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目次
リニューアルの必要性は感じているものの、経営層や他部署にどう説明すれば承認が得られるのか、何を書けばよいのか迷う担当者は少なくありません。社内提案書・企画書に盛り込むべき構成要素と、承認されやすい進め方について解説します。
この記事でわかること
社内提案書と企画書、それぞれの役割の違い
承認を得やすい提案書に必要な構成要素
概算予算やスケジュールをどこまで詳細に書くべきか
提出前に確認しておきたいチェック項目
Webサイトリニューアルは、企画そのものよりも、社内の合意形成をどう進めるかでつまずくケースが少なくありません。良いアイデアがあっても、意思決定者に伝わる形で言語化できていなければ、プロジェクトは動き出せないためです。
UXデザインの設計力と、ブランド構築支援の表現力の高さを強みにするWeb制作会社株式会社デパートがまとめました。数多くのリニューアル案件で、企画段階からご相談をいただく中で見えてきた、社内で通しやすい資料の作り方を、実務の視点から整理しています。
目次
- 提案書に必要なのは、細かい計画よりも「なぜ今なのか」
- 提案書・企画書・要件定義書の違いを整理
- 社内提案書と企画書の違い
- 要件定義書との違い
- 提案書に盛り込むべき8つの項目
- 01. 背景と現状の課題
- 02. リニューアルの目的
- 03. 期待される効果
- 04. 概算予算とスケジュール
- 05. 体制と役割分担
- 06. 想定されるリスクと対応方針
- そのまま使える、穴埋め式フォーマット
- 社内提案書・企画書テンプレート
- 概算予算とスケジュールの示し方
- 資料の説得力を上げるための簡単な工夫
- 提出前に確認しておきたいチェック項目
- 自社で対応できる範囲と、外部に相談した方がよい範囲
- 自社で判断しやすい範囲
- 外部相談が有効な範囲
- よくある質問
- Q. 社内提案書と企画書は、別々に作成する必要がありますか?
- Q. 提案書と要件定義書は何が違いますか?
- Q. 提案書のボリュームはどのくらいが適切ですか?
- Q. 概算予算はどのように算出すればよいですか?
- Q. 提案書の作成は社内だけで対応できますか?
- Q. 提案がなかなか承認されない場合、何を見直せばよいですか?
- 承認を得るための提案書は、理解と納得してもらうことが重要
- 株式会社デパートのサービスをご紹介
提案書に必要なのは、細かい計画よりも「なぜ今なのか」
社内提案書を作る際、多くの担当者はスケジュールや機能要件まで細かく書き込もうとしてしまいます。しかし、この段階で意思決定者が知りたいのは、なぜ今リニューアルが必要なのか、それによって何が改善されるのかという部分です。
詳細な仕様や要件は、リニューアルの実施が決定した後の要件定義の工程で詰めていく内容です。提案書の役割と、要件定義書の役割を混同してしまうと、情報量が多すぎて逆に何を判断してほしいのかが伝わりにくくなります。
このあと、提案書と企画書の違い、そして具体的にどのような構成で書けば意思決定者に伝わりやすいのかを、順番に解説していきます。
提案書・企画書・要件定義書の違いを整理

社内提案書と企画書の違い
社内提案書は、リニューアルを実施すべきかどうかの意思決定を得るための資料です。現状の課題、目的、期待できる効果、概算の予算感を簡潔にまとめ、経営層や関係部署の承認を得ることを目的とします。
企画書は、提案が承認された後、あるいは提案書と一体化した形で、具体的に何を、どのように進めるのかを示す資料です。ターゲット、コンテンツの方向性、サイト構成の骨子など、提案書よりも一段階具体的な内容を含みます。
社内の意思決定プロセスによっては、この2つを1つの資料にまとめて提出するケースも多くあります。重要なのは、承認を得るための材料と、実行計画を示す材料という役割の違いを意識して書き分けることです。
要件定義書との違い
要件定義書は、リニューアルの実施が決定した後に、制作会社への発注内容や社内の仕様を詳細に固めるための資料です。提案書・企画書の段階では、ここまで踏み込む必要はありません。
提案書に盛り込むべき8つの項目

提案書に盛り込むべき要素を、伝わりやすい順番で整理します。
01. 背景と現状の課題
なぜ今この提案をしているのか、その背景から始めます。アクセス数の減少、問い合わせ数の伸び悩み、競合サイトとの比較など、数値や具体的な事実に基づいた課題を示します。感覚的な「古い」「使いにくい」だけでは、意思決定者を動かす材料になりません。
02. リニューアルの目的
課題を受けて、リニューアルによって何を達成したいのかを明確にします。「問い合わせ数を〇〇%増加させる」など、可能な限り測定可能な形で示すと、後の効果検証にもつながります。
03. 期待される効果
目的が達成された場合、事業にどのような影響があるのかを示します。売上やリード獲得への貢献など、事業側の言葉に翻訳して伝えると、経営層の判断材料として機能しやすくなります。
04. 概算予算とスケジュール
この段階では、正確な見積もりよりも、規模感が伝わる概算で構いません。過去の類似案件や、一般的な相場感をもとに、幅を持たせた金額とスケジュールを示します。
05. 体制と役割分担
社内でどの部署が主管となり、誰が意思決定に関わるのかを明示します。他部署との連携が必要な場合は、この段階で協力を仰いでおくと、後工程での連携不足を防ぎやすくなります。
06. 想定されるリスクと対応方針
公開時期の遅延や、想定外の費用増加など、起こりうるリスクとその対応方針を簡潔に添えておくと、資料としての信頼性が増します。
そのまま使える、穴埋め式フォーマット
上記の6項目は、実は**「現状→課題→解決策→効果」という基本の流れと、「5W2H(誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どうやって・いくらで)」**を組み合わせたものです。この型自体は提案書・企画書の定番として広く使われているため、ゼロから構成を考える必要はありません。以下の空欄を埋めるだけで、提案書の骨子ができます。
現状:(今のサイトはどういう状態か。数値があれば記載)
課題:(その状態によって、何が困っているか)
目的:(何を、どのくらい改善したいか)
解決策:(リニューアルによって、具体的に何を変えるか)
効果:(解決策によって、事業にどう良い影響があるか)
体制:(誰が主管し、誰が意思決定に関わるか)
予算・スケジュール:(概算でどのくらいの規模・期間になりそうか)
リスク:(想定される懸念と、その対応方針)
実際に埋めるとどうなるか、記入例を以下に示します。
社内提案書・企画書テンプレート
現状:現在のコーポレートサイトは公開から◯◯年が経過しており、月間の問い合わせ数は過去1年で◯◯%減少しています。
課題:スマートフォンでの閲覧時にレイアウト崩れが発生しており、当該ページの離脱率は◯◯%です。また、サービス内容がわかりにくいという声が営業部門からも上がっています。
目的:問い合わせ数を◯◯%増加させ、特にサービスサイト経由の流入を強化する。
解決策:サイト構造とスマートフォン表示を見直し、サービスページから問い合わせフォームまでの導線を再設計する。
効果:問い合わせ数の増加により、新規リード獲得にかかるコストの削減が見込める。
体制:主管は◯◯部、意思決定は◯◯(役職)が行う。制作は外部パートナーと連携して進める。
予算・スケジュール:概算費用は◯◯万円〜◯◯万円、期間は◯◯ヶ月を想定。
リスク:公開時期の遅延、要件定義段階での追加費用発生の可能性。事前に予備期間と予備予算を確保しておく。
A3またはA4の1枚に収まる分量でまとめる形式は、ワンシート企画書とも呼ばれ、決裁者が短時間で全体像を把握しやすいというメリットがあります。まずは自社の数値や状況に置き換えて、埋めることから始めてみてください。
概算予算とスケジュールの示し方
提案段階で正確な見積もりを出すことは、そもそも難しいものです。要件が固まっていない段階で細かい数字を出してしまうと、後で要件定義を進めた結果、金額が大きく変わった際に、社内の信頼を損ねるリスクがあります。
そのため、この段階では規模別の目安として、幅を持たせた金額を示すことが現実的です。具体的な費用の内訳や相場感については、以下の記事で詳しく解説しています。
資料の説得力を上げるための簡単な工夫
先ほどの穴埋めフォーマットを使えば、提案書の骨子自体はどなたでも作成できます。ただ、空欄を埋める際の材料の集め方によって、資料の説得力には差が出ます。特別なスキルは必要なく、以下のような手軽に確認できる情報を集めるだけで、十分に精度は上がります。
現状・課題の欄:アクセス解析ツールの数値(訪問数、離脱率など)を直近数ヶ月分だけ確認する
課題の欄:営業や採用担当など、他部署に「サイトについて困っていることはあるか」を一言聞いてみる
効果の欄:同業種・同規模の企業がリニューアルでどんな変化を公表しているか、軽く検索してみる
これだけでも、「なんとなく古い」という主観的な説明から、根拠のある説明に変わります。関係部署に一言聞いておくと、その部署が「自分たちの課題も解決される提案だ」と感じやすくなり、後の合意形成もスムーズになります。
提出前に確認しておきたいチェック項目
提案書を提出する前に、以下の点を確認しておくと、質疑応答で慌てずに済みます。
課題の根拠として、具体的な数値やデータを示せているか
リニューアルの目的が、測定可能な形で言語化できているか
概算予算とスケジュールに、無理のない幅を持たせているか
関係部署の課題や意見が、事前にヒアリングされているか
想定されるリスクと、その対応方針を添えているか
自社で対応できる範囲と、外部に相談した方がよい範囲

自社で判断しやすい範囲
社内の課題整理や、関係部署へのヒアリング、提案書の骨子作成は、自社内で進めやすい範囲です。特に、社内特有の意思決定フローや、決裁者が重視するポイントは、社内の担当者の方が把握しやすい部分でもあります。
外部相談が有効な範囲
競合サイトの分析や、業界動向を踏まえた市場調査、アクセス解析データの読み解きなどは、専門的な知見があると精度が上がりやすい領域です。提案書の説得力を高めるために、この部分だけを外部に相談するという進め方も選択肢の一つです。また、提案が承認された後の要件定義や制作会社選定については、以下の記事も参考にしてください。
よくある質問
Q. 社内提案書と企画書は、別々に作成する必要がありますか?
A. 必ずしも別々に作成する必要はありません。社内の意思決定プロセスによっては、1つの資料に両方の要素をまとめて提出するケースも多くあります。重要なのは、承認を得るための材料と、実行計画を示す材料という役割の違いを意識して構成することです。
Q. 提案書と要件定義書は何が違いますか?
A. 提案書はリニューアルを実施すべきかどうかの意思決定を得るための資料で、要件定義書は実施が決定した後に詳細な仕様を固めるための資料です。提案段階で仕様まで詳細に書き込む必要はありません。
Q. 提案書のボリュームはどのくらいが適切ですか?
A. 決裁者が短時間で判断できる分量が理想的です。背景・目的・効果・概算予算・体制・リスクの6項目を簡潔にまとめれば、多くの場合10ページ前後に収まります。詳細な資料は別途、企画書や要件定義書として用意する形が現実的です。
Q. 概算予算はどのように算出すればよいですか?
A. この段階では正確な見積もりではなく、規模別の目安として幅を持たせた金額を示すことが現実的です。過去の類似案件や、一般的な相場感を参考にすると、根拠のある概算を示しやすくなります。
Q. 提案書の作成は社内だけで対応できますか?
A. 課題整理やヒアリング、資料の骨子作成は社内で対応しやすい範囲です。一方、競合分析やアクセス解析データの読み解きなど、専門的な知見が必要な部分は、外部に相談することで提案の説得力を高められる場合があります。
Q. 提案がなかなか承認されない場合、何を見直せばよいですか?
A. まずは、穴埋めフォーマットの8項目のうち、空欄のまま、あるいは曖昧になっている項目がないかを確認します。特に「課題」と「効果」が数値やヒアリング内容を伴わず主観的な表現に留まっている場合は、他部署への簡単な聞き取りやアクセス解析の確認を追加するだけで、資料の説得力が上がることが多くあります。
承認を得るための提案書は、理解と納得してもらうことが重要
社内提案書・企画書は、詳細な仕様を示すための資料ではなく、なぜ今リニューアルが必要なのかを、意思決定者に納得してもらうための資料です。「現状→課題→解決策→効果」という基本の型に沿って穴埋めをすれば、資料の骨子は誰でも作成できます。あとは、アクセス解析の数値を少し確認する、他部署に一言聞いてみるといった手軽な一手間が、資料の説得力を後押しします。
提案が承認された後は、要件定義という次の工程に進みます。提案段階でどこまで具体化すべきか迷った場合は、要件定義で詰めるべき内容と切り分けて考えると、資料が整理しやすくなります。
株式会社デパートでは、提案段階での課題整理や競合分析から、要件定義、そしてその先の制作まで、一貫して伴走支援しています。社内の合意形成にどう進めればよいか迷う場合は、資料の骨子作りから一緒に整理することも可能です。
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