得られた情報においても常に整理し、後のユーザビリティテストにも有効活用できるようにしましょう。

ユーザーテスト実施のメリット

ここからは、ユーザーテストを実施するメリットについて解説します。プロダクトの精度に役立つユーザーテストですが、メリットはそれだけではありません。

 

開発費用の削減

ユーザーテストの実施は比較的早い段階で行うため、後になってプロジェクトの立て直しなど、大規模なトラブルにつながる確率を下げられます。

実装直前の段階で「想像と違った」と改善を求められると、多くのコストが発生するものです。チームのリソースを無駄にしないためにも、ユーザーテストを通してブレの少ないマーケティング戦略を策定しましょう。

潜在的なニーズや機会の発掘

ユーザーテストを実施することで、開発時点では気づかなかった潜在的なニーズや新たなチャンスを獲得できる可能性があります。

ユーザーテストは必ずしも想像通りの検証結果が表れるわけではありません。ときには仮説と異なる結果をだすこともありますが、それによって新たなきっかけが生まれるのです。

テストするサービスには使えないかもしれませんが、別のサービスや今後の施策に使える材料にできるでしょう。また、検証結果ではなく、事前設計段階でも新たな気づきが生まれることもあるでしょう。

ユーザーテストのなかで「このように改善するとより魅力的になるだろう」との意見を得られると、そのアドバイスを当該プロダクトだけでなく、自社全体に活かすきっかけにもできます。

まとめ

ユーザーテストは製品やサービスがユーザーにとって有意義なものかを確かめる検証方法です。ユーザーテストの設計や検証結果が、後のユーザビリティテストやリリース後のプロモーションの有効性にもつながります。

そのため、プロダクトの全工程においてユーザーテストは、重要な役割を担っているといえます。PDCAサイクルを回しながら、サービスのブラッシュアップに努めましょう。

株式会社デパートでは、Webマーケティングやコンテンツ戦略の支援を実施しています。初めての施策で効果的にユーザーテストを行いたい場合は、お気軽にご相談ください。自社商品やサービスを求めているユーザーに沿ったマーケティング戦略の実施をサポートいたします。

 

 

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