Blog
【2024年最新】サードパーティクッキー規制とは?
サードパーティクッキー規制の基本情報
ここではまず、サードパーティクッキーと規制について解説します。サードパーティクッキー規制が自社にどのようなデメリットをもたらすか理解を深めましょう。
サードパーティクッキーとは
サードパーティクッキーとは、ユーザーがアクセスしているWebサイトとは異なるドメインから発行されるクッキーを指します。広告においてはリターゲティング広告が該当します。
リターゲティング広告とは、ユーザーのWebサイト上の行動から関心・属性が高い広告を配信するシステムです。サードパーティクッキーがあることで、ユーザーには高確率で関心・興味がある広告が表示され、企業側は精度の高いマーケティングを行えるメリットがあるのです。
参考までに、ユーザーがアクセスするWebサイトで発行されるクッキーは「ファーストクッキー」と呼びます。
クッキー規制とは
そもそも「クッキー」とは、Webブラウザに訪問したWebサイトにおける行動ログや入力したユーザー情報を一時的に保管しておく仕組みのことで、クッキー規制とは、Webサイト側がそのユーザー情報などのクッキーの利用を制限することを指します。現在、規制を受けているのはサードパーティクッキーのみで、ファーストパーティクッキーは制限されていません。そのため、自社のオウンドメディアや公式サイトを訪れたユーザーの情報は引き続き取得可能です。
サードパーティクッキーはドメインをまたいでユーザーを追跡するため、個人情報の観点から問題視されていることから、規制へとつながっています。
なお、オウンドメディアについては下記のコラムで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
https://depart-inc.com/blog/owned-media-benefits-tips/
サードパーティクッキー規制の背景
サードパーティクッキーが規制される主な背景としては、プライバシー保護の観点が挙げられます。サードパーティクッキーは広告運用において企業側とユーザー側にさまざまなメリットがあるものの、ユーザーのなかには「自分の行動を監視された」「個人情報を収集される」とネガティブな感情を抱く方も一定数存在します。そのユーザーの考えを鑑みて、規制が進んだといえるでしょう。
なお、サードパーティクッキー規制は国内だけではなく世界各地で行われています。規制においては国内よりも海外のほうが進んでおり、日本でも2022年4月から具体的な法規制が始まっています。Webコンテンツを利用する方が増えているからこそ、多くのユーザーが快適に活用できるようにとの考えから、サードパーティクッキーの規制が進んだといえるでしょう。
サードパーティクッキー規制に関する法律
サードパーティクッキー規制は、いくつかの法律と関連しています。法律への理解を深めると、どのような意図で規制が行われたか理解を深められるでしょう。ここではサードパーティクッキー規制に関する法律を2つ、概要とともに紹介します。
電気通信事業法
2023年6月に実施された改正電気通信事業法は、ユーザーに関する情報について外部送信を行うプログラム類を送信する事業者に対し、一定の規制を設けたものです。この法律では、ユーザーに関する情報を第三者に提供する場合「ユーザーへの告知公表」「同意の取得」「拒否できる仕組みの導入および周知公表」の3点が義務付けられています。
該当するコンテンツとしては下記があります。
- メッセージ
- SNS
- 電子掲示板
- 動画共有サービス
- オンラインショッピングモール
- オンライン検索サービスなど
自社で展開するコンテンツが該当していないか確認しておきましょう。
改正個人情報保護法
2022年4月に施行された改正個人情報保護法では「個人情報ではないものの個人情報の取得につながる情報」である「個人関連情報」の概念が設けられ、規制の対象に含まれました。
なお、「禁止」ではなくあくまで「規制」であるため、クッキーの取得自体は問題なく、事前にユーザーの同意を得ていれば取得してもよいのです。なお、合法的にクッキーを取得するには「Cookie使用についての同意」を自社サイトにポップアップ表示するといった取り組みが必要になります。
企業の公式サイトを訪れたときに、ポップアップで同意取得画面を見かけることもあるでしょう。
サードパーティクッキー規制が与える影響
ここからはサードパーティクッキー規制が企業に与える2つの影響を解説します。これまでクッキーを活用していた場合、広告のあり方や計測の手法について見直す必要があるでしょう。
広告配信が制限される
これまでリターゲティング広告を利用していた企業の場合、サードパーティクッキー規制の影響を強く受けるでしょう。広告の収益状況がリターゲティング広告に頼っているなら、早急に代替の戦略手段を立てなければなりません。
ユーザーの同意を得ればクッキーを取得はできるものの、拒否の数も一定数でるため影響がでるのは避けられないからです。自社のオウンドメディアやSNS戦略を加速させることが求められるでしょう。
https://depart-inc.com/blog/owned-media-renewal/
計測データの信頼性が下がる
Webサイト運用においては、ユーザーのアクセス情報をデータの一つとして参考にしているため、クッキーの使用を拒否されるケースが現れると実態とデータが乖離します。Webマーケティングにおいてはコンバージョン計測の精度がマーケティング施策の要になるため、適切なマーケティング戦略を打てなくなるでしょう。
たとえば、ECサイトの場合、商品の注文数とプラットフォーム上で表示されるコンバージョンの数が合わず、どちらを信用していいのかわからなくなってしまうことが予想されます。計測方法についても、別途改善が求められるでしょう。
サードパーティクッキー規制への備え方
ここからはサードパーティクッキー規制へ備える具体的な方法を2つ紹介します。データ取得の方法を再検討したり、CX(カスタマー・エクスペリエンス)を強化したりすることが求められます。
代替手段を検討する
企業はサードパーティクッキーの精度が落ちる以上、ほかの手段を用いてユーザーデータを取得する必要があるでしょう。
一例としては下記が代表的です。
・ゼロパーティデータ
・ファーストパーティデータ
・コンテキストターゲティング
また、現在主流であるSEO対策やコンテンツマーケティングといった広告に頼らないマーケティング施策を検討する方法もあるでしょう。サードパーティクッキー規制を受けて、施策に迷う場合はコンサルティングのサポートを受けるのも一つの手です。
CXを強化する
サードパーティクッキー規制の影響により、広告のターゲティング制度が下がることは避けられません。そのため、LPの改善やカスタマージャーニーの導入など、顧客との接点や満足度を向上させる施策が必要です。
サードパーティクッキーに対しては厳しい規制が課せられていますが、自社で集めたファーストパーティクッキーは規制の対象外です。そのため、いかにしてファーストパーティクッキーを有効活用または効率的に収集するかが、今後は重要となるでしょう。