【要件定義書テンプレートあり】Webサイトリニューアルの要件定義とは?手順や必要な項目を紹介

2024.07.092025.04.21
目次

昨今、企業価値や取り組みを広く伝えていくために、各企業の公式Webサイト・ホームページの重要性が高まり続けています。それに伴い、現状のブランディングやコンテンツ、サイト構造では効果が期待できていない場合、Webサイトリニューアルが必要になるでしょう。

しかし、サイトのリニューアルは闇雲に行うのではなく、しっかりとした要件定義を行ったうえでの着手が欠かせません。要件定義とは、実現したいWebサイトの仕様を明確にし、関係者と共有するプロセスです。この段階での適切な情報収集と課題の整理が、成功するリニューアルのカギとなります。

今回はサイトのリニューアルにおける要件定義や必要な項目を紹介します。自社サイトのリニューアルを検討する方は、要件定義書の作成手順を学びましょう。

サイトリニューアルにおける要件定義の内容とは

ここでは自社のサイトリニューアルを実施する前に、知っておきたい要件定義や周辺知識について解説します。リニューアルはただ業者に依頼するのではなく、自社でも要件定義を行ったうえで進めるとミスマッチを減らし進められるでしょう。

要件定義は、Webサイトの制作やリニューアルにおいて何を実現したいのかを明確にし、関係者と共有する重要なプロセスです。これにより、各関係部署が同じ目標に向かって進むことができ、後のスムーズな制作につながります。

具体的には、現状の分析や課題の整理、そしてそれに基づく方向性の設定が不可欠です。これらを通じてターゲットを明確にし、実際の制作における機能やデザインの基盤を構築します。また、合意形成を重視することで、制作に関わる全てのメンバーが共通の認識を持つことができ、意見の食い違いによる混乱を防ぎます。

さらに、要件定義書には背景や目的、スケジュール、実装機能、デザイン要件などを詳細に盛り込むことが重要です。この過程を経ることで、リニューアル後のWebサイトが持続可能で、運用保守に耐えうるクオリティを持つことが期待できます。しっかりとした要件定義を行い、自社サイトのリニューアルを成功させましょう。

要件定義書とは

サイトリニューアル時の要件定義とは、リニューアルの目的やサイトのコンセプト、必要な機能やかけられる費用などの詳細を整理することです。 要件定義を行うと、自社だけでなく制作を依頼する会社との認識を合わせる際も役立つでしょう。要件定義が曖昧な状態でサイトのリニューアルを実施すると、イメージに沿ったリニューアルが行えなかったり、費用をかけたにもかかわらず失敗に終わったりする可能性があります。

要件定義の内容をまとめたものを要件定義書といい、社内で共有するほか業者に提出します。 要件定義書には、サイトの背景や目的、ターゲット、具体的な機能やデザイン要件、スケジュール、予算などが含まれ、全体の骨組みを形成します。これにより、プロジェクトに関与するすべてのメンバーが同じ理解を持ち、制作をスムーズに進められる環境を整えることができます。要件定義書は、プロジェクトの進行中における判断基準としても利用できるため、できるだけ詳細に作成することが望ましいです。 また、要件定義書の整備が十分であれば、後のステージで発生する可能性がある混乱を未然に防ぐことができます。

これらの理由から、要件定義はサイトのリニューアルにおいて非常に重要なステップだといえるでしょう。

RFPとは

要件定義書とあわせて聞く機会の多いRFPは、自社から制作会社に対しての依頼内容をまとめた文章です。提案依頼書とも呼ばれ、要件定義と重複する内容も多く見られます。要件定義書もRFPも、制作会社に対して自社の目的や具体的なイメージを伝える目的を含んでいます。

項目

RFP(提案依頼書)

要件定義書

作る人

発注者

発注者と制作会社・開発会社

タイミング

・制作会社に声をかける際
・制作会社を選定する際

・実際にサイト制作が始まる前

内容

ざっくりした要望・条件
例)概要(目的や背景、課題、運用予定、納期、予算、現在のシステム情報 など)
提案依頼内容(依頼内容、依頼範囲、機能要件・非機能要件、体制、成果物、実績 など)

具体的な機能や仕様
例)プロジェクトのスケジュールや体制、サーバー要件、インフラ構成、サイトの機能、使うCMS、デザインの方向性、ページ数、運用方法 など

目的

提案・見積もりをもらう

・プロジェクト全体の骨組みとなる
・認識を合わせてミスを防ぐ

RFPは、明確なコミュニケーションを促進するための重要なツールです。特に、複数の制作会社に提案を依頼する場合、明確に要件を記載することで各社からの提案の質を向上させることができます。これにより、比較検討の際にも具体的な基準が整い、より適切な選択が可能になります。 以下の記事でRFPについての説明と書き方をポイントを抑えながら紹介していますので、ぜひ参考にしてください。わかりやすいRFPを書いて、制作会社から良質な提案を出してもらいましょう。

RFPとは?必要な項目やサンプルをご紹介

システム開発やリプレイスの際、RFPと呼ばれる文書を作成します。しかし、RFPがどのような役割を持っているか詳しく知らない方もいるでしょう。本記事では、RFPの目的や必要な項目を紹介するとともに、具体的にどのような内容を記載すればよいかサンプル文を紹介します。理想のシステムを導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

サイトリニューアル時の要件定義までの手順 7ステップ

サイトリニューアル時の要件定義までの手順 7ステップ

まずは現状の分析を行い、リニューアルの目的と目指すべき方向性を明確にすることが大切です。自社のサイトにおける課題を特定しないことには、リニューアルの軸が最初からぶれてしまいます。 関係者との合意形成を行い、要件定義書をまとめていく過程では、それぞれの意見を聞きながら調整し、最終的な内容を確認することが重要です。 手間はかかりますが、サイトリニューアルで効果を出すためには、自社にてしっかりと手順を踏むことで、サイトリニューアルが成功につながるだけでなく、後の運用まで見据えた高品質な成果物を得ることができます。

1. 現状の分析

サイトリニューアルを進めるにあたり、最初に行うべき重要なステップが現状の分析です。このプロセスでは、現在のWebサイトの性能、ユーザー行動および訪問者のインタラクションを詳細に調査します。具体的には、アクセス解析ツールを活用し、訪問者の流入経路や離脱ポイントを特定。これにより、どのページが効果的か、またどの部分に課題が潜んでいるのかを視覚化します。

さらに、ユーザーフィードバックやアンケートを通じて、利用者が感じる利便性や不満点を収集することも欠かせません。この情報収集は、実際のユーザーの視点を反映するため、リニューアルに対する具体的なニーズを捉える手助けになります。結果的に、現状の分析を通じて、サイトの強みと弱みを把握し、リニューアルに向けた明確な方向性を定めることが可能になります。全体を通じた戦略的かつデータに基づいた取り組みが、成功の鍵となるでしょう。

サイト解析のやり方は?主な分析の手法やチェックすべきポイントについて解説

「サイトを立ち上げたものの、思うような成果があがらない」「改善の必要は感じていても、具体的な方向性が見えていない」といった場合には、サイト解析によって客観的な現状把握を行うことが大切です。今回は、サイト解析の目的や、具体的な方法について解説します。 また、解析を行ううえで、優先的にチェックすべきポイントはどこなのかという点も併せて見ていきましょう。

Web分析のやり方とは?おすすめツール4選も紹介

Webサイトを運用するうえでは、効果を検証するためにも定期的な分析が欠かせません。サイトを訪れるユーザーの心理やトレンドは常に変化していくため、PDCAサイクルによって現状のチェックと改善を重ねていく必要があるのです。 今回はWeb分析の具体的なやり方と活用したい無料ツールをご紹介します。どのようなポイントに絞って分析していくべきか、効率的な方法を身につけましょう。

2. 課題の明確化

リニューアルに向けて、自社サイトの課題を明確にすることが不可欠です。データ分析を通じて、伸び悩んでいる部分やネガティブな情報に焦点を当て、どのようにリニューアルを進めるかを検討します。複数の課題が浮かび上がった場合、優先順位を設定することで、必要な改善点や追加すべきコンテンツが明確になります。

課題を明確にする際には、ユーザーのニーズや市場トレンドを考慮し、競合サイトの分析も行いましょう。このプロセスによって、自社がどのように差別化できるかを見出します。また、Webマーケティングの目的と照らし合わせ、受注数や利益向上のために不足している要素を考えることが重要です。社内のさまざまな部門から意見を集めることで、より多面的に課題を捉えることができます。

定量調査と定性調査の両方を実施することで、顕在的な課題の規模やトレンドを把握しつつ、潜在的な課題についての深い理解を得ることが重要です。こうした情報をもとに、具体的な改善策を策定することで、リニューアル成功の道筋が確立されます。

3. 方向性決めとリニューアルするページの整理

課題を洗い出したら、どのようなリニューアルを進めるか方向性を定めましょう。 課題を解決するためにサイトにコンテンツを追加するのか、既存ページを改めるのか、具体的な方法に落とし込んでいきます。 例えば、商品紹介のページの閲覧数や滞在時間が短い場合、情報が不足していたり見にくかったりといった課題が浮かび上がります。その場合は既存ページの充実を図りましょう。 一方で、サイトに情報量が足りない場合はコンテンツの追加を検討しましょう。

さらに、ユーザーのニーズや行動パターンを基に、リニューアルの方向性を決めることが重要です。 例えば、特定の商品の人気が高まっている場合、その商品に関する特集ページを設けるなどして、関連コンテンツの強化を図ることができます。 これにより、ユーザーの関心をさらに引きつけ、サイト全体のエンゲージメントを向上させることができるでしょう。

また、リニューアルするページの整理を行う際には、全体のサイトマップを見直し、情報の階層構造やナビゲーションの使いやすさにも注意を払いましょう。 最終的には、ターゲットユーザーにとって有益な情報を効果的に提供できるよう、ページの構成を明確にすることが重要です。

4. RFPの作成

具体的な行動方針が決まったら、RFP(提案依頼書)の作成を行います。 これまで集めた情報や課題を整理し、明確な形にまとめることが重要です。書類にはターゲットユーザーや市場動向を含め、データを基に客観的な内容を心がけます。また、関係者の意見を反映させることでプロジェクトへの参加意識を高め、合意形成を促進します。 RFPは、制作会社に対し必要な情報を提供することを目的としています。そのため、内容は具体的でなければなりません。プロジェクトの目的や要件を明確に示すことで、制作会社が適切な提案を行いやすくなります。 最終的には、RFPの実施がリニューアルプロジェクト全体の成功に結びつくとも言っても過言ではありません。

5. 関係者との合意形成

リニューアル内容が固まったら、次に社内でプレゼンテーションを実施し、「社内からの合意」を得ることが重要です。このステップでは、サイトリニューアルの「目的・メリット・リスク・コスト」などの情報をしっかりと共有しましょう。もし合意が得られない場合、リニューアルの進行中に上層部や各部署からの意見が増え、作業が中断されるリスクがあります。プロジェクトをスムーズに進めるためには、必要な人物に事前に合意を得ておくことが必要です。

合意が得られた後も、定期的に進捗を報告し、関係者とのコミュニケーションを図ることで、プロジェクトへの信頼感を高めることができます。このように関係者の意見やニーズを取り入れておくことが、リニューアルプロジェクト全体の支持を高める大きな要因となります。プロジェクトを円滑に進めるためには、関係者全員が同じビジョンを持つことが鍵です。

6. 委託先の決定

委託先の決定段階では、信頼できるWeb制作会社や開発会社の選定が重要です。まず、プロジェクトの要件に限らず、過去の実績や提案の質、コスト、コミュニケーションのスムーズさを総合的に評価します。複数の制作会社からの提案を受け、自社のニーズに最も適した企業を見つけるために、比較検討を行います。このプロセスでは、提案内容が自社のビジョンや要件に合致しているかを重視しましょう。最終的に、選定した委託先との相互理解を深めることで、プロジェクトの円滑な進行と高品質な結果を得ることが期待されます。

7. 要件定義書の作成

リニューアルプロジェクトの最終段階として、これまでの調査や合意を基に具体的な要件定義書に落とし込んでいきます。要件定義書には、プロジェクトの背景、目的、ターゲット、スケジュールから、サーバー要件、インフラ構成、サイトの機能、デザインの方向性、ページ数、公開後の運用方法などより具体的で詳細な情報を、定義していきます。 明確かつ具体的な記載を心がけることで、プロジェクト全体の骨組みとなり、円滑な進行が期待できます。

要件定義書は、自社で記載していく場合と、制作会社にて用意する場合もありますので、必要に応じてRFPの時点で要望として盛り込むようにしましょう。

要件定義書に必要な項目とは?

ここからは要件定義書に記載する項目を紹介します。7つの項目を一つずつ定めていき、サイトリニューアルに見通しを持ちましょう。要件定義が自社で困難な場合は、制作会社のサポートを受けるのもおすすめです。 制作会社に依頼する際に併せて確認しておきたい項目については、以下の記事もぜひ参考にしてください。制作会社がヒアリングすべきという視点で、項目をまとめたテンプレートもご用意しています。

Web制作案件成功のカギは「初回ヒアリング」にあり! 失敗の原因と成功のための3つのポイント【テンプレート付き】

実際に弊社が使用しているヒアリングシートもご紹介しながら、初回ヒアリングで意識すべきコミュニケーションのポイントについて、詳しく解説していきます。Web業界の方に限らず、クライアントワークに従事するさまざまな方に実践していただける内容です。ぜひ参考にしていただき、プロジェクトや営業の成功に繋げてください!

サイトリニューアルの背景と目的

まずは、なぜサイトをリニューアルするか背景と目的を明確にします。分析したデータを利用するのはもちろん、サイトを実際に利用する顧客の声や従業員のアドバイスを取り入れるのも良いでしょう。データや意見から集めた課題をまとめ、リニューアルする目的を決定します。目的を設定すると、ゴールから逆算してすべきことが見えてくるでしょう。

さらに、リニューアルの目的は具体的な成果につながるように設定することが重要です。たとえば、売上向上やユーザーエンゲージメントの向上、あるいはブランディング強化など、具体的な目標を持つことでプロジェクトの進行がスムーズになります。また、リニューアル内容が目的を達成するものであるかどうかを評価するためのKPIなどの指標も考えておくと良いでしょう。これにより、リニューアル後の効果測定がしやすくなり、次回以降の改善活動にも役立ちます。

サイトリニューアルの背景と目的

ターゲット・コンセプトの明確化

次にサイトのターゲットやコンセプトを明確にします。すでに設けられている場合はブラッシュアップを行います。

ターゲットユーザーのニーズや興味を把握するためにリサーチを行うことも重要です。調査やインタビューを通じて、彼らが求める情報やサービスを深く理解し共感しましょう。

さらに、サイト全体のコンセプトも決めていきます。 サイトの鍵を握るコンテンツに関しても、ターゲットユーザーが価値を感じる情報やストーリーを伝えることを意識し、彼らの期待を超える体験を提供できるよう努めましょう。 また、ターゲットが好むデザインやカラー、コンテンツの配置など細部までイメージを膨らませましょう。これにより、ターゲット層に支持されるサイト作りが可能になります。

サイトリニューアル費用

おおよそのイメージが固まったら費用を算出します。 制作会社に依頼する場合は、RFPの時点である程度の予算感を伝えながら、複数社で見積もりを出してもらい、おおよその金額を把握します。

リニューアルにかかる費用は、サイトの規模範囲によって大きく異なります。制作会社に依頼する場合は、ただリニューアル費用として考えるのではなくディレクション費やサイト設計費、デザイン費など項目分けして予算を立てましょう。自社にて内製化する場合は、人件費やサーバーの導入費用など必要経費を見積もりましょう。

また、予算を設定する際には、想定外の追加費用も考慮しておくことが重要です。リニューアル後の運用コストやメンテナンス費用も加味し、長期的な視点でのコスト計算を行いましょう。

早めに予算を確定させることで、プロジェクト全体のスケジュール管理もしやすくなります。費用対効果を常に意識した上で、投資判断を行うことが成功したリニューアルを実現させるカギとなります。

予定しているスケジュール

予算の目処が立ったら、リニューアルにかかるスケジュールを立てていきます。 サイト公開予定日から逆算してスケジュールを立てていきましょう。サイトのリニューアルは予期せぬトラブルが頻発するため、余裕を持った設定がおすすめです。テストの時間も十分確保し、公開後にトラブルが起こらないよう進めていきましょう。加えて、各段階ごとにマイルストーンを設定しておくことも効果的です。これにより、進捗を定期的に確認し、必要に応じて調整を行うことが可能になります。各工程の担当者を明確にし、責任の所在をはっきりさせることで、プロジェクトが円滑に進むことにもつながります。

内製化する場合は自社で段取りを組みますが、制作会社に依頼する場合は自社の希望納期を定めたうえで、適切に提案してもらいましょう。スケジュールを立てた後は、関係者に確認を取り、合意を得ることを忘れずに行いましょう。これにより、全員が同じゴールに向かって行動できる環境を整えることができます。

プロジェクトの体制

プロジェクトの体制は、リニューアル作業を円滑に進めるための重要な要素です。 制作会社に発注する場合は、自社と制作会社と合わせて、プロジェクトリーダーや各担当者の役割と責任を明確に定義しましょう。これにより、コミュニケーションの流れがスムーズになり、情報共有や意思決定が迅速に行われます。

次に、定期的なミーティングを設定し、進行状況を確認することが大切です。この際、各メンバーや制作会社からのフィードバックを受け取り、問題点や課題を早期に発見して対処することが求められます。また、プロジェクトメンバー同士の協力体制を築くために、ミッションや目標を全員で共有し、一体感を持たせることも重要です。

明確なコミュニケーションを保つことで、リニューアルの目的や進行状況に関する理解を深め、柔軟に対応できるようにしましょう。このように、しっかりとしたプロジェクト体制を構築することが、成功へとつながります。

制作範囲を決める

制作範囲を明確にすることは、Webサイトリニューアルプロジェクトの成功に不可欠です。この過程では、どの部分をリニューアルするのか、運用をどのように継続するのか、具体的な設計方針を定めます。まずは、関係者との協議を通じてリニューアルの目的や必要な機能を共有し、合意を得ることが重要です。

次に、サーバー保守といった運用後の管理体制も念頭に置きながら、制作範囲を限定することで、効率的なプロジェクト進行が可能になります。これにより、必要なリソースを適切に配分し、スムーズな改善活動が実現できるでしょう。制作範囲が明確であれば、情報の整理や機能の洗い出しがしやすくなり、さまざまな要件を満たす成果物を得るための基盤が整います。

要件定義にて、制作範囲を決める

サイトの構成

サイトの構成は、ユーザーが必要な情報に迅速にアクセスできるように設計することが重要です。リニューアルに際しては、各ページの役割を明確にし、ナビゲーションが直感的であることを重視する必要があります。ユーザーの体験を向上させるため、特に重要なページやコンテンツを整理し、適切な情報の配置を行うことで、混乱を避けることが可能になります。

また、情報の階層構造を見直し、サイトマップを作成することで、どの情報がどのページにあるのかを分かりやすく示すことができます。この段階で機能要件やデザイン要件も併せて検討することで、全体の整合性を保ちながら、使いやすいWebサイトに仕上げることができます。

最終的には、ユーザーが求める情報を効果的に提供できるよう、サイト全体の流れを一貫させることが求められます。これにより、訪問者が快適にサイトを利用できる基盤を整えることができるでしょう。

サイトマップとは?作り方や注意点を解説

このコラムを読むとサイトマップの重要さや良質なサイトマップの基準が分かります。自社のサイトをより良いものにしたい場合はぜひご覧ください。

実装する機能

サイトの全貌が明らかになったら、実装する機能を決めていきます。場合によってはCMSやソフトウェア環境の見直しも必要になるため、まずリニューアルで何をしたいかを軸に必要な機能やツールを選定します。 社内にサイト運用の責任者がいないケースでは、実装する機能で迷うこともあるでしょう。その場合は、制作会社のアドバイスを受けながら機能を選定します。必要機能と予算の照らし合わせが重要なポイントです。 加えて、実装する機能によってサイトの操作性やユーザー体験が大きく変わるため、ユーザーのニーズを十分に理解しておくことが大切です。 実装する機能は単なる技術的な要件だけではなく、サイト全体のコンセプトやユーザーの意図に基づいた選定が必要です。各機能の導入効果を測定し、必要に応じて運用の見直しも行えるように準備を進めましょう。

要件定義にて、実装する機能

システム要件・サイトの環境

基盤となる構築環境の定義が必要です。使用する開発言語やCMSの種類が含まれます。CMSを新規導入または移行する場合には、その機能面を考慮し、自社のニーズに最も適したものを選ぶことが大切です。これには、コンテンツ作成や管理、権限管理、API連携等が含まれます。現在のサイト環境からの変更があれば、その詳細も要件定義書に記載し、問題解決の参考とします。

CMS比較11選!メリット・デメリットや選ぶポイントも紹介

当記事では「Webサイトの構築にCMSを使いたいがどれを選んだらいいか分からない」「WordPressは難しくて挫折しそう」とお悩みの方に、CMSの概要やメリットを解説しつつ、用途別のおすすめCMSを比較できるよう11選ご紹介します。

さらに、対応可能なOSやブラウザの情報も忘れずに盛り込みます。ターゲットユーザーに合わせた定義を行うことで、サイトの動作に関するトラブルを未然に防ぐことができます。全ての要件は明確に文書化し、関係者と共有することで、円滑なリニューアルプロセスが実現されます。完成後も、継続的な保守・運用に必要な基盤を形成することが目標です。

インフラ要件

リニューアルの具体的な内容を決めながら、インフラ環境の設定も行いましょう。リニューアルに際してサーバーやドメインの移管を行うのであれば、設定作業が必要です。また、リニューアル後のサイト規模が大きくなる場合は、容量の大きいサーバーやプランへの切り替えも欠かせません。ドメイン変更においては、SEO評価・ドメインパワーがリセットされ0からスタートになってしまうため、慎重に移管作業を行いましょう。

セキュリティ要件

セキュリティ要件は、Webサイトを安全に保つために必要な複数の対策を含んでいます。これには、サーバーが正常に稼働し続けるための施策や、データの漏洩を防ぐための対策が含まれます。また、レスポンスの遅延を防ぐための措置やユーザーが被る可能性のある損害を未然に防ぐための対策も重要です。さらに、データベースの脆弱性を解消するための方法も検討すべきです。

特に個人情報を管理する場合、高いセキュリティ技術が必須です。このため、SSL対応やIP制限、セッションタイムアウトなど、対象のWebサイトに適したセキュリティレベルを検討し、導入するプロセスが重要です。制作会社や開発会社によく相談をして決定することをお勧めします。

セキュリティを強化するには費用がかかるため、予算を十分に確保して必要な対策を実施し、リスクを軽減することが不可欠です。また、情報セキュリティポリシーを策定し、基礎知識を確認することで、サイトの堅牢性が向上し継続的な運用が可能となります。

リリース要件

リリース要件に記載する項目は、主に次の5つです。開始日時、終了日時、実行担当者、合否担当者、そして端末手順などが含まれます。要件定義書を作成する際には、リリースに向けて全従業員が意欲的に取り組めるよう、これらの情報を明確にしておくことが重要です。これは、リリースが成功するための重要な基盤となります。

運用保守の方針

運用保守の方針を策定する際には、5つの主要な項目を考慮することが重要です。

  • 品質管理

  • 窓口情報

  • バックアップ

  • 復元

  • 復旧の手順

  • ログ管理方法

まず、品質管理に関しては、どの範囲で検証が行われるのか、またその環境を明確に定義します。次に、窓口情報は、保守対応の範囲や対応可能な時間を設定することが含まれます。その上で、バックアップや復元・復旧の手順、およびログ管理の方法についても詳細に記載する必要があります。特に、外部の制作会社に依頼する場合は、保証期間やその内容について事前に確認しておくことが重要です。これにより、リニューアル後もスムーズな運用が期待できるでしょう。

サイトリニューアルに役立つ!資料テンプレートのご紹介

株式会社デパートでは、要件定義書のテンプレートや、RFPを作成する前に整理しておきたい情報整理シート(ヒアリングシート)のテンプレートを公開しております。 ぜひ必要な項目を漏れなく整理し、効果的なプロジェクト進行にお役立てください。

【設計テンプレート】ヒアリングシート

https://depart-inc.com/download/hearing-template/

【設計テンプレート】ヒアリングシート

お客様へ最初に内容をヒアリングする時から、制作がスタートする時まで活用できるシートです。制作会社視点でのヒアリング項目を軸に作成していますが、企業様にも何を用意したらいいかがわかりやすいと、ご活用いただいております。

【設計テンプレート】要件定義書

https://depart-inc.com/download/rd-template/

【設計テンプレート】要件定義書

本記事では、この要件定義書に沿って、定義項目のご紹介をしております。案件によっては、過不足ある場合もあると思いますが、基本的な部分をわかりやすくおさえたテンプレートにしていますので、こちらもぜひご活用いただければ幸いです。

まとめ|サイトリニューアルは要件定義が肝心

サイトリニューアルは、ただ見た目を変化させるだけでなく、要件定義を行い戦略的に進める必要があります。闇雲に各コンテンツを触ると整合性が取れなかったり、かえって閲覧数が低下したりする可能性も考えられます。

自社の求めるゴールを明確にしたうえで制作会社に依頼しましょう。

Web制作会社が解説!Webサイト・ホームページ制作会社の選び方

Webサイト・ホームページの担当をされている方の中には、「どうやって制作会社を探せばよいかわからない」「どの制作会社に依頼すべきかわからない」などの課題を持たれているかたもいらっしゃると思います。 今回は、10年にわたりWebサイト・ホームページの制作をしてきた知見を活かして、全国に1万社以上あるといわれる中から最適な制作会社を選ぶためのポイントをご紹介します。

サイトリニューアルにおいて成功するためには、事前にしっかりとした要件定義を行い、その内容を関係者全員で共有することが不可欠です。特に、更新したい情報の整理やターゲットユーザーの定義、コンテンツの改善は、リニューアルの成果に直結します。

株式会社デパートでは、サイトリニューアルにおける要件定義のサポートから実施まで一貫して対応可能です。要件定義作成でお悩みの方は、無料相談で対応させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。

Contact

制作のご依頼やサービスに関するお問い合わせ、
まだ案件化していないご相談など、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

関連ブログ