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コピーライティングとは?顧客の心理に訴えるコツを解説
2024.10.22 更新 / 2023.10.11 公開
コピーライティングとは
コピーライティングとは、広告・宣伝の文言を作成することや技術を指します。たとえば、テレビコマーシャルで見かける売り文句や企業をイメージさせる文言、ホームページのキャッチコピーなどがコピーにあたります。
言葉で読み手の興味を引き付け、心を動かして具体的な行動へと結び付けるためには、コピーライティングの観点が重要です。
Webサイトにおけるコピーの役割
Webサイトにおけるコピーは、商品・サービスの魅力を端的に伝え、具体的なアクション(購入や申し込み)へとつなげることを役割としています。言葉の力で読み手の気持ちを動かし、実際に「利用してみたい」「手に入れてみたい」と思わせるには、コピーライティングに関する知識や技術が欠かせません。
セールスライティングとの違いは「売る」
コピーライティングは自社の魅力や価値を伝えることに重きを置き、「自社に興味を持ってもらう」という観点で作成します。一方で、セールスライティングは「商品を売る」という観点が強い特徴を持ちます。
そのため、セールスライティングのテキストは長めであり、ストーリー性があるものが多い傾向です。ターゲットもある程度、自社の商品やサービスを認知しているため、前提知識がある状態で「買ってもらう」につなげる文章を目指します。
有名なコピーライティングの実例
私たちの身の回りには、非常に多くのコピーライティングがあります。普段何気なく目にしているテキストも、実は購入の際に「買おう」と思わせるきっかけになっているかもしれません。下記にいくつか著名なものを記載します。
制作者 |
フレーズ |
商品やサービス |
糸井重里 |
このへんないきものはまだ日本にいるのです。たぶん。 |
映画「となりのトトロ」 |
佐々木宏 |
そうだ、京都、行こう |
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) |
仲畑貴志 |
目のつけどころが、シャープでしょ。 |
SHARP |
コピーライティングは店頭やコマーシャルなどさまざまな場面で見かけますが、どのフレーズも記憶に残り、かつ商品やサービスを的確に表す共通点があるのです。短いフレーズではあるものの、商品やサービスに興味を持ってもらうきっかけになり得ます。
コピーライティングの種類
Webサイトにおけるコピーは、「キャッチコピー」「リードコピー」「ボディコピー」「クロージング」に大別することができます。サイトの性質や目的によって構成は異なりますが、キャッチコピーとボディコピーは基本的に欠かせないパーツとなります。
ここでは、主なコピーの役割や内容について見ていきましょう。
キャッチコピー
「キャッチコピー」とは、ユーザーの注意や関心をひきつけるためのコピーです。イメージコピー、ブランディングコピーなどとも呼ばれ、企業や商品のイメージを印象付けるために重要な役割を果たします。
キャッチコピーはテレビなどのコマーシャル、Web広告などのほかに、商品名そのものやホームページのタイトルなどにも使われます。キャッチコピーに求められるのは、短いフレーズで読み手の心をつかむまとまりの良さと語感の良さです。
Webサイトの場合は、ユーザーが最初に目にする部分に用いられることも多いため、キャッチコピーの質でページ全体を読んでもらえるかどうかが左右されます。そのため、商品購入や利用申し込みといったコンバージョンにつなげるうえでも、キャッチコピーに力を入れることは重要なプロセスです。
リードコピー
リードコピーとは、本文を要約したコピーのことであり、リードテキストと呼ばれることもあります。本文にあたるボディコピーは、どうしても文章量が長くなってしまうため、読み手によっては敬遠されてしまうリスクがあります。
そこで、ボディコピーを簡単に要約して紹介したり、ボディコピーでどのようなことが知れるのかを示したりして、スムーズに本文へ誘導するのがリードコピーの役割です。そうした意味では、キャッチコピーとボディコピーの橋渡しをするのがリードコピーであるともいえるでしょう。
なお、あくまでもボディコピーへの誘導がメインの役割となるため、基本的にはキャッチコピーよりも目立たせて表現されることはありません。ただし、本文と同化しないよう、ボディコピーよりは少し大きめの文字サイズに整えるケースが多いです。
ボディコピー
ボディコピーとは、商品・サービスの説明や特長をアピールするためのコピーであり、「本文」や「本文コピー」と呼ばれることもあります。Webサイトにおいては、文字通り本体にあたる部分であり、通常、テキスト量はもっとも多くなります。
じっくりと読まれる場合も想定して、内容はしっかりと作り込む必要がありますが、冗長にならないように心がけることも重要です。なお、文字の大きさはその他のパーツと比べると小さく設定し、見た目の上で圧迫感が生まれないようにする必要があります。
また、ボディコピーが長くなる場合には、最後まで読み手に読んでもらえるケースはまれです。適宜「見出しコピー」を用いて、本文の内容がなんとなくわかるように整え、必要な情報のみを詳しく読んでもらうといった工夫を凝らすのも大切です。
クロージングコピー
クロージングコピーとは、ページの最後を締めくくるパーツであるとともに、ユーザーを具体的なアクションへと誘導する重要なコピーでもあります。ユーザーの背中を押し、自然な形で購入や申し込みへ促す役割を担うため、コンバージョン率を直接的に左右するポイントともいえるでしょう。
効果的なキャッチコピーを作るためのコツ
どれだけ有益な情報を発信していたとしても、読み手に関心を持ってもらえなければ、売上や成約率のアップにはつながりません。読み手の興味を引き付けるためにも、まずは優先的にキャッチコピーのクオリティを高めることに注力しましょう。
ここでは、有効なキャッチコピーを作成するためのコツをご紹介します。
ターゲットを明確にする
まずは、自社の情報をどの層に届けたいのか、ターゲット設定を明確に行うことが大切です。ターゲット設定については、以下のように細かく具体的に検討する必要があります。
×誰でも英語の基礎的な力が鍛えられる 〇ビジネス英語に不安がある新社会人でも1ヶ月でTOEIC650点がとれる |
自社の商品・サービスに応じて、どのような悩みを持つユーザーにもっとも適しているのかを考えることで、キャッチコピーの方向性がハッキリと固まっていくでしょう。
数字を効果的に用いる
キャッチコピーについては、あいまいな表現よりも、数字を用いた具体的な表現を用いるのが基本です。前述のように、キャッチコピーは端的に商品・サービスの強みや魅力を訴求できるものでなければなりません。
短いテキストで興味を引き出すために、数字は大きな効果を発揮します。たとえば、以下のように具体的な数字を用いたほうが、読み手はその効果をイメージしやすくなるでしょう。
×多くの方に愛用されてきた化粧水 〇売上本数100万本の化粧水 |
×売上の急激な改善につながったフレームワークの秘密 〇売上が前年比150%に伸びたフレームワークの秘密 |
数字を用いるコピーは、効果的である反面、根拠のないものは誇張した表現と捉えられてしまい、紹介を行う商品・会社の信頼を失うことに繋がってしまう可能性があります。
「具体的な数字」には裏付けとなる資料や根拠を示すとよりよいでしょう。
メリットよりもベネフィットを伝える
コピーライティングでは、メリットではなくベネフィットを伝えることも重要です。商品やサービスの作り手としては、その機能や特長といったメリットを紹介したいと考えるのが自然な発想ですが、読み手がメリットそのものに魅力を感じるケースはそれほど多くありません。
それよりも、「その商品を買うことでどのように悩みが解消されるのか」「そのサービスを使うことでどのような効果が得られるのか」といった読み手視点のベネフィットに寄り添った表現が重要です。読み手が自分にどのような関係があるのかをイメージすることで、はじめて具体的なアクションを引き出しやすくなるのです。
商品やサービスを分析する
キャッチコピーを作る際は、伝えたい商品・サービスの特徴を分析し、どのような強みやアピールポイントがあるかを見極める必要があります。分析の中で「他の商品と自社の商品はどう違うのか」を見出すことが大切です。また、商品の強みとあわせて「どのように顧客の役に立てるか」もあわせて考えましょう。 顧客は自身の悩みを解消したりよりよい生活を目指したりするために、商品やサービスを検討します。そのため、自社の強みと顧客のニーズをかけあわせたフレーズをイメージしましょう。
人の心理に着目する
コピーライティングでは人の心理に語りかけ「買うべき」と思わせる必要があります。どのような言葉がターゲットに刺さるのかを分析し、キャッチコピーを作成しましょう。 なお、はじめてコピーライティングを行う場合、どのように言葉を選べばいいかわからなかったり迷ったりします。どのようなフレーズが刺さるのかは、上手なコピーライティングを真似ると良いでしょう。有名なコピーライティングを見ているうちに、魅力的な言葉選びができるようになったりリズムを意識したフレーズを作成できるようになったりします。
コピーライティングの具体的な手法を解説
ここからは、ターゲットに刺さるキャッチコピーを作る際の具体的な手法を紹介します。6つのポイントを意識して文章を組み立てましょう。
1.訴求
訴求はもっとも使われる手法です。ユーザーの悩みを商品やサービスでどのように解決するのか、また利用するとどのようなメリットがあるのかを伝えていきます。なお、的確な訴求を行うには、事前にターゲットを明確にする必要があるでしょう。
2.ベネフィット
ベネフィットをダイレクトに記載する手法も有効です。商品やサービスを購入することで得られるベネフィットをできるだけ具体的に紹介すると、ターゲットに魅力が伝わりやすいでしょう。テキストの粒度としてはユーザーが簡単に商品を使ったシーンがイメージできるレベルを目指します。なお、人の心を動かすテキストを作成するには、「自分が商品を使っているイメージを持てるか」が欠かせないポイントです。
3.プライス
多くのターゲットが注目する価格(プライス)をアピールするテキストも、購買意欲を高めるために効果的です。「【登録された方限定】」「今だけ◯◯%オフ!」など、プライス面での優位性を訴求しましょう。
どれだけ商品が魅力的でも、価格で購入を躊躇するケースも多く見られます。プライスはベネフィットとして強い要素のため、他社と比較して優位性がある場合は積極的にアピールしましょう。
4.実績やデータ
すでにリリースされている商品やサービスの場合は、実績を伝えるとユーザーの安心感が高まるメリットがあります。多くのターゲットは評判が良かったり実際の販売実績が良かったりするものを選択したいと考えています。だからこそ、商品やサービスを検討する際に明確なデータがあると信憑性が高まるでしょう。
実績をテキストでアピールすることで、この商品は期待できると思ってもらえます。どれだけ販売実績があったとしても、ターゲットが見かける文言に具体的な実績が載っていなければ正しく魅力を伝えられません。「年間販売数〇〇万本」「リピーター◯%」など具体的な数値をテキストに記載しましょう。
5.専門性や権威性
商品やサービスの権威性や専門性が高いと、顧客は安心して購入できます。キャッチコピーには「〇〇さんも愛用!」「専門家の〇〇さんも推薦!」など権威性が高い人を採用すると購買意欲を高められるでしょう。
専門家が監修している場合は、その旨をコピーライティングでアピールします。もしも具体的なデータがある場合は、その数値と権威性が高い人物を組み合わせる方法もあります。実績やデータ、専門性や権威性はコピーライティングの際に意識したいポイントです。
6.限定感
購買意欲を高める際に、限定感をアピールすると良いでしょう。多くのユーザーは「期間限定」「特別に」といったフレーズに弱い特徴があります。具体的には「【〇〇エリア限定】」「▲▲風味の〇〇」といったものが挙げられます。今しか購入できない、ここでしか購入できないといった限定感があるのであれば積極的にアピールしましょう。参考までに、限定感をアピールするのは、商売で必ず使われている手法です。マーケティングにおいてはさまざまなシーンで利用できます。
効果的なコピーライティングを作るためのコツ
続いて、有効なボディコピーを作成するためのコツも見ていきましょう。
誰でもわかる平易な表現を心がける
ボディコピーは商品・サービスの具体的な内容を紹介することから、どうしても専門用語の量が増えてしまいがちです。しかし、Webサイトを訪れる読み手の知識量や関心の度合いはバラバラであるため、専門用語が頻出すれば途中で離脱されてしまうリスクが高くなります。
そのため、基本的には専門用語をできるだけ減らし、用いる場合には丁寧に補足説明をつけるなどの工夫が必要です。
アンサーファーストを意識する
文章量が多くなりやすいボディコピーでは、離脱を避けるためにも、最初に結論を述べることが重要となります。まず結論を明快に提示し、そのうえで結論に至るまでの過程や根拠などを丁寧に並べていくほうが、読み手としてはストレスを感じにくくなります。
有名なコピーライティングを真似てみる
魅力的なフレーズが思いつかない場合は、評判が良いコピーライティングの真似をして力を付ける方法がおすすめです。たとえば、世間で流行った言葉や自分の中で印象的なキャッチコピーなどがあります。すでにあるものを原型とする場合、コストをかけずコピーライティングが上達するメリットがあるでしょう。
ただし、すでにあるコピーライティングを真似て練習するのは問題ありませんが、実用化するのは避けましょう。「盗作だ」とみなされ、大きなトラブルに発展する可能性があります。
いくつもコピーライティングを作ってみる
真似るだけでなく、実際に自分でコピーライティングを作成し、実践を積み重ねることも重要です。ある程度、既存のコピーライティングを真似ていく中で、キャッチーな型式がつかめてきます。真似る段階を終えたら次は実践に進みましょう。すべてのものごとにおいて「わかる」と「自分でできる」は異なります。自社で扱う商品やサービスでコピーライティングをいくつも作り、魅力的なテキストを作成していきましょう。