View more

効果的なWebサイト運用のポイント

Blog

効果的なWebサイト運用のポイント

作っただけでは、なかなか成果の出ないWebサイトやWebサービス。 制作時に掲げた目標を達成するため、日々の更新、運用が重要です。 今回はWebサイト運用で効果を出す際の、ポイントをご紹介します。
効果的なWebサイト運用のポイント

そもそもWebサイト運用とは

そもそもWebサイト運用とは

Webサイトが持つ目的は情報提供・広告宣伝・商品やサービスの販売・問い合わせ対応などサイトによってさまざま。Webサイト運用とは、そのWebサイトが持つ目的達成に向けて、提供する情報の質の維持向上を図ることを言います。

Webサイト運用で取り扱う項目は多岐に渡りますが、主には情報面・環境面という2つの項目に分けられます。

 

情報面

Webサイト運用の情報面とは、Webサイトに掲載される情報の追加・更新を行うことです。次のような情報をまとめて、コンテンツ(Webページ)の追加・更新を行います。

・運営者として即時提供しないといけない情報・更新しないといけない情報

・運営者として提供したほうが良い情報・更新したほうが良い情報

一般の方に浸透しているWeb担当者・運用部門に対するイメージが、情報面の取り扱いに該当します。

 

・環境面

環境面とは、Webサイトを稼働させる環境について整備を行う事です。次のような業務が該当します。

・運営者として保たなければならないサイト環境の維持

・運営者として改善したほうが良いと思われるサイト環境の改善

Webサイトの稼働が安定していなければ、ユーザーに質の良い情報を届けるという目的を達成できないケースが発生するため、隅々まで整備しておく必要があります。

 

 

Webサイト運用で実際に行われる業務

Webサイトの運用部門が行っている業務は、外部からはあまり知られていません。具体的に何をやっているのか気になる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、Webサイト運用現場で実際に行われている業務についてご紹介していきます。一般的な運用業務を網羅しているため、これから運用担当者になる方は全体像の把握に、既に運用担当者である方は現在の業務と比べてみて下さい。

 

コンテンツ運用

コンテンツ運用とは、Webサイトのコンテンツ(ページ)の追加・更新・改善・削除等を行う、Webサイト運用部門の中心となる業務です。訪れたユーザーに常に最新の有益な情報を提供するためにも、機会損失を防ぎビジネスを成長させるためにも、正確でスピーディーな運用を行う必要があります。

コンテンツ運用で行われる業務には、次のようなものがあります。

 

コンテンツ追加

Webサイトは、ビジネスの推進に合わせて次々に新しいコンテンツを追加していく必要があります。常にトレンドの情報を発信していかないと、訪問してくるユーザーに提供する情報の質が下がり、ビジネスのチャンスロスに繋がるためです。

そのため、日々コンテンツを追加していくことは、Webサイト運用部門の最も基本的な役割となります。追加が必要となるコンテンツには、次のようなものが挙げられます。

・新商品・新サービス情報

・イベント情報

・トレンド情報

特に、時期やタイミングを逃してはならないコンテンツに関しては、多少質を落としてでもスピーディーに公開する必要があります。

 

コンテンツ更新

Webサイトを構成するコンテンツの中には、定期的な更新が必要な必要なものもあります。例えば次のようなコンテンツが該当します。

・ニュース・最新情報(What's New)

・IR情報(投資家向け情報)

・FAQ(よくある質問・お問い合わせ)

・採用情報

・プレスリリース

これら更新が発生するコンテンツは、Webサイト訪問者が頻繁に参照する重要な情報が多くを占めているため、運用部門はこまめに更新を行って常に最新の情報を提供できるようにしておく必要があります。

また、更新頻度・更新スピードも重要ですが、情報の正確性を担保することも非常に重要です。

 

コンテンツ改善

Webサイトに日々蓄積されていくコンテンツは、一度公開して終わりではなく、繰り返し改善を施した方がより高いパフォーマンスを発揮することができます。ただし、感覚に頼って場当たり的に改善を施したのでは、あまり効果がありません。

コンテンツ改善を行う際のポイントは、Webサイトを効果測定した数値を参考にして、根拠のある改善施策を施すことです。成果が出ていないページの選定して原因を突き止め、成果に繋がる打ち手を積み重ねることが非常に重要となります。

効果測定の分析結果によっては、コンテンツ自体の改善だけでなく構成やUI(ユーザーインターフェース)の改善も行った方が良いケースもあります。

ロジカルにPDCAを回してWebサイトのパフォーマンスを高めることも、運用部門の重要な役割と言えるでしょう。

 

コンテンツ修正

Webサイトのコンテンツは、追加・更新を続けて行くうちに、どうしても一定の割合でミス・抜け漏れが発生します。

Webサイト運用部門は、このようなミス・抜け漏れが無いかをチェック・修正して、掲載しているコンテンツの質を担保することも重要な役割となります。

 

コンテンツ削除

Webサイトを運営していると、既に終了した商品・サービスや古くなって役に立たない情報が掲載されたコンテンツが発生します。このようなコンテンツを放置しておくと、ユーザーに不利益を与えたり、クレームやトラブルの原因となったりする場合もあります。

そのため、定期的に削除してWebサイトの健全性を保つことも運用部門の仕事です。

 

広告・バナー運用

Webサイトにユーザーを呼び込む施策には、SEOとWeb広告が挙げられます。このWeb広告を適切に運用してアクセスアップや問い合わせ誘発に繋げることも、Webサイト運用部門の重要な役割です。

・リスティング広告(検索連動型広告)

検索エンジンに入力されたキーワードに対して表示される広告


・SNS広告

SNS媒体に掲載する広告


・ディスプレイ広告(DSP)

プラットフォームを通じてWebサイトやアプリに配信する広告


・バナー広告(純広告)

広告枠を買い取って一定期間掲載する広告


・アフィリエイト広告

アフィリエイトサイトに掲載される成果報酬型の広告

Web広告は出稿先の選定・ターゲティングといった運用方法次第で大きく成果が変わります。そのため、投下した広告予算に対して高いパフォーマンスを発揮するには、効果測定を行って数字を基にロジカルなPDCAを繰り返すことが重要です。

 

SNS運用

Facebook・Twitter・InstagramといったSNSは年々ユーザー数を伸ばしており、情報拡散力の高さや双方向コミュニケーションに適していることから、ビジネスで活用されることも一般的となりつつあります。

Webサイトと併せてSNSを活用する場合は、次のようなメリットが期待できます。

・Webサイトへの誘導による流入数アップ

・広告費の削減

・商品・サービスの認知向上・訴求

・情報発信・情報提供

・ユーザー対応による満足度向上・ファン化

SNSの効果性を発揮するためには、日々こまめに投稿・更新・返信を行う必要があります。

継続的に手を加えなければ成果に繋がらないため、Webサイト運用部門がSNS運用も兼ねる場合は、十分なリソースを確保する必要があります。

 

環境保守

環境保守とは、前項でご紹介したWebサイトの健全性を保つための環境維持・改善を行う業務のことです。

 

インフラ関連

ここで言うインフラ関連とは、以下のようなWebサイトを稼働させるためのハードウェア・ソフトウェア(システムソフトウェア)のことです。

・サーバー

・ミドルウェア

・CMS

・外部連携システム

・サーバー証明書

私たちが使用しているパソコンのOSやソフトウェアと同じように、Webサイトのインフラ関連についても日々バージョンアップされています。そのため、更新やアップデートといったメンテナンスを行うことも、Webサイト運用部門の重要な役割です。

もしインフラの保守が適切に行われていないと、Webサイトが表示できなくなったり、不具合やセキュリティリスクが発生したりしてしまいます。また、内容によってはWebサイトに警告が表示されて、信頼性が低下するリスクもあります。

サーバーに関してはクラウドサーバー・共用サーバーが主流ですが、自社で設備を保有するオンプレミス型で運用している場合は、ハードウェア機器の保守・点検・メンテナンスも必要となってきます。

 

ドメイン関連

Webサイトの住所でもあるドメインは有効期限が定められているため、一度取得して終わりではなく定期的な更新を行って維持する必要があります。もし更新が漏れて期限切れとなってしまうと、Webサイトが表示されなくなるなど、ドメインに関連するすべてが使用不可となるため注意が必要です。

また、他者に失効中のドメインを取得されると再取得できなくなるリスクもあります。このようにドメインの更新は致命的なリスクを孕んでいるため、責任重大な業務となります。

 

セキュリティ関連対応

Webサイトのセキュリティは、サーバーやソフトウェアの更新・アップデートだけでは不十分です。悪意の第三者による攻撃は多種多様であり、日々新たな脅威が発生しているため、状況に応じて必要な対策を講じることも運用部門の重要な役割です。例えば、次のような対策・対応が挙げられます。

・BASIC認証の実装

・IPアドレス制限の実装

・画像認証の実装

・二段階認証の実装

・ファイアウォールの実装

・不正侵入検知システムの実装

・不正侵入防止システムの実装

完璧なセキュリティ対策を行うことは不可能ですが、複数の対策・対応を講じることで、Webサイトのリスクをゼロに近づけて行くことができます。

また、Webサイト運用部門では、万が一インシデント(事故・危機)が発生した際に、ダメージを最小限に留めて速やかに復旧できるように、インシデント対応フロー・対応マニュアルを構築しておくことも重要です。

運用のポイント~運用は設計が全て

運用のポイント~運用は設計が全て

Webサイト運用は、場当たり的に施策を施してはなかなか成果に結びつけることができず、効率も上がりません。抜け漏れやミスが生じるリスクも高くなってしまいます。しかし、実際には効果的な運用ができているケースは多くありません。

Webサイト運用の効果的な運用を実現するための方法が、運用設計を行うことです。いかに運用設計を行うかがその後の運用を左右すると言っても過言ではありません。

ここでは、運用設計の概要から具体的な方法までをご紹介していきます。

 

運用設計とは?

運用設計とは、Webサイトを運用する目的の設定とそれを実現するための体制・作業フローを構築することです。構築した体制・フローを稼働させた場合の効果測定・改善手法についても運用設計に含まれます。

簡単に説明すると、Webサイト運用を正確に効率良く行う仕組みを確立して、さらにPDCAも自律的に回せる流れまで構築しておくことを言います。

具体的に設計する項目について、続けて以下にご紹介していきます。

 

運用におけるKGI、KPI設定

Webサイトの運用設計は、Webサイトが目指す目標を定めることが最初のステップとなります。目標設定には、ビジネスで多く用いられる次の指標を用います。

 

・KGI(Key Goal Indicator)

KGIとは、重要目標達成指標と訳され、目指すべきゴールのことです。「CV〇件」「CVR〇%」のように、具体的な数値で設定します。

 

・KPI(Key Performance Indicator)

KPIとは、重要業績評価指標と訳され、目標達成の計測に欠かせない業績評価に用いられる指標です。KGIのマイルストン(中間目標)として複数設定されます。KGIの達成状況や現状把握に活用することで、適切な施策へと繋げることができます。

 

Webサイト運用設計においても、KGI・KPIという指標をまず定めることで、目指すべき目標と現状のギャップが明確となり、以降の設計項目についても有用性の高い設計を行うことができます。

 

運用箇所の明確化

KGI・KPIを設定したら、続いてKSFを決定します。

・KSF(Key Success Factor)

KSFとは、重要成功要因と訳され、目標達成に必要な要因のことを指します。

KSFの設定は、つまり「何をすれば成功できるか」を明確化することです。Webサイト運用においてもKSFを設定することで、運用箇所の明確化ならびに各箇所がどの目的を実現するものかを明確化することができます。

 

例えば、ECサイト売上アップがKGIだとすると、必要な運用箇所は次のようになります。

・トップページの掲載情報の更新・差し替え

・商品ページの追加・更新

・イベント・キャンペーンの告知

・Web広告による集客

・ブログ・メルマガ・SNSでの情報提供

上記は漠然としていますが、実際には定型業務・非定型業務の切り分けや、各運用箇所にKPIを設定するなど細かく落とし込んでいきます。

 

運用方法の明確化

運用箇所が明確化できたら、次は具体的な運用方法について明確化していきます。一般的には、次のような項目をそれぞれ作り込んでいきます。

・業務フロー

・確認・承認フロー

・ツール・システムの整備

・役割分担

運法方法を設計する際のポイントは、できるだけ属人化を防ぎ、標準化された仕組みを確立することです。そのためには、なるべく人に依存する作業を削減して、ツール・アプリケーションを活用したシステム化・自動化を行うことがポイント。担当者や時期に依らず、常に効率的・安定的なWebサイト運用を行えるようにするためです。

また、ミス・イレギュラーや欠員が発生した際にも速やかにリカバリーできるように、バックアップ体制についても構築しておきます。

 

チェック方法の確立

Webサイト運用においても、新規公開時と同じようにミスや漏れが無いかチェックを行い、Webサイトのクオリティを担保する必要があります。人為的なミスはどうしても発生してしまうためです。

しかし、毎回異なる方法・任意の方法でチェックを行うとクオリティも安定せず効率も悪いため、運用設計段階でチェック方法を確立しておくことが重要です。Webサイト運用のチェック方法には、以下のような方法があります。

・チェックリストを作成する

・チェックフローを作成する

・できるだけツールやアプリケーションを活用する

・エビデンスを残す

・チェック方法は状況に応じて都度改善・更新を行う

重要なポイントは、誰が行っても毎回チェック品質を担保できるように、標準化されたチェック方法を確立すること。

また、リンクチェック・マークアップチェック・表記ゆれチェック等は、ツールやアプリケーションを活用した方が正確性・効率性を高めることができるため、できるだけ自動化を施すこともポイントです。

 

運用担当、領域の明確化

Webサイト運用は、サイトの規模にもよりますが一般的にチームで運用を行います。そのため、運用設計においては担当者の役割分担・担当範囲・責任範囲も明確に定義しておく必要があります。また、人員の追加や予算の追加についても考慮しておく必要があるでしょう。

担当者・領域が不明瞭なまま運用を行うと、同じ作業の重複・抜け漏れが発生したり、ミスが発生した際の責任の所在が曖昧になったりといった自体が起こります。いくら秀逸な業務フロー・業務体制を構築していても、これでは上手く機能させることができません。

作り込んだ運用設計を上手く稼働させるためにも、担当・領域の明確化は忘れずに行っておきましょう。

 

イレギュラー対応方針

運用設計で如何に詳細な運用フロー・運用体制を構築しても、イレギュラー対応は設定しておく必要があります。イレギュラーが起こらないと断言することはできないためです。

運用面から見たイレギュラー対応については、以下に気を付けて設定する必要があります。

・関係部署への情報共有

・イレギュラー対応方法の検討

・既存運用に対する影響の検討

・イレギュラー対応から正常化する流れ・スケジューリングの検討

 

イレギュラー対応の設計においては、大きく2パターンに分かれます。

・既存の運用フローの流用で対処できるパターン

・対応の確立ができないパターン

前者に関しては、イレギュラーに大して流用する既存の運用フローの選定とフォローアップの方法を検討しておくことが一般的です。

問題は後者です。未知のイレギュラーや想定の範囲外のイレギュラーに関しては、対応方法・必要リソース・影響範囲・スケジュールを見積もることができません。

そのため、まずは決定権者を明確にして、大まかでも状況の把握・対処方法の模索を含めてイレギュラー対応の方針を決めておき、できるだけスムーズに対処できるようにしておくことが重要です。

 

改善フローの構築

ビジネスの状況は日々変化するため、それに伴いWebサイトの運用も改善しながら行わなければなりません。いくら秀逸な運用フロー・運用体制を構築していても、改善を加えなければいずれ陳腐化してしまい、業務効率・運用成果の低下を招きます。

運用設計では、改善が必要となることを見越して、改善フローについても設定しておきます。具体的には、運用の際に生じる課題・施策について可視化されたチェックシートの作成を行い、効果測定を行います。

以下に作成した表は、弊社が行っている管理方法となります。

課題

項目

目的

効果

即効性

影響範囲

工数

実施可否

ステータス

結果

離脱改善

メニューの改善

回遊率の改善

1セッション当たりのPV増加

実行前

 

キャンペーンの離脱改善

キャンペーンコンバージョンUI改善

コンバージョンUP

購入増

実行中

 

新規率の低下

SEO向けコンテンツ改善

新規獲得

サイト流入増

完了

バナー掲載スケジュールの短縮

バナー掲載の入稿フロー変更

工数削減

 

×

×

 

運用部門はチェックシートを記入しながら業務を行い、結果を見て今後の改善へと繋げて行きます。このように自動的にPDCAを回す仕組みを作成しておき、Webサイト運用の業務フロー・業務体制の質を保つことも、運用設計における重要なポイントです。

 

運用対象のコンテンツ検討機会の設置

Webサイト運用の期間が長くなるとコンテンツ数は膨れ上がり、メンテナンスに要する工数も増大します。そのため、上記の改善フローに従うだけでなく、不要なコンテンツの削除や運用対象コンテンツの見直しが必要となってきます。

運用設計においては、運用対象コンテンツを検討する機会を定例化しておくことがポイントです。これにより、効果性の低い無駄な運用を省き、Webサイト運用負荷低減・効率化を図ることができます。

 

緊急対応方法の構築

企業活動を行っていると、いつ企業の存続が脅かされるようなリスクに遭遇するかはわかりません。例えば、以下のようなリスクが考えられます。

・災害の発生

・重大な不祥事

・不慮の事件・事故

・風評被害

このようなリスクが発生した際には、アクセスの集中によるシステムダウンや著しい信用失墜の恐れがあるため、Webサイト運用においても迅速な対応が求められます。

普段の運用とは異なり、公開する情報の精査やシステムトラブルの対処など、運用部門だけでは対処できないことも多いため、運用設計においては事前に緊急対応方法を構築しておく必要があります。

・緊急対応フロー(検討・実行・確認)

・連絡系統・連絡方法の検討

・指揮系統・責任者の明確化

 

万が一の際に速やかに行動に移せるように、図表や対応マニュアルを作成したりメンバーに研修を行ったりしておくことも重要です。

運用時に起こりがちな問題と対策

運用時に起こりがちな問題と対策

Webサイトの運用は、運用設計を行って業務体制・業務フローをしていても、問題が起こってしまうものです。ここでは、Webサイト運用時に起こりやすい問題とその対策法についてご紹介していきます。

 

マーケティングと運用の落としどころ問題

Webサイト運用時に頻繁に起こる問題として、依頼者であるマーケティング部門と実践者である運用部門で摩擦が生じることが挙げられます。

例えば、マーケティング部門はコンテンツの追加・更新を出来る限り早く掲載したり、より多くの情報を掲載したい意向がありますが、運用部門では工数・スケジュールの融通が難しかったり、技術的問題で要望に応えられないといったケースなどが挙げられます。

依頼者と実践者では考えていることや保有している情報が異なり齟齬が生じるため、両者がうまくバランスを取らなければ、スムーズな運用を行うことができません。

現実的な解決策としては、以下のような方法が考えられます。

・あらかじめ両者の落としどころを決めておく

・情報共有・連携を強化する

・運用部門の体制強化(リソース不足の場合)

マーケティング部門・運用部門も目指す目標・ゴールは同じです。上手く協業できる状況を模索することで、ビジネスの成長に繋がるWebサイト運用を行うことができます。

 

各関係部門との情報共有不備

Webサイト運用は、マーケティング部門・広報部門・人事部門など、各方面から依頼を受けた情報を基に行われる業務も多くあります。その際に、情報共有や連携が上手くいっていないと、コンテンツの追加・更新に必要な情報の齟齬・重複が発生し、業務の混乱・遅延・停滞を招いてしまいます。

スムーズに情報を取りまとめてWebサイトに反映するためには、以下に情報共有のフローを確立するかが決め手となってきます。例えば、次のような方法が考えられるでしょう。

・情報共有に対する意識向上・社内教育

・情報共有の手段の選定

・情報共有の阻害要因の除去

良いWebサイト運用は、各方面との連携無くして行うことはできません。そのため、スムーズな情報共有・連携ができるように、継続的改善を行う姿勢を持つことがポイントとなります。

 

管轄部署を跨いだプロジェクトの難航

大手企業・準大手企業など一定規模以上のWebサイトでは、複数の管轄部署を跨いだプロジェクトの運用を行うケースがあります。このようなケースでは、意思決定が多方面に分散することにより、話がなかなかまとまらずコンテンツの追加・更新が進まないといった問題が生じます。

運用側から管轄部署へ積極的にアプローチすることで対処できる場合ももありますが、役割分担や権限の問題があるため根本的な解決は難しいでしょう。

このような問題に対しては、プロジェクト開始前に決定権を持つ人物や、上位の権限を持つプロジェクトオーナーを明確化しておく方法が有効となります。責任の範囲・所在や権限の優先順位を決めておくことで、情報の停滞を防ぎスムーズに運用業務を行うことができます。

 

マニュアル更新の停滞

Webサイト運用におけるマニュアルは、ナレッジ・ノウハウの共有による業務効率化・標準化を図ることができる優秀なツールです。しかし、ビジネスの状況は日々変化するため、定期的な更新を行わなければいずれ有用性・効果性を発揮できなくなってしまいます。

新しい情報を共有できないだけでなく、陳腐化したノウハウや古くなった情報を参照することによる、ミスやトラブルが発生するリスクも生じます。

多くのWebサイト運用の現場では、マニュアルの作成には注力するものの、更新に関してては疎かになっているのが実情です。常に運用に関与するスタッフがパフォーマンスを発揮できるようにするためには、以下のようなマニュアル更新に関するルール付けを行う必要があります。

・マニュアル更新のスケジュールを作成する

・マニュアル更新に必要なコスト・リソース・時間の確保

・業務に耐えうる範囲でなるべくシンプルなマニュアル化の手法を選定

マニュアル更新に関しては、「やるかやらないか」の決めの問題が大きく、上記のようなルール付けを実践するだけで、比較的容易に解決することができます。

 

コンテンツ開発時の運用設計不備

Webサイトは運用していくにつれて新規コンテンツの追加や拡張が行われることが一般的です。しかし、運用時のことが考えられていなかったり、運用設計が不十分であったりすると、運用負荷の増大・業務効率低下・コスト増大等さまざまな問題が発生します。技術的問題が生じてコンテンツの追加や更新が難しくなるケースもあります。

このような問題が生じる大きな理由は、新規コンテンツの公開が優先されやすいこともありますが、新規コンテンツ開発に携わるメンバーが運用に関するナレッジ・ノウハウを十分に把握していないことが考えられます。

そのため、新規コンテンツ開発時には、開発部門だけでなく運用部門も含めてディスカッションを行うことや、運用メンバーが運用設計について積極的に提案することが重要となります。

新規に開発されたコンテンツも適切に運用してこそ効果性を発揮できるため、運用設計にも含めて熟考することがポイントです。

 

ノウハウが蓄積できない・属人化・人手不足

実際のWebサイト運用現場では、属人化と呼ばれる業務を担当している特定の人物にノウハウが集中するケースが多く見られます。特定の人物に絞った方が効率良く業務が進むためです。

しかし、属人化が発生すると、担当スタッフの異動・退職が起こると同時に運用ノウハウが失われ、Webサイト運用のパフォーマンスが低下してしまいます。また、体制変更や規模の拡大によりスタッフを増員した場合においても、ノウハウが無いためパフォーマンスを発揮することができません。

このような問題に対処して常に安定したWebサイト運用を行うためには、運用ノウハウの蓄積・情報共有・業務マニュアルの作成・システム化の推進などにより、標準化された運用体制を確立しておくことが重要です。

業務が人に依存せず、なるべく誰でも同じパフォーマンスを発揮できる仕組みを作り込むことで、Webサイトを安定的に運用することができます。

まとめ

Webサイトは公開することがゴールと考えられがちですが、当記事でご紹介したように実際は公開してからがスタートです。

常にWebサイトを最新の状態に保ち、情報提供や集客といったWebサイトの有用性・効果性を発揮し続けるためには、適切な運用を行うことが欠かせません。公開後のWebサイト運用をスムーズに行うためには、やはりWebサイトリリース前に緻密な運用設計を行っておくことが重要なポイントとなります。

弊社では、Webサイト運用でパフォーマンスを発揮するための運用設計から、Webサイト改善コンサルティング、Webサイト運用代行まで、Webサイト運用に係るソリューションをワンストップでご提供しています。

経験豊富なスタッフがWebサイトのアセスメントを行い、最適なプランを提案していますので、Webサイト運用でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

Webマーケティング、Web制作に関することなら
お気軽にご相談ください