採用サイト制作に補助金は使える?2026年の自治体の制度例と申請前の注意点

採用サイトを作りたいけれど、補助金は使えるのかな。そう思って調べても、国の大きな補助金では採用サイトは対象外になっていることがほとんどです。実は、採用サイトに使いやすいのは、県や市区町村が行っている採用支援の補助金です。どんな制度があるのか、どう探せばよいのかを、例を交えてご紹介します。

この記事でわかること

  • 国の主な補助金で、採用サイトが対象になりにくい理由

  • 採用サイトに使える自治体の補助金のタイプと、実際の例

  • 自社の地域で使える制度の探し方

  • 申請前に確認したいことと、補助金だけでは解決できない課題

採用サイトは、求人情報を載せるだけの場所ではなく、会社の考え方や働く人の姿を伝えて、応募する理由をつくる場所です。誰に、何を、どの順番で伝えるかを設計してはじめて、応募数だけでなく入社後の定着にもつながります。

自治体の補助金を使って採用サイトを作る・改修するときの考え方と進め方を、UXデザインの設計力と、ブランド構築支援の表現力の高さを強みにするWeb制作会社株式会社デパートがまとめました。

目次

採用サイトの補助金は自治体の採用支援制度から探す

採用サイトの制作に補助金を使いたいなら、国の補助金より、県や市区町村の採用支援の制度から探すのが近道です。国の大きな補助金は、販路開拓や新しい事業への投資が目的なので、採用のためのWebサイトは対象になりにくいためです。

一方で、人材の確保に悩む地域の企業を支えるために、採用サイトの制作や改修を対象にした補助金を用意している自治体があります。多くは予算に限りがあり、締切もばらばらなので、所在地の制度を早めに確認しておきましょう。

国の主な補助金で採用サイトが対象になりにくい理由

Webサイト制作に使える補助金として名前が挙がる国の制度は、どれも「売上を伸ばす」「業務を効率化する」ことが目的です。採用はその目的から外れるため、採用サイトの費用は対象になりにくくなっています。

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制度

制度の目的

採用サイトの扱い

小規模事業者持続化補助金

販路開拓(お客さまを増やす取り組み)

販路開拓が目的のため、採用のためのページは対象になりにくい

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

新しい事業への投資

対象は新事業のPRに使うWebサイト。会社全体のPRや採用ページは対象外

デジタル化・AI導入補助金

登録済みITツールの導入

Webサイトの制作費は対象外。登録された採用管理ツールなどは対象になる場合がある

厚生労働省の雇用関係の助成金

雇い入れや人材育成、働く環境の改善

Webサイトの制作費は、対象経費に含まれないのが一般的

「採用」と「Webサイト」の両方を支援する制度は、国よりも自治体のほうに多く見つかります。次の章で、そのタイプと例を見ていきましょう。

採用サイトに使える自治体の補助金の3つのタイプ

採用サイトに使える自治体の制度は、大きく3つのタイプに分けられます。

タイプ1 採用ブランディング型

採用の考え方を整理するコンサルティングと、採用サイトなどの情報発信をセットで支援するタイプです。専門家の支援を受けることが条件になっている制度もあります。

たとえば島根県の新卒採用ブランディング支援補助金は、コンサルタント費用を必須としたうえで、ホームページやSNS、動画など自社の採用媒体の制作・改修費を対象にしています。補助率は1/2、上限は75万円です。岐阜市の新卒人材採用ブランディング補助金も、採用ブランディング計画を作ることが条件になっています。

タイプ2 採用活動支援型

採用サイトの新設・改修や採用動画など、採用活動にかかる費用を幅広く支援するタイプです。

たとえば徳島県の企業等採用活動支援事業補助金は、採用のためのホームページ構築・改修やSNS、動画の制作を対象に、補助率1/2、上限50万円としています。新潟県柏崎市や東京都江戸川区にも、採用情報を載せたWebサイトの制作などに使える制度があります。

タイプ3 Webサイト作成補助型

区市町村の一般的なWebサイト作成の補助金です。会社のWebサイトを全面的に作り直すときに、採用ページを含めて計画できる場合があります。ただし、販路開拓やPRが目的の制度が多く、採用ページだけの制作は対象外になることもあります。

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自治体

制度名

補助率・上限

特徴

島根県

新卒採用ブランディング支援補助金

1/2・75万円

コンサルタント費用が必須。採用サイトや動画の制作・改修が対象

岐阜市

新卒人材採用ブランディング補助金

制度の要綱を参照

採用ブランディング計画の策定と、新卒採用の計画が条件

徳島県

企業等採用活動支援事業補助金

1/2・各区分50万円

コンサルティングと情報発信媒体の2区分。求人広告などは対象外

江戸川区

人材確保支援助成金

1/2・20万円

採用活動や採用ブランディングの経費が対象

※2026年10月時点の情報です。受付期間が終わっている制度もあるため、必ず各自治体の最新情報を確認してください。

自社の地域で使える制度の探し方

採用のための補助金は、商工や産業の窓口ではなく、雇用や若者の就職支援を担当する部署が出していることがよくあります。Webサイトの補助金だけを探していると見落としやすいので、次の順番で探してみてください。

  1. 「自治体名+採用+補助金」「自治体名+採用ブランディング+補助金」「自治体名+人材確保+助成金」で検索する

  2. 県と市区町村の両方の雇用・労働のページを確認する

  3. J-Net21の支援情報ヘッドラインやミラサポplusで、地域と「人材・雇用」の分野から探す

  4. 見つからない場合は、地域の商工会・商工会議所やよろず支援拠点に聞いてみる

見つけたら確認したいポイント

  • 対象経費に「ホームページ」「採用サイト」「情報発信媒体」などが含まれているか

  • 受付期間と、先着順で予算に達し次第終わるかどうか

  • 申請前の相談や、採用計画の作成が必要か

  • 利用が1回限りか、ほかの補助金と一緒に使えるか

  • 求人広告や就職サイトの掲載料など、対象外の費用がどれか

特に申請前の相談が必要な制度は、締切の直前では間に合わないことがあります。見つけた時点で、早めに窓口へ連絡しておくと安心です。

補助金を使う前に確かめたい費用・スケジュール・体制

自治体の補助金は使いやすい反面、金額や期間に制約があります。申請する前に、次の点を確かめておきましょう。

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判断の軸

確認すること

判断の目安

費用

補助の上限と、自己負担になる金額

補助金はあくまで一部。採用サイトに必要な予算を先に決めておく

スケジュール

交付決定から完了期限までの期間

採用活動の時期に、公開が間に合うか

体制

社員インタビューや撮影に協力できる人

現場の社員の時間を確保できるか

リスク

先着順の終了や、不採択の可能性

補助金が使えなくても、採用サイトを作るか

費用:補助は数十万円が中心

自治体の補助金は、上限が数十万円のものが中心です。採用サイトの規模によっては、補助金でまかなえるのは一部になります。補助金の上限に合わせて内容を削るのではなく、採用に必要な内容から予算を考えましょう。

スケジュール:採用の時期と年度末の期限を合わせる

多くの制度は、その年度の2〜3月ごろが事業の完了期限です。たとえば新卒採用なら、学生が企業の情報を集め始める時期に採用サイトを公開できるかを、逆算して確認しておくと安心です。

体制:社員の協力が欠かせない

採用サイトでは、社員インタビューや職場の写真がとても大切な情報になります。現場の社員に取材や撮影の時間をもらえるよう、早めに社内で声をかけておきましょう。

補助金では解決できない採用サイトの課題

補助金で費用の一部をまかなえても、それだけで応募が増えるわけではありません。採用サイトの成果を左右するのは、次の3つです。

誰に何を伝えるか

「若い人に来てほしい」だけでは、伝える内容が決まりません。どんな人に入社してほしいのか、その人は会社のどこに魅力を感じるのかを言葉にしておくことが、採用サイトづくりの出発点です。コンサルティング費用が補助の対象になる制度もありますが、答えのもとになるのは社内の声です。

応募までの道のり

採用サイトを見た人が、迷わず応募にたどり着けるかも大切なポイントです。厚生労働省の委託事業サイトでは、採用情報までの流れを整理し、エントリーフォームへ移りやすくするなどの改修を行った結果、エントリー数が前年の約2.6倍になった事例が紹介されています(LO活 for company)。見た目だけでなく、スマートフォンでの見やすさや、求人サイトとの役割分担も含めて設計しましょう。

公開したあとの更新

社員紹介や募集の情報が古いままだと、見る人に不安を与えてしまいます。補助金の対象は公開までの制作費なので、公開後に誰がどのくらいの頻度で更新するかを決めておくと、採用サイトを長く活かせます。

申請前のチェックリスト

制度選びと採用サイトの準備に分けてまとめました。社内での確認や、制作会社との打ち合わせにご活用ください。

制度選び

  • 県と市区町村の両方で、採用やWebサイトに使える制度を調べた

  • 対象経費に、採用サイトの制作・改修が含まれていることを確認した

  • 受付期間、事前相談の有無、完了期限を把握している

  • 交付決定の前に、契約や発注をしない段取りになっている

採用サイトの準備

  • どんな人に入社してほしいかを、社内で言葉にしている

  • 社員インタビューや撮影に協力してもらえる人がいる

  • 求人サイトと採用サイトで、それぞれ何を伝えるかを決めている

  • 公開後の更新の担当と頻度を決めている

「どんな人に入社してほしいか」がまだ決まっていない場合は、採用ブランディング型の制度を使って、専門家と一緒に整理するのも一つの方法です。

自社で進める範囲と外部に相談したい範囲

補助金の申請は自社で行うのが基本ですが、採用サイトの中身づくりには外部の力を借りたほうが進めやすい部分もあります。

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進めること

自社で担うこと

相談先と相談したいこと

制度探しと申請

制度の確認、申請書の作成と提出

自治体の窓口、商工会・商工会議所:対象になるかの確認

採用の考え方

求める人物像や、会社の魅力の洗い出し

採用コンサルタント、Web制作会社:魅力の言語化と伝え方の整理

採用サイトの設計・制作

掲載内容の確認、社員の取材協力

Web制作会社:情報設計、デザイン、撮影、応募までの導線づくり

公開後の運用

募集情報や社員紹介の更新

Web制作会社:アクセス解析と改善の進め方

採用サイトは、会社の魅力をどう言葉にして、どの順番で見せるかで成果が大きく変わります。補助金の要件に合わせて形だけ整えるのではなく、採用したい人に届く内容と構成を、制作会社と一緒に考えておくと、補助金を使った投資がしっかり応募につながります。

よくある質問

Q. 採用ブランディングとは何ですか?

A. 採用活動にマーケティングの考え方を取り入れて、会社の魅力をわかりやすく伝え、求める人に選ばれる状態をつくる取り組みです。誰に入社してほしいのか、会社のどこに魅力があるのかを整理し、採用サイトや説明会、SNSなどで一貫して伝えます。自治体の補助金にも、この取り組みを支援する採用ブランディング型の制度があります。

Q. 採用サイトの制作に助成金は使えますか?

A. 厚生労働省の雇用関係の助成金は、雇い入れや人材育成などが目的で、Webサイトの制作費は対象外になるのが一般的です。一方、自治体の制度には「人材確保支援助成金」のように、名前は助成金でも採用サイトの制作に使えるものがあります。名前ではなく、対象経費に採用サイトや情報発信媒体が含まれているかで判断してください。

Q. 小規模事業者持続化補助金で採用サイトは作れますか?

A. 持続化補助金は、お客さまを増やすための販路開拓が目的の制度です。採用のためのページは目的が異なるため、対象になりにくいと考えておきましょう。会社のWebサイトを販路開拓のために作り直す場合でも、採用ページの費用は分けて考え、採用支援の制度を別に探すのが確実です。

Q. 求人サイトの掲載料も補助の対象になりますか?

A. 制度によって異なります。島根県の新卒採用ブランディング支援補助金のように、新卒向け就活サイトの登録料を対象に含める制度もあれば、徳島県の制度のように、求人広告など一過性の費用は対象外とする制度もあります。採用サイトの制作費とあわせて計上したい場合は、要綱で対象経費を確認しておきましょう。

Q. 東京都で採用サイトに使える補助金はありますか?

A. 区ごとに制度が分かれています。たとえば江戸川区の人材確保支援助成金は、採用活動や採用ブランディングの経費の一部を助成しています。また、多くの区にWebサイト作成費の補助金があり、会社のWebサイトを全面的に作り直す場合は採用ページを含められることもあります。所在地の区のページで、雇用と産業の両方の制度を確認してみてください。

採用サイトの補助金は地域の制度と採用の設計を合わせて活かす

採用サイトに使える補助金は、国の大きな制度ではなく、県や市区町村の採用支援の制度にあることがほとんどです。雇用や若者の就職支援の窓口まで含めて、所在地の制度を早めに探すのが、補助金を活かす第一歩です。

ここから確認しておきたいのは、次の3点です。

  1. 所在地の県と市区町村に、採用サイトの制作・改修を対象にした制度があるか

  2. 採用活動の時期と、制度の受付期間・完了期限が合っているか

  3. どんな人に入社してほしいか、何を伝えるかが社内で整理できているか

補助金で費用の一部をまかなえても、採用サイトの成果を決めるのは、伝える内容と構成です。補助金の手続きとあわせて、採用したい人に届く採用サイトの設計を、制作会社と一緒に進めておくと安心です。

補助金の制度全体については、Webサイト制作に使える補助金・助成金2026完全ガイドで整理しています。

参考資料

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