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目次
目次
- サイトリニューアルにおける要件定義の内容とは
- サイトリニューアルで要件定義が重要な理由
- 要件定義書とは
- RFPとは
- サイトリニューアル時の要件定義までの手順 7ステップ
- 1. 現状の分析
- 2. 課題の明確化
- 3. 方向性決めとリニューアルするページの整理
- 4. RFPの作成
- 5. 関係者との合意形成
- 6. 委託先の決定
- 7. 要件定義書の作成
- 要件定義書に必要な項目とは?
- サイトリニューアルの背景と目的
- KGI・KPIの設定
- ターゲット・コンセプトの明確化
- サイトリニューアル費用
- 予定しているスケジュール
- プロジェクトの体制
- 制作範囲を決める
- サイトの構成
- 実装する機能
- システム要件・サイトの環境
- インフラ要件
- セキュリティ要件
- リリース要件
- 運用保守の方針
- サイトリニューアルの要件定義で失敗しないためのポイント
- 関係者間で認識をすり合わせる
- ユーザー視点を忘れない
- 公開後の運用・保守まで見据える
- サイトリニューアルに役立つ!資料テンプレートのご紹介
- 【設計テンプレート】ヒアリングシート
- 【設計テンプレート】要件定義書
- まとめ|サイトリニューアルは要件定義が肝心
- 要件定義のサポート
- Webサイト制作サービスをご紹介
昨今、企業価値や取り組みを広く伝えていくために、各企業の公式Webサイト・ホームページの重要性が高まり続けています。それに伴い、現状のブランディングやコンテンツ、サイト構造では効果が期待できていない場合、Webサイトリニューアルが必要になるでしょう。しかし、サイトのリニューアルは闇雲に行うのではなく、しっかりとした要件定義を行ったうえでの着手が欠かせません。
要件定義とは、実現したいWebサイトの仕様を明確にし、関係者と共有するプロセスです。この段階での適切な情報収集と課題の整理が、成功するリニューアルのカギとなります。
今回はサイトのリニューアルにおける要件定義や必要な項目を紹介します。自社サイトのリニューアルを検討する方は、要件定義書の作成手順を学びましょう。
サイトリニューアルにおける要件定義の内容とは
ここでは、自社のサイトリニューアルを実施する前に、必ず知っておきたい要件定義や、それに関連する周辺知識について解説します。
リニューアルプロジェクトは、ただ制作会社などの業者に「いい感じにしてください」と丸投げして依頼するのではなく、自社でも主体的に要件定義を行ったうえで進めることが非常に大切です。そうすることで、発注側と制作側のミスマッチを減らし、スムーズにプロジェクトを進められるでしょう。
要件定義は、Webサイトの制作やリニューアルにおいて**「何を実現したいのか」「どのような機能を実装するのか」を明確**にし、すべての関係者と共有する重要なプロセスです。
目標の統一: 各関係部署が同じ目標に向かって進むことができ、後のスムーズな制作につながります。
基盤の構築: 現状の分析や課題の整理、そしてそれに基づく方向性の設定を通じて、実際の制作における機能やデザインの基盤を構築します。
認識の齟齬防止: 合意形成を重視することで、制作に関わる全てのメンバーが共通の認識を持ち、意見の食い違いによる混乱や手戻りを防ぎます。
品質の担保: 要件定義書に詳細を盛り込むことで、リニューアル後のWebサイトが持続可能で、長期的な運用保守に耐えうるクオリティを持つことが期待できます。
しっかりとした要件定義を行い、自社サイトのリニューアルを成功させましょう。
サイトリニューアルで要件定義が重要な理由
なぜ、ここまで要件定義が重要視されるのでしょうか。それは、Webサイトリニューアルが「家を建てること」に非常に似ているからです。設計図(要件定義書)なしに家を建て始めれば、完成した家は傾いていたり、必要な部屋がなかったり、予算を大幅にオーバーしたりするでしょう。Webサイトも同様です。
要件定義をおろそかにすると、以下のような深刻な問題が発生するリスクが高まります。
目的のブレ: プロジェクトが進むにつれて、「あれもしたい」「これも入れたい」と要望が膨らみ、当初の目的が見失われてしまいます。
予算と納期の超過: 途中で仕様変更が頻発すると、追加費用が発生したり、公開日が大幅に遅れたりします。
使いにくいサイトの完成: ターゲットユーザーの視点が抜け落ち、企業が伝えたいことだけを詰め込んだ、独りよがりなサイトになってしまいます。
運用時のトラブル: 公開後の更新方法やシステム保守について決めておかないと、担当者が更新できない、セキュリティ対策が不十分といった問題が起きます。
これらのリスクを回避し、投資対効果の高いWebサイトリニューアルを実現するために、要件定義は避けては通れない最重要工程なのです。
要件定義書とは
サイトリニューアル時の要件定義とは、リニューアルの目的やサイトのコンセプト、必要な機能やかけられる費用などの詳細を整理することです。そして、その決定事項をドキュメントとしてまとめたものを「要件定義書」と呼びます。
要件定義を行うと、自社内の意思統一はもちろん、制作を依頼する会社との認識を合わせる際も大いに役立つでしょう。要件定義が曖昧な状態でサイトのリニューアルを実施すると、イメージに沿ったリニューアルが行えなかったり、多額の費用をかけたにもかかわらず成果が出ずに失敗に終わったりする可能性があります。
具体的に要件定義書には、以下のような項目が含まれ、Webサイト全体の骨組みを形成します。
サイトリニューアルの背景や目的
ターゲットユーザー(ペルソナ)
具体的な機能要件(お問い合わせフォーム、CMS、検索機能など)
デザインの要件・トーン&マナー
インフラ・サーバー構成
スケジュールと予算
これにより、プロジェクトに関与するすべてのメンバーが同じ理解を持ち、制作をスムーズに進められる環境を整えることができます。また、要件定義書は、プロジェクトの進行中における「判断基準」としても利用できるため、できるだけ詳細に作成することが望ましいです。迷ったときに立ち返る場所があることで、後のステージで発生する可能性がある混乱を未然に防ぐことができます。
これらの理由から、要件定義はサイトのリニューアルにおいて非常に重要なステップだといえるでしょう。
RFPとは
要件定義書とあわせて聞く機会の多い言葉に「RFP(Request For Proposal)」があります。これは日本語で「提案依頼書」と呼ばれ、自社から制作会社に対して「こういうサイトを作りたいので、提案と見積もりをください」という依頼内容をまとめた文書です。
要件定義書と重複する内容も多く見られますが、役割とタイミングが異なります。要件定義書もRFPも、制作会社に対して自社の目的や具体的なイメージを伝える目的を含んでいますが、以下のような違いがあります。
横にスクロールできます
項目 | RFP(提案依頼書) | 要件定義書 |
|---|---|---|
作る人 | 発注者 | 発注者、もしくは発注者と制作会社・開発会社が共同で作成 |
タイミング | ・制作会社に声をかける際 | ・制作会社決定後 |
内容 | ざっくりした要望・条件 | 具体的な機能や仕様 |
目的 | 良い提案・正確な見積もりをもらう | ・プロジェクト全体の詳細な設計図となる |
RFPは、明確なコミュニケーションを促進するための重要なツールです。特に、複数の制作会社に提案を依頼する場合(コンペティション形式など)、明確に要件をRFPとして記載することで、各社からの提案の質を向上させ、条件を揃えることができます。
口頭だけで伝えると、会社によって解釈が異なり、出てくる見積もりや提案内容がバラバラで比較できないという事態になりがちです。RFPを用意することで、比較検討の際にも具体的な基準が整い、より適切なパートナー選択が可能になります。
以下の記事でRFPについての詳細な説明と、書き方のポイントを紹介していますので、これから制作会社を探す方はぜひ参考にしてください。わかりやすいRFPを書いて、制作会社から良質な提案を引き出しましょう。
サイトリニューアル時の要件定義までの手順 7ステップ

ここからは、実際に要件定義を固めていくための手順を解説します。いきなり細かい機能の話をするのではなく、まずは現状の分析を行い、リニューアルの目的と目指すべき方向性を明確にすることが大切です。
自社のサイトにおける課題を特定しないことには、リニューアルの軸が最初からぶれてしまいます。関係者との合意形成を行い、要件定義書をまとめていく過程では、それぞれの意見を聞きながら調整し、最終的な内容を確認することが重要です。
手間はかかりますが、サイトリニューアルで効果を出すためには、自社にてしっかりと以下の7つのステップを踏むことで、サイトリニューアルが成功につながるだけでなく、後の運用まで見据えた高品質な成果物を得ることができます。
【要件定義の7ステップ】
現状の分析
課題の明確化
方向性決めとリニューアルするページの整理
RFPの作成
関係者との合意形成
委託先の決定
要件定義書の作成
1. 現状の分析
サイトリニューアルを進めるにあたり、**最初に行うべき、そして最も重要なステップが現状の分析です。**このプロセスをおろそかにすると、現状の良い部分まで消してしまったり、効果の薄い施策に予算を使ってしまったりします。
現状分析では、現在のWebサイトの性能、ユーザー行動、および訪問者のインタラクションを定量・定性の両面から詳細に調査します。
定量調査(数値データ): Google Analytics(GA4)やSearch Consoleなどのアクセス解析ツールを活用し、訪問者の流入経路、閲覧数の多いページ、離脱率の高いポイントを特定します。これにより、客観的に「どのページが効果的か」「どこに課題があるか」を視覚化します。
定性調査(ユーザー心理): ヒートマップツールで熟読エリアを可視化したり、ユーザーへのアンケートやインタビューを行ったりして、数値には表れない「使いにくさ」や「不満点」を収集します。また、営業担当者に「顧客からよく聞かれる質問」をヒアリングするのも有効です。
この情報収集は、実際のユーザーの視点を反映するため、リニューアルに対する具体的なニーズを捉える手助けになります。結果的に、現状の分析を通じて、サイトの強みと弱みを把握し、リニューアルに向けた明確な方向性を定めることが可能になります。全体を通じた戦略的かつデータに基づいた取り組みが、成功の鍵となるでしょう。
2. 課題の明確化
現状分析で得られたデータを元に、自社サイトの具体的な課題を洗い出し、明確化します。
「デザインが古い」といった感覚的な課題だけでなく、「スマートフォンでのコンバージョン率がPCに比べて極端に低い」「採用ページへの遷移がほとんどない」「商品ページの画像が表示されるまで時間がかかる」など、具体的な事実に基づいて課題をリストアップします。
複数の課題が浮かび上がった場合、すべてを一度に解決しようとすると予算やスケジュールが破綻する可能性があります。そのため、優先順位を設定することが重要です。「売上に直結する部分」や「ブランド毀損につながる重大な問題」から順に、必要な改善点や追加すべきコンテンツを整理します。
また、課題を明確にする際には、自社だけでなく外部環境にも目を向けましょう。
競合調査: 競合他社のサイトを分析し、自社サイトに不足しているコンテンツや機能がないか確認します。
市場トレンド: Webデザインの流行や、技術的なトレンド(例:動画コンテンツの活用など)を考慮します。
このプロセスによって、自社がどのように差別化できるかを見出します。Webマーケティングの目的と照らし合わせ、受注数や利益向上のために不足している要素を考えましょう。社内の広報、営業、採用担当などさまざまな部門から意見を集めることで、より多面的に課題を捉えることができます。
こうした情報をもとに、具体的な改善策を策定することで、リニューアル成功への道筋が確立されます。
3. 方向性決めとリニューアルするページの整理
課題を洗い出したら、それらを解決するために**「どのようなリニューアルを行うか」という方向性を定めます。**
例えば、「お問い合わせを増やしたい」という課題に対しては、「入力フォームを最適化する(EFO)」「導線ボタンを目立つように配置する」「お客様の声コンテンツを追加して安心感を醸成する」といった具体的な解決策が考えられます。
コンテンツの強化: 情報量が不足している場合は、コラムや事例紹介などの新規コンテンツ追加を検討します。
既存改修 vs 全面刷新: 既存ページの一部修正で済むのか、CMSの載せ替えを含めたフルリニューアルが必要なのかを判断します。
ターゲットに合わせた最適化: 例えば、特定の商品の人気が高まっているなら、その商品に関する特集ページを設けるなど、ユーザーの関心を引く構成にします。
リニューアルの方向性を決める際は、サイトマップ(サイト全体のページ構成図)の整理も行います。現在のサイトにあるページを「残すページ」「統合するページ」「削除するページ」「新しく作るページ」に分類しましょう。
情報の階層構造やナビゲーションの使いやすさにも注意を払い、ターゲットユーザーにとって有益な情報を最短距離で提供できるよう、ページの構成を明確にすることが重要です。
4. RFPの作成
具体的な行動方針やリニューアルの方向性が決まったら、制作会社に提案を依頼するためのRFP(提案依頼書)の作成を行います。これまで集めた情報や課題、解決したい内容を整理し、文書化します。
RFPには、以下の内容を盛り込みます。
プロジェクトの背景・目的: なぜリニューアルするのか。
ターゲットユーザー: 誰に見てもらいたいか。
現状の課題: データに基づいた客観的な問題点。
業務要件: 必要なシステム機能(CMS、会員機能など)や、公開後の運用体制。
予算感とスケジュール: 希望する納期と上限予算。
RFPは、制作会社に対し必要な情報を提供し、最適な提案を引き出すことを目的としています。そのため、内容は曖昧さを排除し、具体的でなければなりません。「かっこいいサイト」ではなく「信頼感を与え、20代の採用応募を増やすためのデザイン」といったように記述します。
プロジェクトの目的や要件を明確に示すことで、制作会社は貴社の意図を汲み取りやすくなり、結果として提案の質が向上します。RFPの出来栄えが、パートナー選びの成功、ひいてはリニューアルプロジェクト全体の成功に結びつくと言っても過言ではありません。
5. 関係者との合意形成
リニューアル内容の方針やRFPの内容が固まったら、次に社内でプレゼンテーションを実施し、「社内からの合意」を得ることが重要です。これを「社内稟議」や「根回し」とも呼びます。
このステップでは、決裁権を持つ上層部や、サイトに関わる各部署の責任者に対して、以下の情報をしっかりと共有しましょう。
目的: なぜ今やる必要があるのか。
メリット: リニューアルによってどのような効果(売上増、採用増、業務効率化)が得られるか。
コスト: 費用対効果(ROI)はどうなるか。
リスク: リニューアルしない場合のリスク、またはリニューアルに伴う一時的なリスク。
もし合意が得られないまま進めてしまうと、制作が始まってから「こんなデザインは承認できない」「この機能がないと困る」といった意見が出て、作業の中断や大幅な手戻りが発生するリスクがあります。
プロジェクトをスムーズに進めるためには、必要な人物に事前に合意を得ておくことが不可欠です。また、合意が得られた後も、定期的に進捗を報告し、関係者とのコミュニケーションを図ることで、プロジェクトへの信頼感を高めることができます。関係者全員が同じビジョンを持つことが、成功の鍵です。
6. 委託先の決定
委託先の決定段階では、信頼できるWeb制作会社や開発会社の選定が重要です。RFPを配布し、複数の会社から提案と見積もりを受け取ります(コンペティション)。
選定の際は、単に「見積もり金額が安い」という理由だけで決めてはいけません。以下のポイントを総合的に評価しましょう。
提案の質: 自社の課題を正しく理解し、的確な解決策を提示しているか。
実績: 同業種や類似規模のサイト制作実績があるか。
担当者の対応: コミュニケーションはスムーズか、信頼できる人柄か。
開発力・技術力: セキュリティ対策や最新の技術トレンドに対応できるか。
運用サポート: 公開後の保守や改善提案をしてくれるか。
複数の制作会社からの提案を受け、自社のニーズに最も適した企業を見つけるために、比較検討を行います。最終的に、選定した委託先との相互理解を深めることで、プロジェクトの円滑な進行と高品質な結果を得ることが期待されます。
7. 要件定義書の作成
パートナーとなる制作会社が決まったら、リニューアルプロジェクトの設計段階として、これまでの調査や合意を基に具体的な「要件定義書」に落とし込んでいきます。
この工程は、多くの場合、制作会社のディレクターやエンジニアと協力して行います。RFPの内容をさらに深掘りし、技術的な仕様やデザインのルールを確定させます。
要件定義書には、プロジェクトの背景、目的、ターゲット、スケジュールといった基本情報から、サーバー要件、インフラ構成、サイトの機能詳細、デザインの方向性(トーン&マナー)、ページ数、各ページの構成要素、公開後の運用フローなど、極めて具体的で詳細な情報を定義していきます。
ここでの記述が曖昧だと、制作段階で「言った・言わない」のトラブルになったり、追加費用が発生したりする原因になります。明確かつ具体的な記載を心がけることで、プロジェクト全体の強固な骨組みとなり、円滑な進行が期待できます。
要件定義書に必要な項目とは?
ここからは、実際に要件定義書に記載すべき具体的な項目を紹介します。以下の項目を一つずつ丁寧に定めていくことで、サイトリニューアルの全体像と詳細な仕様が見えてきます。
要件定義が自社だけで行うのが困難な場合は、選定した制作会社のサポートを受けながら進めるのが一般的です。制作会社に依頼する際に併せて確認しておきたい項目については、以下の記事もぜひ参考にしてください。制作会社がヒアリングすべきという視点で、項目をまとめたテンプレートもご用意しています。
【要件定義書に必要な項目】
サイトリニューアルの背景と目的
KGI・KPIの設定
ターゲット・コンセプトの明確化
サイトリニューアル費用
予定しているスケジュール
プロジェクトの体制
制作範囲を決める
サイトの構成
実装する機能
システム要件・サイトの環境
インフラ要件
セキュリティ要件
リリース要件
運用保守の方針
サイトリニューアルの背景と目的
まずは、なぜサイトをリニューアルするのか、その「背景」と「目的」を言語化します。
背景: 「サイトがスマホ対応していないため離脱が多い」「サービス統合により情報が散乱している」など、リニューアルに至った経緯を記載します。分析したデータや、顧客の声、社内からの要望などを根拠にすると説得力が増します。
目的(ゴール): 背景にある課題を解決し、どうなりたいかを決定します。「お問い合わせ数を120%にする」「ブランドイメージを一新し、認知度を高める」などです。
目的を設定すると、**ゴールから逆算して「何をすべきか」**が見えてきます。目的は具体的な成果につながるように設定することが重要です。

KGI・KPIの設定
目的を達成できたかどうかを評価するための「指標」を設定します。これにより、リニューアル後の効果検証が可能になり、PDCAサイクルを回しやすくなります。
KGI(重要目標達成指標): プロジェクトの最終ゴールです。
例:Web経由の売上高を年間1億円にする。
KPI(重要業績評価指標): KGIを達成するための中間目標です。
例:月間PV数を5万にする、資料請求フォームのCVR(コンバージョン率)を1%から2%に改善する、お問い合わせ数を月30件獲得する。
具体的な数値目標を持つことで、デザインや機能の判断に迷った際、「それはKPI達成に寄与するか?」という基準で判断できるようになります。
ターゲット・コンセプトの明確化
「誰に」「何を」伝えるサイトなのかを明確にします。
ターゲット(ペルソナ): 年齢、性別、職業だけでなく、どのような悩みを持っているか、どのようなキーワードで検索するか、ITリテラシーはどの程度か、といった詳細な人物像(ペルソナ)を設定します。調査やインタビューを通じて、彼らが求める情報やサービスを深く理解し共感することが大切です。
コンセプト: ターゲットに対して、自社が提供できる価値を一言で表すものです。サイト全体のテーマや、デザインの方向性(「信頼感」「親しみやすさ」「先進的」など)を決定します。
また、カスタマージャーニーマップを作成し、ユーザーが認知から検討、購入に至るまでの行動と感情の変化を整理すると、必要なコンテンツや機能を漏れなく洗い出すことができます。
サイトリニューアル費用
制作会社に依頼する場合の費用、および社内コストを算出します。
イニシャルコスト(初期費用): サイト設計費、デザイン制作費、コーディング費、システム開発費、ディレクション費、コンテンツ作成費(ライティング・撮影)など。
ランニングコスト(運用費用): サーバー・ドメイン費用、SSL証明書費用、保守管理費、CMSのライセンス料など。
RFPの時点で予算感を伝えておき、各社からの見積もりを精査して確定させます。制作費だけでなく、写真撮影や有料フォントの使用料など、細かい経費も漏れなく計上しましょう。
また、システム開発を伴う場合、想定外の追加要件が発生することもあるため、予備費(バッファ)を確保しておくのが賢明です。長期的な視点で、費用対効果を意識した予算組みを行いましょう。
予定しているスケジュール
いつまでに公開したいか、詳細なスケジュールを策定します。
公開予定日(ローンチ日): 新製品の発売やイベントに合わせて設定することが多いです。
各工程のマイルストーン: 要件定義完了、デザイン確定、開発完了、テスト開始などの主要な区切りを設定します。
サイトリニューアルでは、仕様の確認待ちや原稿作成の遅れ、予期せぬシステムの不具合などが発生しがちです。ギリギリのスケジュールではなく、テスト期間や修正期間を十分に確保した、余裕のあるスケジュールを立てましょう。
制作会社に依頼する場合は、希望納期を伝えた上で、現実的なスケジュール案を提案してもらうのが良いでしょう。各工程の担当者と期限を明確にすることで、プロジェクトの遅延を防ぎます。
プロジェクトの体制
誰が何を担当するのか、プロジェクトチームの体制図を作成します。
プロジェクトオーナー(決裁者): 最終的な承認を行う人。
プロジェクトマネージャー(PM): 全体の進行管理を行う責任者。
各担当者: デザイン確認、原稿作成、システム要件確認などを行う現場担当者。
制作会社側の体制: ディレクター、デザイナー、エンジニアなど。
自社と制作会社の連絡窓口を明確にし、コミュニケーションフロー(連絡手段はメールかチャットか、定例会議はいつ行うかなど)を定義します。役割と責任の所在をはっきりさせることで、「誰かがやってくれると思った」というタスクの落球を防ぎ、チームとしての一体感を高めます。
制作範囲を決める
Webサイトリニューアルにおける「やること」と「やらないこと」の境界線を明確にします。
対象ページ: 全ページリニューアルなのか、TOPページと主要ページのみなのか。
コンテンツ移行: 過去のブログ記事やニュースリリースはすべて移行するのか、過去3年分にするのか。
対応デバイス: PCとスマホのみか、タブレット対応も必要か。
ブラウザ対応: Chrome, Edge, Safari, Firefoxの最新版のみか、古いバージョンもサポートするか。
アクセシビリティ対応: 「準拠」を目指すのか「一部準拠」や「配慮」を目指すのか。
制作範囲を明確にしないと、後から「あのページも直してほしかった」という要望が出てトラブルになります。予算とスケジュールに合わせて、今回はどこまでやるか(スコープ)をしっかりと定義し、合意を得ておきましょう。

サイトの構成
サイト全体の構造(ディレクトリマップ)と、画面上の配置(ワイヤーフレーム)を検討します。
ディレクトリマップ(サイトマップ): どのページがどの階層にあるかをリスト化したもの。URL構造やページタイトルもここで決めます。情報の整理整頓を行い、ユーザーが迷子にならない階層構造を目指します。
ナビゲーション設計: グローバルナビゲーション(メニュー)、パンくずリスト、フッターなどの共通部分の設計。ユーザーが必要な情報に迅速にアクセスできるようにします。
UI/UXフロー: お問い合わせ完了までの画面遷移など、ユーザーの導線を設計します。
サイト構成はSEO(検索エンジン最適化)にも大きく影響します。検索エンジンがクロールしやすい構造にし、重要なページに内部リンクを集めるなどの配慮が必要です。
実装する機能
ユーザーが直接触れる機能(フロントエンド)と、管理者が使う機能(バックエンド)の両面から必要な機能を洗い出します。
ユーザー向け機能: お問い合わせフォーム、資料請求機能、サイト内検索、会員登録・ログイン、マイページ、お気に入り機能、SNS連携など。
管理者向け機能(CMS): お知らせ更新、ブログ投稿、商品情報の登録・編集、顧客管理機能など。
CMS(コンテンツ管理システム)選定: WordPress、Movable Type、またはヘッドレスCMSなど、自社の運用体制やセキュリティ要件に合ったものを選びます。
社内に技術的な知識がある担当者がいない場合は、制作会社に「やりたいこと」を伝え、最適なツールや実装方法を提案してもらいましょう。機能は多ければ良いというものではありません。運用コストや使い勝手を考慮し、本当に必要な機能に絞り込むことが大切です。

システム要件・サイトの環境
Webサイトを動かすための技術的な基盤を定義します。
開発言語・フレームワーク: PHP, JavaScript (React, Vue.js等), HTML5, CSS3など。
レンダリング方式: SPA、MPAなどのファイル構造の方式と、SSR、ISR、SSGなどの表示方式(事前に求めるものを提示するなど)
推奨環境: ユーザーが閲覧するために保証するOS(Windows, Mac, iOS, Android)とブラウザのバージョン。ターゲットユーザーの利用環境に合わせて設定します(例:高齢者向けなら古いPC環境も考慮するなど)。
これらの要件は、サイトのパフォーマンス(表示速度)や将来の拡張性に影響します。現状のサイト環境からの変更点があれば、その詳細も記載し、リニューアルに伴うデータ移行の可否なども検討します。
インフラ要件
Webサイトを設置する「土地」にあたるサーバーやドメインに関する要件です。
Webサーバー・DBサーバー: AWSやGCPなどのクラウドサーバーを利用するのか、レンタルサーバーを利用するのか。予想されるアクセス数(トラフィック)やデータ容量に応じて適切なスペックを選定します。
ドメイン・DNS: 現行のドメインを継続利用するのか、新規取得するのか。ドメインの管理会社(レジストラ)の移管が必要かどうかも確認します。
メールサーバー: レンタルサーバーからクラウドサーバー移行時に忘れがちなメールに関しても確認をします。
ドメイン変更はSEO評価のリセットリスクがあるため、基本的には継続利用が推奨されます。やむを得ず変更する場合は、旧ドメインから新ドメインへの「301リダイレクト」設定が必須となります。
セキュリティ要件
企業の情報資産とユーザーの個人情報を守るためのセキュリティ対策を定義します。
SSL/TLS対応: 通信の暗号化(常時SSL化)は必須です。
WAF(Web Application Firewall): 外部からの攻撃を防ぐファイアウォールの導入。
バックアップ体制: 万が一のデータ消失に備え、自動バックアップの頻度と保管期間を決めます。
脆弱性対策: CMSやプラグインの定期的なアップデート方針。
個人情報保護: プライバシーポリシーの策定や、個人情報保護法(改正法含む)、GDPRなどの法規制への対応。
特に顧客情報を取り扱うサイトでは、高いセキュリティレベルが求められます。情報漏洩事故は企業の信頼を失墜させるため、予算を確保して万全の対策を講じましょう。制作会社と相談し、自社のセキュリティポリシーに合致した対策を実施します。
リリース要件
新サイトを公開する際の手順とルールを決めます。リニューアル当日は予期せぬトラブルが起こりやすいため、綿密な計画が必要です。
リリースの日時: アクセスの少ない深夜帯や休日に行うのが一般的です。
DNS切り替え手順: ユーザーがアクセスする先を旧サーバーから新サーバーへ切り替えるタイミングと方法。
検証項目: 公開直後に動作確認を行う担当者と、チェックリスト(フォームの送信テスト、表示崩れの確認など)。
ロールバック計画: 重大な不具合が見つかった場合、速やかに旧サイトに戻すための手順。
リリース要件を明確にしておくことで、関係者全員が安心して公開作業に臨むことができます。
運用保守の方針
サイトは「公開して終わり」ではなく「公開してからがスタート」です。リニューアル後の運用と保守について定義します。
コンテンツ運用: 誰が、どのくらいの頻度で記事やお知らせを更新するか。
システム保守: サーバーの監視、CMSのアップデート、障害対応を誰が行うか(自社か、制作会社に委託するか)。
効果測定: 月次レポートの作成や、定例会の開催頻度。
バックアップ・復旧: トラブル時の連絡フローと復旧対応のSLA(サービス品質保証)。
外部の制作会社に保守を依頼する場合は、月額費用や対応範囲、契約期間などを事前に取り決めておきます。持続可能な運用体制を構築することが、サイトを成長させる鍵です。
サイトリニューアルの要件定義で失敗しないためのポイント
関係者間で認識をすり合わせる
最も多い失敗原因は「言った・言わない」の認識ズレです。「高機能な検索が欲しい」と言ったとき、発注側は「Googleのような検索」をイメージし、制作側は「単語一致検索」をイメージしているかもしれません。 このようなズレを防ぐために、参考サイトを見せ合ったり、図解を用いたりして、視覚的にイメージを共有しましょう。専門用語は使わず、平易な言葉でコミュニケーションをとることも大切です。
ユーザー視点を忘れない
社内の要望ばかりを聞いていると、いつの間にか「企業が言いたいこと」ばかりのサイトになってしまいます。 常に「それはユーザーにとってメリットがあるか?」「ユーザーは使いやすいか?」という視点に立ち返りましょう。ターゲットユーザーになりきってサイトを使う「ユーザーテスト」を行うのも効果的です。
公開後の運用・保守まで見据える
リニューアル時は「あれもこれも」と高機能なシステムを入れがちですが、その後の運用が複雑すぎて担当者が使いこなせないケースが多々あります。 自社の運用体制(人数やスキル)に見合った機能を選定しましょう。「誰でも簡単に更新できること」は、立派な機能要件の一つです。
サイトリニューアルに役立つ!資料テンプレートのご紹介
株式会社デパートでは、要件定義書のテンプレートや、RFPを作成する前に整理しておきたい情報整理シート(ヒアリングシート)のテンプレートを無料で公開しております。 ゼロから資料を作るのは大変な作業です。ぜひ必要な項目を漏れなく整理し、効果的なプロジェクト進行にお役立てください。
【設計テンプレート】ヒアリングシート
お客様へ最初に内容をヒアリングする時から、制作がスタートする時まで活用できるシートです。制作会社視点でのヒアリング項目を軸に作成していますが、社内の意見をまとめる際にもご活用いただけます。
【設計テンプレート】要件定義書
定義項目を網羅したテンプレートです。案件によっては過不足ある場合もあると思いますが、基本的な部分をおさえたテンプレートにしています。Excel形式で編集可能ですので、自社のプロジェクトに合わせてカスタマイズしてご活用ください。
まとめ|サイトリニューアルは要件定義が肝心
Webサイトリニューアルは、単なる見た目の刷新ではなく、経営課題を解決するための重要なビジネスプロジェクトです。成功のためには、闇雲にデザインを変えるのではなく、データ分析に基づき、戦略的に「要件定義」を行うことが不可欠です。
しっかりとした要件定義があれば、社内の意思統一が図れ、制作会社ともスムーズに連携でき、無駄なコストやトラブルを防ぐことができます。そして何より、ユーザーにとって価値のある、成果の出るWebサイトを作ることができます。
サイトリニューアルにおいて成功するためには、事前にしっかりとした要件定義を行い、その内容を関係者全員で共有することが不可欠です。
要件定義のサポートなら株式会社デパートにおまかせ
株式会社デパートでは、サイトリニューアルにおける要件定義のサポートから、設計、デザイン、開発、そして公開後の運用保守まで一貫して対応可能です。「何から手をつけていいかわからない」「要件定義の壁打ち相手が欲しい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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