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目次
ECサイトで買い物を行う顧客が増えていることから、サイトの高速化を始めとしたUIやUXが求められています。UIやUXは顧客の満足度を高めるために欠かせない要素のため、現在「ECサイトの表示速度が遅い」という場合は改善が求められるでしょう。 今回は、ECサイトの高速化を行う際に知っておきたい具体的なポイントを紹介します。担当者自身でできることから始めて、難しい場合は制作会社への相談もおすすめです。
ECサイトの表示速度の高速化が必要な理由
ここではまず、ECサイトを高速化すべき理由を3つ紹介します。ECサイトの高速化は顧客の離脱率を下げるだけでなく、サーバーの負荷を減らすためにも重要です。
ECサイトの離脱率が減少する
ECサイトの高速化は顧客の満足度を高めるために欠かせません。顧客がECサイトにアクセスし、サイトの表示時間が長くなると離脱率が高くなる傾向にあります。自分が求める情報までの表示速度が遅いと、別のサイトに移動されてしまう可能性があるでしょう。
近年はネットの高速化が進むことから、人によっては表示が毎回遅いとイライラしてしまい、他の見やすいサイトを利用するようになってしまうのです。どれだけ魅力的な商品であっても、ECサイトの利便性が悪ければ顧客離れが進むでしょう。
ECサイトのPV・CVRが向上する
サイトの表示速度が遅いと目的にたどり着く前に離脱が発生し、PV・CVRが下がってしまう可能性があります。PVはプレビュー数を表し、顧客がサイトを閲覧した数値です。一方で、CVRは顧客が問い合わせや商品購入など実際の行動につながった割合を表します。
なお、ECサイトの高速化と顧客の行動については関連性があり、あるサイトでは、100ミリ秒の速度低下により最大7.1%のCVRが低下すると伝えています。一方で、0.1秒表示速度が改善されると約7%CVRが改善されるといわれているため、ECサイトの高速化は顧客の行動変容に重要な要素であるといえるでしょう。
サーバーでの処理の負担が改善される
ECサイトの高速化がなされると、サーバーの処理負担が軽減されます。ECサイトの処理速度が遅くサーバーに負荷がかかると、サイトが停止してしまう可能性もあります。一時的にサイトが利用できなくなると、商品やサービスの購入回数が減り、自社の売り上げは大きな打撃を受けるでしょう。ECサイトの高速化によるサーバーの負担減少は、サイトをスムーズに運営し、売り上げを維持するために欠かせない要素です。
ECサイトを高速化させるためのポイント
ここからは、ECサイトを高速化させるために知っておきたい7つのポイントを紹介します。いくつかの方法からできるものに取り組んでみましょう。
画像ファイルの圧縮・軽量化
まずはサイト上にある画像に着目します。画像のファイルの量とサイズが大きいと、表示速度の低下を招く要因になりえます。商品画像の量を減らすのではなく、次世代画像フォーマット(WebP・AVIF)への変換がおすすめです。
次世代画像フォーマットでは可逆式圧縮で画質を維持したまま、かつ高い圧縮率によって画像ファイルを軽量化できるため、コンテンツの質を落とさずに高速化ができます。
また、複数コンテンツで重複している画像を共通化して数を減らすのも一つの手段です。さらに、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)サービスを利用すると、画像コンテンツも安定的に配信できるため検討してみましょう。
JavaScript・CSSの整理
ECサイト内でJavaScript・CSSの記述が多いと、ファイルサイズが大きくなり表示速度が遅くなる傾向があります。JavaScript・CSSがHTMLの読み込みを邪魔してしまい、表示速度が下がってしまうのです。特定のページのみに必要なCSSをほかのページで読み込んでいる場合も動作が鈍くなります。
こちらは高速化が目指せるものの、コード不要な表示がないか確認して削除していく作業が必要で、専門的な知識が求められます。そのため、安易に触るのは避けたほうが賢明でしょう。
Webフォントの調整
ECサイトにおいては、フォントの種類も高速化を阻む原因になりえます。Webフォントの種類が多いほど、表示速度は遅くなる傾向があります。もしも見出しのみにしか使っていないフォントや数字部分にしか使っていないフォントがあれば、共通のものに統一すると高速化を図れるでしょう。なお、パターンが限られているものは、画像ファイル化したほうが軽量化になるケースもあります。
ECサイトページの体感速度の上昇
ECサイトページの体感速度を上昇させることで高速化が図れます。具体的には「レンダリング」という、数値データをユーザーにわかりやすく表示させる仕組みが挙げられます。この際、読み込みの遅いファイルを先頭に置いてしまうと、その後のすべての表示が止まってしまうので注意が必要です。
体感速度を上昇させるには画像、CSS、JS、Webフォントの配置に気を付けることが大切です。また、レンダリングブロックを後に回すことで、閲覧できる範囲を広げ体感スピードも上昇させられるでしょう。
ブラウザキャッシュの利用
キャッシュとは、閲覧したページを一時的に保存し、次に表示したときに早く表示する仕組みです。キャッシュを設定すると、同じサイトに複数回アクセスしたときに再読み込みの手間がなくなるため、スピーディにサイトを表示できるようになります。
なお、キャッシュの期間は設定により変更が可能です。ECサイトは商品在庫のリアルタイム性が求められるため、キャッシュの期間を長くしすぎるといざ購入するタイミングで在庫切れという状態になる可能性が考えられます。そのためキャッシュの設定を適切に行い、どのデータをキャッシュさせるかの設計もあわせて行いましょう。
外部サービスや広告タグの見直し
ECサイトが遅くなる原因として、外部サービスや広告の効果測定用タグが影響している可能性も考えられます。どれだけコンテンツ内で改善を図っても、外部が要因の場合は効果が見込めないでしょう。一般的に外部サービスはJavaScriptで動作しているものが多いため、利用を停止した外部サービスや広告の測定タグは削除するのがおすすめです。
集客の観点から広告タグを多く用意していても、適切に管理しないと徐々に種類や数が増えてしまい、悪影響を及ぼすこともあります。
優先順位の低いコンテンツの削除
長く運営しているECサイトはコンテンツが蓄積されページが長く、そして重くなっている傾向があります。そのため、現在活用していない不要なコンテンツは削除しましょう。例えば、販売していない商品ページや、過去に紹介していたサービスのランディングページなどが挙げられます。
なお、コンテンツを削除する際はユーザー目線になり、必要な情報を残して整理することが大切です。自社では「すでにわかりきった情報だからこのコンテンツは不要だろう」と考えていても、初めて訪れた顧客にとっては必要な情報の可能性もあります。
コンテンツの削除だけでなく、ページのデータ量を小さくすることでサイトの表示速度が改善されるケースもあるため、残すべきか迷った場合はページを軽くする取り組みもおすすめです。
まとめ
近年は店舗で商品を検討するだけでなく、ECサイトで確認し購入まで進む顧客が多く見られます。そのためECサイトの高速化は非常に重要なポイントといえるでしょう。
高速化はいくつかのポイントを押さえると自社で進められますが、コードの変更やコンテンツの削除などは専門知識が求められるため、悩ましいポイントです。もしもサイトの高速化がうまくいかない場合は、制作会社にアドバイスを求めるのも良いでしょう。
株式会社デパートでは、ECサイトの高速化を始めとした顧客が使いやすいサイト構築のサポートを行います。ECサイトを立ち上げたものの運用がうまくいっていない場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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